見出し画像

言葉で遊べる状態になるまで

いま、ミッション・ビジョン・バリューをつくる仕事に関わっている。

参考になる情報収集をしていたら、メルカリの記事が目に留まった。

社員の行動指針であるバリューは3つだけ。そして、とても短い。だから、みんな覚えているし、普段の仕事のなかで使う。

そして、しまいには、みんながその言葉で遊び出すぐらいじゃないとダメだと。

私が最初に勤めた会社でも、コアバリューに個人を尊重するということで「Valuing People」というのがあって、よく「バリピー」と言っていた。用法としては「それ、バリピー違反だよね」みたいな感じ。

そうやって、人のボキャブラリーのなかに加えられるというのは、すごいことだと思う。
その言葉をお互いに知っていて、それの意味するところがわかっていて、さらにそれについて考えたり話したりするシチュエーションが何度もあるということだから。

ミッションビジョンバリューはいかに「浸透」させるかということがテーマになるけれど、そうやって勝手にみんなが遊び始める状態というのは、「浸透」のさらに先をいっていて、会社の文化、社風みたいなものが生まれた状態なんだろうと思う。

ベンチャーの取材をした時に、事業の将来像として、”ググる”のように、自社のサービスも代名詞になることを目標としている会社があった。

コピーライターさんの取材でも同じように、コピーの成功イメージとして、コピーが口の端にのぼり、みんなが自分の言葉として話し始める状態があげられていた。

たくさんの人がその言葉を使うというのは、普及の度合いを表す目安になるのだと思う。

みんなが同じ考えを持って、同じ言葉を使い始めるということにはちょっと怖さも感じるけれど、自分が使い始めた言葉が広がっていく様を見るのはゾクゾクしそうだ。

もしかして、私はとても面白い仕事を任せてもらったのかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?