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文豪と〆切

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夏目漱石から松本清張、村上春樹、そして西加奈子まで90人の書き手による悶絶と歓喜の〆切話(エッセイ、日記、手紙、漫画など)94篇を収録したアンソロジー『〆切本』、そして続編、バル… もっと読む
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堀道広「〆切のない世界」

堀道広「〆切のない世界」

夏目漱石から松本清張、村上春樹、そして西加奈子まで90人の書き手による悶絶と歓喜の〆切話(エッセイ、日記、手紙など)94篇を収録したアンソロジー『〆切本』、続く『〆切本2』から、〆切に苦しむ作家の文章を掲載してきました。今日は大晦日特別編として、そんな作家たちにまつわる堀道広さんの漫画を掲載いたします。〆切は終わらない!





(『〆切本2』より)

堀道広(ほり・みちひろ)

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谷崎潤一郎「もしも私に遅筆の病がなかつたならば、」

谷崎潤一郎「もしも私に遅筆の病がなかつたならば、」



夏目漱石から松本清張、村上春樹、そして西加奈子まで90人の書き手による悶絶と歓喜の〆切話(エッセイ、日記、手紙など)94篇を収録したアンソロジー『〆切本』、続く『〆切本2』から、文豪の作品を13篇、お届けします。
師走の忙しさを一時忘れさせる、泣けて笑えてためになる(?)〆切エンターテイメントをお楽しみください。(イラスト:堀道広)

「私の貧乏物語」(一部抜粋)  谷崎潤一郎

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坂口安吾「眠るべからざる時に、眠りをむさぼる。」

坂口安吾「眠るべからざる時に、眠りをむさぼる。」

夏目漱石から松本清張、村上春樹、そして西加奈子まで90人の書き手による悶絶と歓喜の〆切話(エッセイ、日記、手紙など)94篇を収録したアンソロジー『〆切本』、続く『〆切本2』から、文豪の作品を13篇、お届けします。師走の忙しさを一時忘れさせる、泣けて笑えてためになる(?)〆切エンターテイメントをお楽しみください。(イラスト:堀道広)

「人生三つの愉しみ」    坂口安吾

 私の酒は眠る薬の代用

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江戸川乱歩「考えがまとまるまでに、第一回原稿の締切りが来てしまい、とも角も発端を書かなければならなかった。」

江戸川乱歩「考えがまとまるまでに、第一回原稿の締切りが来てしまい、とも角も発端を書かなければならなかった。」

夏目漱石から松本清張、村上春樹、そして西加奈子まで90人の書き手による悶絶と歓喜の〆切話(エッセイ、日記、手紙など)94篇を収録したアンソロジー『〆切本』、続く『〆切本2』から、文豪の作品を13篇、お届けします。師走の忙しさを一時忘れさせる、泣けて笑えてためになる(?)〆切エンターテイメントをお楽しみください。(イラスト:堀道広)

「三つの連載長編」  江戸川乱歩 私は三十年の作家生活の間に、非

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森鷗外「えゝと、どういふ話の筋だつけ。さうさう。」

森鷗外「えゝと、どういふ話の筋だつけ。さうさう。」

夏目漱石から松本清張、村上春樹、そして西加奈子まで90人の書き手による悶絶と歓喜の〆切話(エッセイ、日記、手紙など)94篇を収録したアンソロジー『〆切本』、続く『〆切本2』から、文豪の作品を13篇、お届けします。師走の忙しさを一時忘れさせる、泣けて笑えてためになる(?)〆切エンターテイメントをお楽しみください。(イラスト:堀道広)

「夜なかに思つた事」   森鷗外

光風の巻頭に、岩村透君が書く

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福沢諭吉「また世間に事を企つる人の言を聞くに、……」

福沢諭吉「また世間に事を企つる人の言を聞くに、……」

夏目漱石から松本清張、村上春樹、そして西加奈子まで90人の書き手による悶絶と歓喜の〆切話(エッセイ、日記、手紙など)94篇を収録したアンソロジー『〆切本』、続く『〆切本2』から、文豪の作品を13篇、お届けします。師走の忙しさを一時忘れさせる、泣けて笑えてためになる(?)〆切エンターテイメントをお楽しみください。(イラスト:堀道広)

(『〆切本2』より)

福沢諭吉(ふくざわ・ゆきち)
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梅崎春生「ほんとに風邪ひいたんですか」  「ほんとだよ」

梅崎春生「ほんとに風邪ひいたんですか」  「ほんとだよ」

夏目漱石から松本清張、村上春樹、そして西加奈子まで90人の書き手による悶絶と歓喜の〆切話(エッセイ、日記、手紙など)94篇を収録したアンソロジー『〆切本』、続く『〆切本2』から、文豪の作品を13篇、お届けします。師走の忙しさを一時忘れさせる、泣けて笑えてためになる(?)〆切エンターテイメントをお楽しみください。(イラスト:堀道広)

「流感記」    梅崎春生

 とうとう流感にとっつかまってし

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「しかし何分小生の胃腸直らずその為痔まで病み出し床上に机を据ゑて書き居る次第この頃では痩軀一層痩せて蟷螂の如くなつてゐますそれ故……」

「しかし何分小生の胃腸直らずその為痔まで病み出し床上に机を据ゑて書き居る次第この頃では痩軀一層痩せて蟷螂の如くなつてゐますそれ故……」



夏目漱石から松本清張、村上春樹、そして西加奈子まで90人の書き手による悶絶と歓喜の〆切話(エッセイ、日記、手紙など)94篇を収録したアンソロジー『〆切本』、続く『〆切本2』から、文豪の作品を13篇、お届けします。
師走の忙しさを一時忘れさせる、泣けて笑えてためになる(?)〆切エンターテイメントをお楽しみください。

手紙 大正八年/十年 芥川龍之介

大正八年十二月十八日 水守亀之助宛 

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「本当にやる。やると云ったらやる。今夜は寝る。」

「本当にやる。やると云ったらやる。今夜は寝る。」

夏目漱石から松本清張、村上春樹、そして西加奈子まで90人の書き手による悶絶と歓喜の〆切話(エッセイ、日記、手紙など)94篇を収録したアンソロジー『〆切本』、続く『〆切本2』から、文豪の作品を13篇、お届けします。
師走の忙しさを一時忘れさせる、泣けて笑えてためになる(?)〆切エンターテイメントをお楽しみください。(イラスト:堀道広)

「愛妻日記 昭和五年」  山本周五郎

❖ 五月十五日

金が

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「書けないときに書かすと云ふことはその執筆者を殺すことだ。」

「書けないときに書かすと云ふことはその執筆者を殺すことだ。」



夏目漱石から松本清張、村上春樹、そして西加奈子まで90人の書き手による悶絶と歓喜の〆切話(エッセイ、日記、手紙など)94篇を収録したアンソロジー『〆切本』、続く『〆切本2』から、文豪の作品を13篇、お届けします。
師走の忙しさを一時忘れさせる、泣けて笑えてためになる(?)〆切エンターテイメントをお楽しみください。

「書けない原稿」  横光利一

 私は朝はぼんやりとする。何かの本に三月生れ

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文豪と〆切 ⑦石川啄木「責任解除!」

文豪と〆切 ⑦石川啄木「責任解除!」



夏目漱石から松本清張、村上春樹、そして西加奈子まで90人の書き手による悶絶と歓喜の〆切話(エッセイ、日記、手紙など)94篇を収録したアンソロジー『〆切本』、続く『〆切本2』から、文豪の作品を13篇、お届けします。
師走の忙しさを一時忘れさせる、泣けて笑えてためになる(?)〆切エンターテイメントをお楽しみください。

「明治四十二年当用日記」  石川啄木

❖ 三月三十日
 約の如く今日こそは

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文豪と〆切 ⑥高見順「『赤字つづきだ』と妻が言った」

文豪と〆切 ⑥高見順「『赤字つづきだ』と妻が言った」

夏目漱石から松本清張、村上春樹、そして西加奈子まで90人の書き手による悶絶と歓喜の〆切話(エッセイ、日記、手紙など)94篇を収録したアンソロジー『〆切本』、続く『〆切本2』から、文豪の作品を13篇、お届けします。
師走の忙しさを一時忘れさせる、泣けて笑えてためになる(?)〆切エンターテイメントをお楽しみください。

イラスト:堀道広

日記 昭和二十五年/昭和三十五年  高見順

❖ 四月十二日

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文豪と〆切 ⑤夢野久作「その責任は当然、私のペンに在るに達いありません。」

文豪と〆切 ⑤夢野久作「その責任は当然、私のペンに在るに達いありません。」

夏目漱石から松本清張、村上春樹、そして西加奈子まで90人の書き手による悶絶と歓喜の〆切話(エッセイ、日記、手紙など)94篇を収録したアンソロジー『〆切本』、続く『〆切本2』から、文豪の作品を13篇、お届けします。
師走の忙しさを一時忘れさせる、泣けて笑えてためになる(?)〆切エンターテイメントをお楽しみください。

「スランプ」 夢野久作 

 ―ぷろふいる社御中―

 申訳ありません。このあいだ

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文豪と〆切 ④夏目漱石「だれか代作が頼みたい位だ。」

文豪と〆切 ④夏目漱石「だれか代作が頼みたい位だ。」



夏目漱石から松本清張、村上春樹、そして西加奈子まで90人の書き手による悶絶と歓喜の〆切話(エッセイ、日記、手紙など)94篇を収録したアンソロジー『〆切本』、続く『〆切本2』から、文豪の作品を13篇、お届けします。
師走の忙しさを一時忘れさせる、泣けて笑えてためになる(?)〆切エンターテイメントをお楽しみください。

イラスト:堀道広

手紙/はがき 明治三十八年
十二月三日(日) 高浜虚子

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