優位と有利

やっぱり、あのままでは終わらないと思っていたが、やはりACL準決勝第2戦、アルヒラルvsアルサッドは、あわや逆転という試合になったようだ。
第1戦はアルサッドのホームで行われたが、アルサッドに退場者が出たこともあり、アルヒラルが4-1で勝った。アウェイゴールを4点取り3点差をつけての勝利。次の第2戦でアルヒラルが決勝進出を決めることはほぼ確実という状況になった。

だが。
たしかに、アルサッドが決勝に進むためには、第2戦を4-0で勝つか、5点以上取っての3点差勝ち、あるいは4-1で90分を終えて、延長もしくはPK戦で
勝つのが条件。サッカーとしてはとんでもなくハードルが高そうに思える。
しかし流れに乗れば3点ぐらい続けて得点することがあるのがサッカー。そして取られた方は、ますます慌ててしまうこともある。アルサッドは第2戦で、負けてもともと、という心理でガンガン攻めるのではないか。それしか活路は開けない、と僕は思っていた。

夕べ、少し早めに寝たこともあって夜中の13時ごろ一度目が覚めた。もう試合が終わっているころだと思いネットを調べた。
アルヒラル2-4アルサッド。
て、ことは…。
2試合合計6-5でアルヒラルが決勝進出。結果は戦前の見込みどおりだった。

しかしアルサッドは勝ち抜けへの最低条件である4点は奪ったのだ。
試合を見ていないのでわからないが、得点経過としてはアルヒラルが先制している。もしかして、これが影響したのか、アルサッドが3連続得点で3-1と逆転し、その後アルヒラルが1点を追加。アルサッドが3-2でリードして後半を迎えた。この状況はアルヒラルが優位ではあるが、有利ではない。後半2-0のスコアなら逆転負けになるのだ。アルヒラルは、かなり心理的に追い詰められながら戦ったのではないか。
そして後半48分にアルサッドが4点目。アディショナルタイムが何分あったのかわからないが、あと1点で決勝進出への扉が閉じられるのだから、アルヒラルは肝を冷やしたに違いない。
ギリギリまで追い詰めたアルサッド。ギリギリで勝ち上がったアルヒラル。両者にとって貴重な経験となった試合だろう。

さてウチだ。
第1戦2-0という状況は、勝てる条件が相手の広州恒大より少し幅広いというだけであって、第2戦の試合そのものに何かアドバンテージがあるわけではない。あるとした心理的なものだが、それは場合によっては油断にもつながる。
レッズが先制点を取れば、広州は4点取らなければ勝ち上がれないから相当厳しくなる。だからまず1点欲しいが、取った後レッズが緩んでしまうのが一番危険だ。優位と有利は違う。リードを広げられた方に火がついて流れ的には有利になる場合もあるのだ。
0-0のまま進むこともあるし、レッズが先制することもある。嫌な想像だが先制されることもある。どういう状況でも緩みも焦りもせずに戦い続けること、守りに入るにしても余裕を持ってそうすることができれば、第1戦2-0というスコアを生かすことができるだろう。

一昨年のACL。ラウンド16では韓国の済州ユナイテッドに第1戦アウェイで0-2の完敗だった。準々決勝では川崎に同じく第1戦アウェイで1-3の負けだった。その2試合とも第2戦ホームでレッズが逆転勝ちしたことを思い出せば、ホーム&アウェイの第2戦がいかに難しいかわかる。

でも勝ちたい。
会場の広州天河体育中心体育場そばのホテルで、そう切望している。

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清尾 淳

1957年、石川県加賀市生まれ。1981年、埼玉新聞社に入り浦和の住人に。1992年から、浦和レッズオフィシャルマッチデープログラム(MDP)の編集を担当。2005年に退職し、フリーでMDPの編集を請け負っている。清風庵(http://saywhoand.jp/)庵主。
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