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久々に上げた写真を語ろう


はじめに…

noteではお久しぶりです。
蕎麦T督でございます。
今回は久々に長文語りたくなったので、メインで活動してるコスプレの写真の中でこだわりまくった1枚を語って行きたいと思います。

私は普段はコスプレの写真はモデルさんの兼ね合いもあり、基本的に写真を納品し、Xで上がったものをRPしています。
今回はモデルさんに許可を貰い、自分で写真を掲載してOKを貰いましたので、自分の中で最大限こだわり抜いた1枚についてお話していきます。

※この記事は9-nine-そらいろそらうたそらのおとのネタバレを含みます!ご注意下さい!※

やってない人は今すぐ9-nine-シリーズをやろう!

撮影機材
Nikon Z9
Nikkor-S Auto 50㎜ F1.4
・SS:1/640
・F値:1.4
・ISO:64

こちらの写真です!
ぱれっと「9-nine-」の登場人物である新海天ちゃんの写真です!(かわいい…)
この写真は9-nine-本編のストーリーの概念を忠実に意識しつつ、原作をプレイ済みの皆様なら何処となく感動する様に撮影致しました!どんな風に考え、撮ったのか、撮影機材や技術、9-nine-のストーリー性と絡めてお話できらと思います。

1.作品の方向性

大体は、撮影が決まったとき、スタジオについて実際に見てから決めるものと、事前に今回はこういうのを確実に撮る!って決めておくものを用意してますが、今回は後者の方です。
今回撮影するキャラが登場する、9-nine-そらいろでは、主人公の新海翔とその妹の新海天の物語です。そらいろの物語は、アーティファクトによる異能がそれぞれの登場人物に芽生え、石化事件の真相に迫る物語です。その道中で、ゴーストに襲われた所を天ちゃんに助けられたり、兄妹として長い間一緒に過ごしてきた思い出、兄に想いを秘めている天ちゃんなりの面白おかしいアプローチなど、笑いあり、涙ありな思い出がいくつも物語に散りばめられています。
そんな中、スティグマの侵食による、能力の暴走により、周囲の人物に存在を察知されなくなり、しまいには親しい友人も、両親にも忘れられてしまう局面に陥ります。(あのシーンはめちゃくちゃ心にきてしまった…)

その中で、唯一思い出し、存在を把握できていたのが実の兄である主人公でした。
最後まで天を忘れることがなかった翔が、天に対する記憶が消えかけていながらも、必死に妹のことを想っている心象風景を作品に落とし込むことをテーマにしよう!と決め、一つの作品の方向性を決定付けました。

ここの選択肢に至った時の主人公の中で思い浮かんだ走馬灯をイメージしました。

2.場所選び

今回のスタジオは、コスプレスタジオBooty東京さんで撮影しました。
このスタジオは高クオリティで自由度の高いスタジオとなっており、特に屋上での太陽光を全力で取り入れる事ができる撮影ができるのも特徴です。
この撮影の日は太陽が出てる晴れであり、折角太陽光を利用できるなら、後述するレンズとの相性が抜群と考え、今回は屋上を選択しました。

3.レンズ選びと考え方

写真としての作品の方向性を決定付けるためにレンズ選びは欠かせません。
ではどんなレンズがいいのでしょうか?
私はNikonのミラーレスカメラを使用してるので今回は私が所有しているZマウントレンズである、NIKKOR Z 24-70㎜ f/2.8 Sと、直近で手に入れていた、Fマウントのオールドレンズである Nikkor-S Auto 50㎜ F1.4を比較してみます。
1.で記述した通り、この写真に込めたいテーマは「主人公の心象風景の中にある天ちゃんの記憶」です。心象風景とありますので、基本的には今現在見ているものではなく、主人公が「過去」に見た記憶を元に曖昧な映像記憶を構築していると解釈できます。そうなると画像の中に「消えてしまいそうな曖昧性」を作品に落とし込む必要があります。
そうなると、私がメインで使用してるメインレンズの、NIKKOR Z 24-70㎜ f/2.8 Sでは、絞り開放であっても非常にシャープで、境界が分かりやすいボケが出来上がり、今回の方向性とは違うものが出来てしまいます。もちろん、綺麗ではっきりと写っていることは、写真において基本的な要素であり、重要な要素でもあります。しかし、ただただはっきりと写すことだけでは、「作品」としてアピールすることができません。そもそも今回の方向性にも逆らってしまいます。

(↑の写真はNIKKOR Z 24-70㎜ f/2.8 Sで撮った写真。はっきりと写っており、主人公の視点を醸し出すような作品となっております)

そこで目をつけたのが、私が趣味で持っていたオールドレンズのNikkor-S Auto 50㎜ F1.4でした。

4.Nikkor-S Auto 50㎜ F1.4について

このレンズは1962年にNikon Fマウント用の標準レンズとして発売した単焦点レンズです。
いわゆるオールドレンズと呼ばれているこのレンズは、約60年前に開発されたレンズとあり、光学設計も、光学性能も当時の単焦点レンズの中でも高レベルの物ではありましたが、現代のレンズと比べると光学性能はまだまだ発展途上の代物でした。
しかし、Nikkor-S Auto 50㎜ F1.4の面白い所は、ホワイトミストフィルターを付けたような淡く、どこか懐かしいソフトな感じになる所と、ピント面も非常に曖昧な感じになるところです。
このレンズはまるでホワイトミストフィルターをかけたかのような質感になります。

Z9 + Nikkor-S Auto 50mm F1.4 絞り開放で撮影したもの

上の画像をご覧いただきますと、Parcoの建物の質感や街並みにいる人達が、どこか淡く、境界が曖昧な感じなのが受け取れると思います。
ではなぜこのような感じになるのでしょうか?
答えの一つとして、収差がおそらく現代のレンズと異なるためです。
正確なデータが無い為、主観的なものとなってしまいますが、現行のレンズと比べて、よく言えば柔らかい写りをしており、悪く言えば、ピント面を捉えてもボケて見えてしまう所でしょうか。(拡大すると顕著に出る)
このような現象が開放の際に現れるのが、Nikkor-S Auto 50㎜ F1.4です。このレンズを直近で手に入れており、もしかしたら使えるのでは...?って閃き、使った次第です。
本レンズの詳しい解説をご覧になりたい方は下記リンクより。このレンズの成り立ちなどを詳しく解説しています。

5.現像

現像のより詳細な工程は省きますが、今回の現像では特に以下2つを意識して行っています。

  • 逆光のストロボなし撮影のため、逆光処理を重点的に行う。
    このスタジオの屋上はビデオライトやストロボの使用が一律禁止なため、ストロボで逆光により、顔が著しく暗くなる現状が発生してしまい、顔を適正露出で合わせると、今度はほとんど白飛びしてしまい、絵になりません。そこでなるべく白飛びしない限界まで合わせ、レタッチで修正する方針を取りました。黒と空間色を意識して該当する色を少し強めにするといくらか見やすくなります。
    仕上げにPhotoshopにて、覆い焼きツールなどを駆使して暗くなってる部分を修正し、細かい処置を施すだけです。

  • オールドレンズらしさを最大限生かす
    レタッチ処理にてテクスチャやシャープを極端に上げ過ぎると雰囲気を損なう可能性があります。あくまでこれは、主人公の心象風景の一つであり、曖昧でなくてはなりません。ですのである程度は見やすさのために上げる必要がありますが、過度に上げ過ぎるのも良くはありません。

6.総括

天ちゃんかわいいよね…

物語の背景を取り入れつつ、作品としてどう落とし込むかかなり悩んでしまいましたが、主人公の中にある思い出としての天ちゃんを表現できたかなと思います。
フレアゴーストも中に入れ、背景や被写体の一部を白飛びさせて、消えかかってる表現をしてみました。
また、足元の焦点が合っていないボケもこだわりで柔らかいボケで優しいタッチとなっております。

と言う訳で今回はこだわりまくった写真を取り上げてみました。個人的にはここ最近の写真の中でかなりお気に入りの写真となりましたので、大満足です!!最高です!



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