J1第3節 vs鹿島

鹿島に行ってきたさ!

専用スタジアムで雰囲気は良いし、ベルマーレの試合を縦視点で観る機会がなかなか無いので、試合の結果はまあ残念でしたが(泣)、とっても見応えがありました。

フレイレ、野田隆之介がリーグ戦初スタメンを飾り、リザーブには水曜日のルヴァンカップの初戦で得点を挙げた梅崎司、同じ試合に先発フル出場していた小野田将人と鈴木冬一がベンチ入りを果たした。

・前半は湘南ペースだった。が、
ほんの些細なことから流れというものは変わる。

試合が開始してから主導権を握っていたのはベルマーレ。ユースからトップチームに登録されて試合に絡めるようになってから約4年で遂に中盤の軸になりつつある齊藤未月が、ベルマーレと縁もゆかりもあり過ぎる永木亮太、Jリーグ屈指の外国人ボランチのレオシルバに負けず劣らずの存在感を発揮。
菊地俊介が未月とのバランスを取りながらも縦横無尽に動き回り、両サイドの岡本拓也・杉岡大暉がガンガンに上下動を繰り返す。
この試合ではシャドーの一角に野田隆之介を置いたことにより、山﨑凌吾のポストワークのサポート・現在のチームで一番のフィニッシャーとも言える武富孝介の負担を減らす役割を担わせ、相手のセンターバック(特に右CBの犬飼智也)を狙い、鹿島に揺さぶりをかけた。

昨年の勝ちパターンでもある先手必勝の流れに持ち込みたいベルマーレではあったものの、そこは“和製レアル・マドリー”(めっちゃ強いと言うより、多種多様な展開に持ち込んでも大崩れしない)な鹿島アントラーズ。
ベルマーレの攻める時間を上手くやり過ごした後、ベルマーレが犯した些細なパスミスから決定機まで持ち込み、一気に流れを変えてみせた。

前半28分、鹿島がビルドアップのために前線に出したボールが大野和成の元へ。大野はダイレクトですぐ近くに居た菊地俊介にパスを出したが、このパスが精度を欠いてレオシルバに渡ってしまう。
レオシルバがボールを持った瞬間、鹿島の最前線の伊藤翔は湘南の右CBの山根と中央のフレイレの間のスペースに位置取ってパスを引き出す動きを行う。その動きを確認したレオシルバがスルーパスを送り、抜け出した伊藤翔が左足でシュート。
このシュートは秋元がセーブして事なきを得たかのように見えたが、大野の単純かつ不用意なパスミスから流れを持っていかれたのは間違いない。

前半終了間際に岡本拓也が2枚目の警告をもらって退場処分を受けて数的不利になってしまったのが敗因の重大要素ではあったが、キャプテンマークを巻いた選手があのような簡単なミスを引き起こしているのは大変にいただけなかった。

・揺さぶられて失点した後は逆に落ち着きが出てきたが、得点を挙げるほどの圧力はなかった。

メンバー交代無しで臨んだ後半だったが、後半12分に鹿島の左サイドバックの安西幸輝にゴールを決められる。
ベルマーレの選手交代は
①野田隆之介→梅崎司
②武富孝介→鈴木冬一(J1デビュー)
③フレイレ→指宿洋史
となっていたが、突破力とアイデアを持っている梅崎と鈴木冬、ターゲットマンとしてとりあえず相手CBの関心は引きつけられる指宿を入れて同点ゴールを奪うために目指したが、技術にしても知性にしても選手の質が鹿島と比較すると低いと言わざるを得ないベルマーレのプレーでは“怖さ”と“したたかさ”は感じられなかった。

試合を通して振り返ると、勝気な姿勢とプレーぶりが良くも悪くも前面に出過ぎていた齊藤未月の逞しさが一段階昇華されたように思えた。
移籍後リーグ戦初スタメンながら、周囲の選手たちとのコミュニーケーションを多く取り、高さと熱さで存在感を示したフレイレがまずまずの出来を見せたことも今後を考えると大きい。
高体連出身のルーキーではJ1デビュー一番乗りとなった鈴木冬一も落ち着いて試合の流れに入っていき、好奇心旺盛なプレーでチームを盛り立ててくれたので、リーグ戦での出場機会も増えそうだ。

・課題が早いうちに出るのは良いこと。
鍵になるのはチームの“修正力”。

リーグ戦3試合を終えて1勝2敗、ルヴァンカップのグループステージ初戦ではJ2の長崎に逆転負けし、チーム状態が良い、とはとても言い難い状況のベルマーレ。

この状況を打破する特効薬はもちろん勝利を飾ることではあるが、重苦しいムードがクラブ全体に漂いつつある雰囲気の中でリスクをかけるのは相当勇気のいることではあるが、リスクのかからない攻撃などこの世には存在しないし、何かの犠牲を払わないと欲しいものは手に入らない。

自分たちから簡単にボールを失って相手にプレゼントパスを送ってしまうこと、このタイミングで得点が欲しい!っていう流れなのにプレーに絡んでる選手たちの意思が揃わないこと、展開を考えずに向こう見ずにプレーし続けること、ベルマーレというチームであるが故の課題も少なくはないが、上を目指すなら多少なりの軌道修正は必須。
“考えるチカラ”をテーマに取り組んでいるチームの産みの苦しみという壁を今こそ乗り越えて欲しいものだ。

試合に出ようと出なかろうと、選手の底上げなくしてチーム力の底上げなし!!!
今こそ出てこい救世主!!!


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