冷静と情熱のあいだの「不動産テック」 ~ 攻略難易度3つ その② ~

冷静と情熱のあいだの「不動産テック」ということで、不動産業界攻略難易度の2つ目を書きたいと思います。

■Summary

・不動産業界は12万社を相手にする裾野の広いロングテールマーケットなので大変。

・加えて狭い商圏でコトが完結するため、各エリアで局地戦を行わないといけない。


■不動産業界は裾野の広いロングテールマーケット

不動産会社さんは全国に何店舗くらいあると思われますか?

答えはコンビニの倍以上の12万店舗です。どこにでもあるコンビニの倍以上です。これって結構な数じゃないでしょうか?(美容室は更にその倍でそれはそれで凄かったりするのですが。。)もちろん規模の大小、賃貸・売買の取扱いの違い等ありますが、業種単位の事業所数はトップクラスかと思います。

※出典 宅建業者数 ほか業種

また、これだけの数が全国に存在するので、TOP3社でマーケットの9割を独占しているコンビニ業界(セブン単独で4割)とは異なり、不動産業界は寡占化の進んでいないロングテールのマーケットになります。

例えば、賃貸業界で管理戸数NO1の断トツTOP(2位に約2倍の差)の会社は大東建託さんで約100万戸です。ただ、日本全国に民間借家は約1500万戸あり、借家シェアは6%です。セブンイレブン1社でシェア40%を握るコンビニ業界と、断トツTOPでも片手%のシェアしか取れてない不動産業界、という違いになります。

となると、賃貸不動産マーケットを攻略するには、圧倒的多数のロングテールの会社様も獲得していかないとマーケットの変革を起こすことはできない、ということになり、少々骨の折れる展開になります。(だから、この巨大なマーケットをライトなITで攻略するんだー!は危険です。確実に死にます。理由は次回以降を参照ください。)

■商圏は狭く、3駅となりはいわば外国(商圏外)

次に商圏の話になります。不動産会社の1店舗あたりの商圏はどれくらいかというと、都心の場合だと、店舗を起点にし2駅、郊外や地方都市の車が必要なマーケットだと車で片道5分くらいじゃないかと思います。

私はよく「管理仲介業は土着業」というのですが、地域に根をぐっと下ろして商売をしていくことがとても理にかなっており、逆に管理仲介業で全国展開を行うことは非常に難易度が高いです。

ちなみに、不動産業(賃貸・売買・注文すべて含む)で全国展開が可能・または達成している業態・モデルは「つくる」か「FC」の2つしかありません。「つくる」は、賃貸では大東建託、レオパレス、大和ハウス、積和不動産のようなメーカー系、売買では飯田産業のような新築建売業者(パワービルダー)、カチタスのような中古買取再販業者です。「FC」は解りやすくて、賃貸だとアパマンショップ、ホームメイト、売買だとハウスドゥです。(※売買仲介で全国展開を達成している三井リアリティ、住友不動産販売がありますが、これは圧倒的なブランド力を誇る親会社であるデベロッパーを起点に展開をスタートさせており、例外かと思います。また一部賃貸仲介で全国展開されている会社様がありますが、100%直営店ではありません。特に地方都市はFCにです。)「管理仲介業のみ」で全国展開は不可能で、それを達成している会社は賃貸・売買ともに1社もありません。

で、何が言いたいかというと、管理仲介業では飛び地エリアを落下傘方式で展開することは難しく、そもそも規定された商圏内で商売が完結するため、外に出て商売をするというインセンティブが基本働きません(出ると損しますし)。いわば、不動産会社から すると、3駅目は全く興味・関心のない外国であり、異国です。

■閉じた商圏毎で局地戦を戦わないといけない

そうしてエリアにずぅーと根差していくと何が起こるかというと、独自のルール(更新料礼金などは典型的)、独自の生態系 (県による管理会社・仲介会社のパワーバランスなど)、が県・エリア単位で出来上がり、複雑になり、今に至っています。

そして、商売がその狭い商圏で完結してしまうが故に、我々のように業者間流通・電子プラットフォームというプラットフォーム志向のあるサービスを提供しようと考える会社にはグッと難易度が上がります。なぜなら、不動産会社A社にとって3駅目は自分に関係ないので、「日本全国のプラットフォームをつくります!」は不動産会社からすると「あっそ」という話なります。なので、A社好みの左右2駅の狭域プラットフォームをいくつもつくり、”結果”、「日本全国のプラットフォーム」になるように、局地戦を何度も何度も戦わないといけない、ということになります。これはなかなかにして難易度高く、広域攻略を得意とするITの空中戦のみで解決できる問題ではないため、ビジネスサイドの馬力を要求されます。

※じゃあなんでこのクッソ難しいことにチャレンジしているか、については我々のビジョン・ミッションとあわせてまたの機会にご説明できればと思います。

以上、不動産会社は無茶苦茶多い。その多い相手に、各社の商圏に応じた数の局地戦を戦わないといけない、でした。

次の3つ目の理由は更に複雑になります! 


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冷静と情熱のあいだの「不動産テック」

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