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良い出会いとか、そういうものはない。

コンテナヤードを車で移動しながら、ここは日本でもない他の国でもない、どこでもない場所なんですと説明を受ける。たくさんの積荷を乗せたコンテナ船が嘘かよと思う大きさで、スケール感がおかしくなり無数に積み上げられたコンテナは途中からテトリスに見えた。コンテナの隙間から野良猫が現れて終始何かくださいとねだる声を上げる。

仕事を終え、高密度な大阪の渦に飲み込まれていく。
すごい人の数。地下街から出られない!と田舎者のようなリアクションでなんとか地上に這い上がる。しかし、そこでも人、人、人。人混みをかき分けて、疲れ切った男たちは焼肉で栄養補給。

軽い気持ちで頼んだ麺が美味しくて、なぜかメニューにある麺全てを頼む。ここは焼肉屋。記憶に残ったのは麺類の味である。どれも美味しかった。いつもは夕方に集まり、打ち合わせをし、飯を食った後に酒を飲みつづけるチームなのだが、この日は14時からスタート。飲みだしたのは17時である。1軒目を終えてもまだ19時で途中ここはファミレスかな?というまったりした空気。

なんだかんだ数軒はしごして、寝ながら歩く建築家と嫌に声がでかい不動産屋を連れて終電間際の京都行き電車に並ぶ。となりにアラレちゃんの格好をした女性がライブストリーミングしていて、不動産屋と僕は声を潜めて(アラレちゃんや!メガネ意味ない!)とコソコソクスクスしていたのに、急に起きたお地蔵さんみたいな建築家が「あー!アラレちゃんやー!」と小学生のような正しいリアクションで一瞬目を覚まし、「やめーや!」と二人で突っ込む。そしてすぐ寝るお地蔵さん。

もう何気に2年近くプロジェクトをしているんだと思うと面白いチームだと思う。最初からこんな感じだったか、少しずつこうなったかわからないけれど、高校生のツレみたいな感じになっている。僕が最年少であるが、敬語を使う機会はなぜかない。老け顔具合ではみんなと同じくらいだろう。

コツコツとそれぞれ為すべきことを同じ方向に向けて積み上げている。
それが今年から高速に進んでいる。夢かなと思っていたことが現実になる。その感じにこのチームは大人というか男の子たちのテンションになっていく。すごく楽しい。とてもいい流れだと思う。

世の中に良い出会いとかないと思った。
出会ったことをよくするかどうかは、自分次第。
出会いが育ったのだなと思ったのでした。

いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。