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苦労を買いがちな性格でも、まぁいいか。

木屋町スタジオのベランダでタバコを吸っている。眼下には小さいコインパーキングがある。この場所で何年ほど車の出たり入ったりがあったのか、眺めてるだけで(喫煙のたびに)車が変わっていることに気づく。そりゃコインパーキング儲かるわなー人件費もかからず土地があればお金が生まれる。

一息ついて、会社の全体の数字を眺めて、あとこんくらい必要かーっと眺める。うちに必要なのはみんな死なない金額というビジネスでいえばすごい消極的な数字ではある。ほんでもって残業するもんかってスタイルなのでガムシャラに働くってことはなくて、それでもお金が欲しくて遅くまで働くってことはしない。

多分それで数字が達成できてもなんの意味もないから。潰れたらあかんけど、今設計した会社のデザインや仕組みでその数字なのだから、それを改良してもっと数字を良くして行くのが正解だと思っている。限られた僕らの時間で無理やりねじ込むのは全案件の濃度を薄めることになる。薄すぎるカルピス出て来たら僕は怒るから、ちょっと濃いくらいで出してあげた方がいい。

ふらっと面白い相談が入ってくることもある。
でも大半は自分で探す必要がある。欲しいものは自分で取りに行かないと意味がない。今までは作って→探して→作って→探してと繰り返して来た。今うちは制作フェーズに突入している。仲間が一人増えたことで僕の稼働域が広がっているので「作ると探す」が同時に動ける。これは本当にありがたい。

コインパーキング、置いとくだけで儲かるのいいなーなんてタバコ吸って思ってたけど、やっぱりあれは苦しいな。儲けにはなるし、それが一番楽しい人達からすると超面白いと思うけど、僕から見るとコインパーキングだけにはなりたくないな…と思った。なんだろう。車を停めたいという明確に欲しいものに車停めれるよって、返してるからかも知れない。

こういう物事作りたいって相談に、うわ、どえらいもんできてもうた!って見せて想像超えて来ましたみたいな対話がないのは少し寂しい。今色々忙しくて苦しいフェーズだけど、なんとか力合わせて乗り越えて最高のもんぶち込みましょう!って会話もない。超えなければいけない課題もない。それは少し寂しい。

本当、根っこから金持ちになれない正確だなと一人事務所で思っている。
わけわからないものや、やったことないこと、根深い問題とか好き好んで口に入れるので苦労が多い。しかし、その苦味がいやで誰も手をつけなかったものをバリバリええ感じのものごとに育て上げた時の喜びたるや、なにものにも代えがたい達成感なんだ。

別に僕じゃなくていい仕事が来る日も来る日も繰り返されるくらいなら、貧乏で全然構わないので変える意味のある物事に触れていたい。

アイデアと出来事を作る会社Nue incでした。

Photo by Stephan Müller from Pexels

いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。