職場に新しい人が来た。その人はボランティアとしてやってきた。四〇代くらいの主婦の人だ。働いてくれるのはありがたい。正直、雇われてからこの職場の人手不足を感じていた。仕事量は多いのだが人が足りない。週に二回来てくれるそうだ。しかし、この人物により私はストレスでおかしくなった。

 　新しく来たボランティアの佐藤さん（仮名）はパソコンが全くできなかった。差し込み印刷のやり方を教えて欲しいと言われ、説明をしたのだが、メモ帳に書き始めた。書いている内容があまりに初歩過ぎてビックリした。 

「ファイルメニューを開いて差し込み印刷をクリックその後にプロパティのボタンをクリック」

 　という感じにずらずらと書いているのだ。私も仕事で差し込み印刷をするまでやり方がわからなかったが、パソコンは日常的に使っているので、細かくメモしなくても分かる。それ以前に分からない時は検索する。それが一番早い。

 　佐藤さんがエクセルのファイルを自分が分かりやすいように作り替えていた。それは共有ファイルなのだが、それを見た上司は表情には表さないもののかなり怒っていたと思う。私はそのファイルを使った事がなかったのだが、佐藤さんがいじったファイルを整理するように頼まれた。

 　初めていじるエクセルのファイルだが、いやに文字が細かく必要ないと思われる項目がたくさんある。エクセルのセルは様々な色がついている。佐藤さんは分かりやすくしたつもりなのだろうが、色が多すぎて訳が分からない。文字も大文字と小文字半角がごちゃ混ぜになっていた。しかも、佐藤さんがいじるまでファイルはキロバイトしかなかったのにメガバイトになっていた。画像でもどこかに貼ってあるのだろうか。