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【ざっくり】今アメリカで最も注目されているモバイル向けの動画ストリーミングサービス - Quibi社について

今回は今アメリカで最も注目されているモバイル向けの動画ストリーミングサービスのQuibi社について調べた。

先に話をしておくと、Quibi社はアメリカの様々なメディアで取り上げられているが、まだサービス開始をしていないスタートアップだ。それにも関わらず知名度は高く、創業して1年半で1,000億円を資金調達済みである。
なぜ、こんなにも期待されているかというと、その理由の一つが経営陣だ。

■経営陣
①Jeffrey Katzenberg氏(ジェフリー・カッツェンバーグ)
アメリカ映画業界の大物プロデューサーである。

経歴:ディズニーのアニメ部門を含む映画部門の責任者として、リトルマーメイド、美女と野獣、アラジン、ライオン・キングなどの数々のヒット生み出した。その後、旧友であったスティーブン・スピルバーグと共にあの有名なドリームワークスSKG(製作会社)を設立する。シュレック、マダガスカル、カンフーパンダなどを世に生み出したドリームワークス・アニメーションSKGはその会社のアニメ部門が分社化してできた会社であり、CEOだった。つまり、アメリカの超大物プロデューサーである。

ジェフリー・カッツェンバーグが創業時に声をかけたのが、メグ・ホイットマンだった。

②Meg Whitman氏(メグ・ホイットマン)
メグ・ホイットマン氏は当時従業員が30人だったeBayを世界的な企業に成長させる。ドリームワークス・アニメーションSKGの取締役も過去に務めており、直近ではグローバル企業Hewlett Packard Enterprise(HPE)のCEOであった。

映画業界の大物プロデューサーとグローバル企業の社長がコンビを組んでスタートアップを始めるというのは注目を浴びる。

■サービス
さて、そんなQuibiのサービスはどのようなものか。
上記に記載したようにQuibiは2020年4月にサービス開始であり、現在、HPでは以下のように表示される。

・サービス概要
Quibiのサービスはモバイル向けの動画ストリーミングサービスである。
特徴としてはモバイル向けに特化しており、
屋外、電車などで移動中、カフェなどでも視聴できるよう、動画コンテンツの長さはおよそ7~10分という点である。そこに由来して、QuibiとはQuick Bite(簡単に食べれる)の略である。

動画ストリーミングサービスと言えば、既にNETFLIX、Huluなどがあり、スマホに対応している。しかし、ほとんどのユーザーは家のTVやPCで視聴しており、スマホ視聴は10%以下であるそうだ。また、ほとんどの作品が1話1時間~2時間で移動中に視聴するのに適していない。
そこにチャンスがあると目をつけたのが、Quibiである。
コアターゲットは25歳~35歳である。

・コンテンツ
Quibiはただモバイル向けに特化するだけではなく、NETFLIXの様に良質なコンテンツを提供することに注力している。
その証拠に予定される作品の出演や製作にはスティーブン・スピルバーグ監督のほか、スティーブン・ソダーバーグ、ギレルモ・デル・トロ、サム・ライミ、アナ・ケンドリック、ローレンス・フィッシュバーンが関わる予定である。今後も創業者が大物プロデューサーということから、人脈を駆使して、ハリウッドの大物が続々と関わると思われる。

初年度には製作費1,100億円を使って、約7,000ものショートコンテンツを製作する予定で、コンテンツは2~4時間の作品を分割にして10分以内にする。
ジャンルはニュース、コメディ等幅広く展開するそうだ。

ちなみにスピルバーグが今回製作するコンテンツはホラー映画で、全10話~12話になるそう。タイトルは直訳すると「日没後」という意味であり、注目すべきはこのコンテンツは日没後しか視聴できない仕掛けになるとのこと。(モバイルの時計機能に連動する仕様)

・料金プラン
料金プランは現在では2つ発表がされている。

①広告付きプラン 約525円
(5分未満の動画は10秒広告、5分以上~10分は15秒広告)
②広告なしプラン 約840円

■資金調達
様々なメディア関連企業から1,000億円を既に調達している。
(投資家:ディズニー、21世紀Fox、NBCUniversal、ソニーピクチャーズエンターテインメント、ワーナーメディア、リバティ・グローバル、アリババグループ等)
出資したメディア関連企業は自分たちの番組をQuibiが買って、取り扱ってくれることを期待していると思われる。

これ以外にも広告枠で100億円の契約済みである。
(P&G、ペプシ、ウォルマート、グーグル)

この大きな資金でコンテンツ製作に注力していく。といっても、NETFLIXの製作費はまだまだ及ばない。そのため、来年に追加で1,000億円の調達を考えているそうである。

■まとめ
以上、今回Quiboについてまとめてみた。
調べれば、調べるほどすごい会社であり、業界の著名な人をどんどん採用しており、サービスを開始するとさらに話題になることは間違いないと思う。今年はディズニーも参入したりと、今後動画ストリーミング市場がますます盛り上がっていきそうだ。



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