【書籍】『ケーキの切れない非行少年たち』
巷で話題の『ケーキの切れない非行少年たち』読み終わった。
衝撃的かつ恐ろしい内容だった。
この本が明らかにするのは、本来は保護されるべき軽度知的障害や境界知能の少年少女たちが見過ごされ、成長と共に取り返しのつかない犯罪を行ってしまい、その結果として社会から疎外されていく―――という驚くべき実態だ。
注目すべき点としては、軽度知的障害や境界知能は一般社会での生活を送ることが”なんとか”できてしまう、ということだ。
なかには生き辛さを抱えたまま見過ごされて大人になり、ある日とんでもない問題行動を起こしてしまう人もいる。
『ケーキの切れない非行少年たち』を読むと、最近話題のあおり運転の別の側面が見えてくるような気がする。
これらの問題は周知されて支援につながるとよいな、と思う一方で、かなりの数の見過ごされたまま大人になった人たちが社会にいるということをどう考えるべきだろうか……社会制度で保護されなかった「被害者」たちが、突然「加害者」となって現れ関わり合うことになるかもしれない。
そのことをどう受け止めればいいのだろうか……
結論は出ないが、『ケーキの切れない非行少年たち』は多くの人に読まれるべき本であると思う。
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