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芸能人の政治発言は容認できるか

最近、芸能人が政治的な発言をして物議をかもしていた。

賛否はあったが、メディアなどでも「芸能人でも政治に関心があってもいい」「政治的な発言をする自由はある」と、おおむね好意的な意見が優勢だったように思う。

だが、ちょっと待って欲しい。
そんな建前の話で終わっていいのだろうか。
本当に何の問題もないのだろうか。

芸能人が特定の法案や政党の支持不支持といった政治的な発言を積極的にするようになれば、自分の意見と合わないことが出てくるだろう。芸能人が自分とは違う意見を持つことを許容しなければならないが、その覚悟はあるだろうか。

もっと言えば、人気アイドルや有名俳優が時の政権を擁護したり支持したりすることもあり得る。政権の延命・転覆に関わってくることになる。そうなっても、芸能人が発言すること自体を否定したり、人格攻撃や誹謗中傷を行わないでいられるだろうか。

さらに、過去を振り返ってみれば、芸能と政治の結びつきは存外深く、警戒すべき事柄のように思える。プロパガンダや政治工作だって起こりえるのに「芸能人が政治に関心を持つのは良いこと、当たり前のこと」だと考えるのは楽観的過ぎないだろうか。ジャニーズのアイドルが政治ショーに出てファンを集めていたのはつい最近のことなのだが。

芸能人たちはこれからも政治的な発言をするのだろう。その権利を制限することなどできないし、SNSなどで個人的な発信を行うことを止めることもできない。

しかし、芸能人の政治的な発言を「芸能人が政治に関心を持つのは問題ない」ですませてしまうのは、あまりに無邪気なのではないか。積極的に肯定するのは慎重になるべきではないか、とは思う。

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