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【古代中世言語好きがオススメする歴史漫画(4)】萩尾望都先生『百億の昼と千億の夜』を私なんぞがオススメするのも本来恐れ多いのですが:やはりススメたい!

古代ギリシア語やラテン語の勉強マニアであるという背景で、歴史漫画の紹介を何回かやらせてもらっており、

その勢いで是非『百億の昼と千億の夜』もオススメしたいと思ったのですが。

「さあこの作品の紹介文を書こう」として、はたと手が止まってしまいました

この作品は対象として凄すぎて、私なんぞが何を書こうとしても、恐れ多くて腰が砕けちまいますな、、、!

それにしても、果たして未読の人にはこの作品をどう説明したものか

「手塚治虫の『火の鳥』シリーズ全体に匹敵するスケールを単行本2巻分の物語で表現してしまった、しかも伏線回収や時間軸展開もおそろしくキレイでスキがないSF」というところでしょうか。

こんな途方もないスケールの大風呂敷を広げるだけでも凄い創作力ですが、広げた大風呂敷がちゃんと回収される読後感がたまりません。

古代ギリシアから始まり、古代インドを通過し、古代パレスチナのエピソードも絡めて、最終的には近未来の(映画マトリックスのような)電脳都市での戦争にまでブッ飛んでいく大河ドラマですが、

敵味方に分かれる登場人物たちがプラトンやお釈迦様やイエスといった古代の賢人たちであるという設定が、歴史好きには実に面白い!

一部の古代偉人が「敵」側に回っちゃうのは、歴史に思い入れがある人にはちょっと好みがわかれるかもしれませんが。

けっきょく「シ」とはいったい、何だったのか?黒幕はナニモノだったのか?その謎に複数の解釈を残したところで終わる奥ゆかしさもたまらない作品ですが、

私はこの作品をどう読んだかというと、読後感をあえて言葉にすれば以下のような感じでした。

ひょっとしたら、今ここにいる私というのも、誰かがコンピュータシミュレーションの実験でつくりだした架空の存在かもしれない(そして突然、思いつきでスイッチを切られるのかもしれない)
あるいは、今ここにいる私は、宇宙開闢以来の何十億年もをかけて様々な生命に転生してきた、膨大な時間の中に続いてきた意識の一部なのかもしれない
・・・などということを今考えているのも、「この瞬間にそういうことをアタマの中で考えるように」誰かにプログラムされているのに従っているだけで、私の意識すらすべては何かのプログラムの反映なのかもしれない
ただ自分(?)の中に感じられる、コトバや思考の背景の「『ここにいる』という感覚」のようなもの、「魂みたいなものが『ここにある』という感覚」のようなもの、これだけは、存在しているのは確かだ

まぁなにはともあれ、こんなにスケールの巨大な漫画が日本の漫画史に「ある」ということに感動すべきところかもしれません(・・・という感想をここで抱いたのも、宇宙を外側から見ている誰かにプログラムされている結果なだけかもしれませんがw。ううむ、この「思考」の迷路、抜け出せない、、、!)。

子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!