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【古代中世言語をやっている人ゆえのつぶやき】翻訳不可能な書籍あるいは翻訳しても意味のない「魔術書」たち

前回までの記事で、薄利多売の現代の書籍出版は一回クリアして「一冊数万円の入魂読書」の時代に戻ってしまいたい、という夢を語ってきました。

古代ギリシャ語や中世ラテン語のマニアである私から言わせてもらえれば、古代中世ヨーロッパに出回っていた本には、それこそ数万円で手に入れて書棚に置いておくだけでご利益がありそうな、凄いものがいろいろありますと、ぜひ宣伝させていただきたい!

つまり魔術書というやつですね。

私にも、いつかはヨーロッパの各都市の古本屋を巡って、見つけたら数万円をはたいても手に入れたいと狙っている「伝説の古書」候補がいくつかあります。

15世紀に書かれた『ソロモンの大鍵』とか、
伝説の魔術師アグリッパが書いたと言われる『隠秘哲学総論』四巻とか、
中世スペインで成立したカバラの教典『ゾーハルの書』の原版とか。

日本語訳を探せばいいのではないかって?それでは意味がないのです!

このような魔術書の類は、中世の当時に出回っていたままの姿の骨董版として、翻訳ではなく原書のヘブライ語やギリシャ語やラテン語で書かれている版を自宅に置いてこそ、意味があるのです。

こういう本を日本語に翻訳して文庫にしてどうするって話ですね。

そもそも世の中には、内容をてっとりばやく理解することが目的ではなく、その本が出回っていた時代の人たちとできるだけ同じ手触りのものに皮膚で触れるということに意味のある、そんな本もあるのです。

ヘブライ語やラテン語で書かれた魔術書を本棚に持っておいて、たまにパラパラとめくって手触りを楽しむ、そんな生活、まさに贅沢ですね。

ちなみに私はこのような「魔術書」を骨董品として楽しむ喜びを語っているわけで、私自身は、古代や中世のヨーロッパで流行っていたような、悪魔召喚術や降霊術のオカルトなパワーを本気で信じているわけではありません。たぶんね、ヒヒヒ。

子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!