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【ビジネスマン必読書『君主論』全文を統計解析してみました】第3回:君主論が書かれた時代背景とそれをデータ処理する意義について

ビジネスマン必読書とされる『君主論』ですが、前回の記事で述べた通り、現代日本人がいきなり読んで理解するにはいくつかハードルがあります。

最大のハードルは、これが書かれた時代背景が日本人にはなじみにくい、ということでしょう。

中世イタリアの人名が説明なしで続々登場するハードル!

マキャベリの場合は、彼にとっての同時代である中世イタリアの人名を中心に、同時代のフランスやスペイン、古代ローマ帝国や古代ギリシャの実例をしばしば取り上げています。

これが日本人読者の読書の手を止める原因となります。

たとえば以下のような名前がいきなりボンと出てきて、「ああ、あの人のことね」とすぐにイメージできるのは、相当な歴史好きの方ではないでしょうか?

※チェーザレ・ボルジア
※フランチェスコ・スフォルツァ
※教皇ユリウス二世
※アレクサンデル・セヴェロス
※フランス王シャルル八世

これがもし「坂本龍馬」や「織田信長」だったら、日本の読者にも難しいことはないはずなのですが。

このあたりのヨーロッパ史の背景がわかってくれば、マキャベリが「こういうタイプの君主はOK」「こういうタイプの君主はNG」と評価しているのがまさに本書の読みどころとわかるのですが、なかなかそうもいかないものです。

そこで重要人名とそうでない人名をより分け、人物単位にデータ整備してみましょう

そこで今回のテキスト解析の主眼は、『君主論』の全文を「人名」中心に自然言語処理にかけ

・登場頻度の高い人名について重点的に解説することで、『君主論』を読むにあたって注目すべき人物のみにフォーカスする
・論旨上、無視してもよい人物名も挙げだす
・マキャベリから高い評価を得ている人名と、低い評価になっている人名、そもそも評価を受けていない人名をポジショニングしてみる
・評価の高い人名と一緒に出ているキーワードと、評価の低い人名と一緒に出ているキーワードを比較し、「マキャベリに高い評価スコアを得るにはどんな生き方をすればいいか」をデータから導き出す

といった試みを進めていきたいと思います。

もちろん、半分は、お遊びです!ですがちょっと変わった切り口での『君主論』分析ということで、いろいろな知見を得られる記事にしていきますし、少なくとも中世ヨーロッパの歴史についての雑学がいっぱい仕入れられることになるでしょう。

そしてこの記事をきっかけに、できれば次に『君主論』本編にも触れていただきたいと思います。

この記事を読んだ後であれば、斜め読みでも大意がつかめるようになっているはずです!(重点的に読むべき人物のエピソードと、飛ばしていい人との見分けがつきますから!)

君主論の背景となっている中世イタリア史のたまらない魅力

もうひとつ、私が今回、このようなテキスト解析を試みた背景ですが、

なんといっても、イタリアの歴史がたまらなく魅力的だから、となります!

特に君主論の著者であるマキャベリは、若い頃はフィレンツェ共和国の外交官として活躍した人物です。フィレンツェは現代でも人気の海外旅行先ですよね。

私もかつてフィレンツェを旅行し、たちまちその魅力に取りつかれた経緯があります。

本記事の合間に、私がフィレンツェ旅行の際に撮りためた写真もいくつか挿入していきますので、イタリアという土地の魅力にも共感いただければ、尚、幸いです!

それでは次回より、データ分析の具体的な準備に入っていきましょう!

子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!