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【古代ギリシャ語・ラテン語学習者のつぶやき】「なんでもまずはやってみよう!」に対するギリシア好きからの敢えての申し添え:「常に戦略が先!」

ギリシア語の勉強が進んでいくうちに中世のビザンチン帝国(別名:東ローマ帝国)に興味が湧き、そこから以下のような洋書にハマりました

私が敬愛するエドワード・ルトワック教授の「ビザンチン帝国の戦略」に関する著書です。

ルトワック教授の主張をまとめると

・みんな「ビザンチン帝国は、地味で弱い国」と勘違いしているが、よく見るとこの国は1000年間も生き延びていた長寿国家である
・しかもペルシア帝国、イスラム帝国、モンゴル帝国など、世界史上のオオモノたちの攻撃を次々に撃退して生き延びている
・それはビザンチン帝国が軍事的に劣勢な場合でも「たくみな戦略性」でつねに活路を見出してきたからだ

よって、ルトワック教授のテーゼ、「なにごとにもまず戦略が大事だ!」に収斂していきます。

ルトワック教授のいう「戦略」は、「勝つための戦略」という意味だけではなく「負けるべきときには負けてやること」「失敗していいときに失敗しておくこと」「生き延びるためには強者に道を譲ること」「何もすべきでないときは徹底的に何もしないこと」なども含んでいます。

じつに為になる本だと思います。特に「勝ち続けることが優れた戦略なのではない、負け続けているようで、いつもちゃっかりそこそこの力を温存して生き延びる、という戦略もある」というのは革命的な卓見だと思いますし、そのまま私たちの人生にも応用できるのではないでしょうか?

何が言いたいかというと、「今の時代はスピードが大事だ、とにかく行動が先、失敗したらその時はその時で考えよう」というプレッシャーがどうにも強い世の中ですし、そういう生き方が間違いとも思わないのですが、

「あえて動かない」とか「辛抱強くチャンスを待ち、耐える」とかいう生き方もアリなのであって、それを否定しちゃいけないだろう、ということです。最近は書店へ行っても「今すぐ〇〇をやめて〇〇を始めなさい!」とか「考えるより前に〇〇なさい!」とかいうタイトルの本が多くて人を煽ってきますが、「スピード重視戦略」があれば「頑固に動かない戦略」もまたあるのであって、それは人それぞれの特性や生き方にあわせて選択すべきことだな、ということです(「どちらの戦略のほうがいい」という話ではありません、スピード重視戦略で息切れせずに突っ走れる人も(稀に)いるにはいますが、みんながそうではないだろう、という話です)。

「スピードを出せ、スピードを出さない奴はけしからん」というプレッシャーの強い風潮に、一匹のギリシア語かぶれからの見方として「そうでもないかもしれない」という視点を出させていただきました。

たとえば現代ギリシアを見てください!あれだけ何度も国家破綻の危機に瀕しているのに、毎回たくみに生き延びて、楽しく復活してきて、夏のバカンスもたっぷりとっています。

もっともギリシアは極端な例であって、「あれがいい」とススメているわけではありませんが。。。あしからず。

子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!