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【ビジネスマン必読書『君主論』全文を統計解析してみました】第2回:そもそも『君主論』とはどんな本?日本でも人気って本当?

『君主論』の日本での圧倒的人気!amazonの売れ筋ランキング100を見てみよう!

「君主論はビジネスマン必読書として日本でも人気」と主張する背景として、まずはこちらをご覧ください!

Amazonの「歴史×ビジネス書」売れ筋ランキング100位を定点観測しているもの(2019/6/10~2019/6/16の一週間分)です。

ざっと見ただけでも、「孫子」とか「坂の上の雲」とか「キングダム」とかのいかにも日本人ビジネスマンが好きそうなタイトルの中に、「君主論」「マキアヴェッリ」が入り込んでいますね。

具体的にはこの7日間のamazonランキング100位の中で、君主論関係の著作は以下4本でした!

・社長のためのマキアヴェリ入門 (中公文庫)
・60分で名著快読 マキアヴェッリ『君主論』 (日経ビジネス人文庫)
・今度こそ読み通せる名著 マキャベリの「君主論」 (名著シリーズ第3弾)
・1分間君主論 差がつく実学教養3 (1分間名著シリーズ)

特に「社長のためのマキアヴェリ入門」(成毛眞)は以下の通り、データ集計期間の7日間中、100位から外れること自体がありませんでした(一瞬、98位と危ない瞬間もありましたが、すぐに持ち直しました)。そこそこ古い本なのにこの安定はたいしたもの!

こんなに日本のビジネス層にも人気の『君主論』とは、どういう本なのでしょう?

『君主論』とは何か?amazon.jp上の「内容紹介」文から要点を抽出

せっかくなので、先ほど出てきた4冊の本のamazon.jp「内容紹介」欄から、君主論の紹介をしている文章を抽出して語ってもらいましょう!

まずは『社長のためのマキアヴェリ入門』から!

かのマキアヴェリの名著『君主論』の「君主」を「社長」と読み替えると超実践的なビジネス書になる!具体的なビジネスサンプルをちりばめ現代の君主=社長を支える実践的な知恵を引き出す。企業のモラルが問われ、コンプライアンスがクローズアップされる今日、不朽の古典に現代ビジネス書としての新解釈を行った好著。
(Amazon.jpの「内容紹介」より引用)

『君主論』は中世イタリアの乱世に書かれた本ですが、現代ビジネスでのサバイバルにも使える様々な事例や知恵が見いだせるのだそうです!

続いて「60分で名著快読 マキアヴェッリ『君主論』」を見てみましょう!

『君主論』本書の要点を上げれば以下のようになります。
・政治の目的はどんな状況下でも「国を維持すること」である。まず国家を維持できなければ何も始まらないからだ。
・国にとって最も重要な土台は「良き法」と「良き軍隊」である。
・国には民の力と同盟国が必要である。
・君主は自身の力量を知り、民もまた君主の力量を判定しなければならない。
君主は「良くない人間になりうること」を学ぶ必要がある。必要なときにはそれを実行しなければならない。
「国」を組織、「君主」をリーダーに置き換えれば、マキアヴェッリの観察と分析はビジネスにおいてもそのまま有効性を保っています

(Amazon.jpの「内容紹介」より引用)

より詳細な内容紹介になっています!それにしても、「君主は良くない人間になりうること」というのはとても気になる表現ですね。

性善説や楽天主義を措いているような甘い本ではなさそうだ、ということが伝わってきます。

「今度こそ読み通せる名著 マキャベリの「君主論」」も見てみましょう!

【経営者、政治家が愛読する書。慎重であるより、果敢であれ!】
「マキャベリズム」と称され何かと誤解されがちな書ですが、実際述べられているのは、仕事をする上で必要不可欠なことばかり。
ただ、世界史の知識がないと読みづらい点もあるため、主要な登場人物一覧や当時の地図、メディチ家の存在等、コラムとして掲載し、読みやすく工夫しました。
本書は、16世紀初頭から世界中の人々に愛され、読まれ続けてきた名著です。仕事をする上ではもちろん、生き抜くために必要な要素が詰まっています。ぜひ、その面白さを堪能してください。
(Amazon.jpの「内容紹介」より引用)

マキャベリズムという言葉の基となった本とされ、悪徳の書と批判されていた時期もあったことが書かれています。また、世界史の知識がないと読みづらいという「難点」も指摘されていますね。

いきなり原典にあたってすぐに読み通せるようなものではなさそうです。

「1分間君主論」も見てみましょう!

『君主論』は〝西洋の『孫子の兵法』〟とも呼ばれ、リーダーのための教科書として知られています
中世イタリアの官僚ニッコロ・マキャベリが、自らの経験を基に「成功する組織の作り方」「統治の技術」「人間の本質」などについて著しています。
ルネサンス期のフィレンツェで書かれた、乱世を生き抜く政治哲学。
本書は、その『君主論』を現代のビジネスマンが読んでも分り易いように〝ビジネス語訳〟し再構成、理解の助けとなる事例を加えています。
リーダーシップは先天的な素質ではなく、訓練して身に付けるもの。「人を思いのままに動かす方法」を会得できるヒントにもなります。
「厳しい世の中をサバイブする知恵がここにある」「慎重であるより、果断であれ」というメッセージを打ち出します。
(Amazon.jpの「内容紹介」より引用)

「権謀術数の書」とされたり、「帝王学」とされたりといった、解釈の振れ幅のある古典だそうです。「西洋の『孫子の兵法』」という説明は、歴史好きにはわかりやすいキーワードですね

まとめ:なんとなく見えてきた「ビジネスマンが『君主論』に期待すること」

マキャベリの『君主論』は、日本ではどうやら「三国志に学ぶリーダーシップ」や「孫子の兵法に学ぶビジネス論」などのように、「古典上の先人から生きる知恵を得たい」人に好まれている本であることが見えてきました。

ただし、

・権謀術数や独裁をススメているように読める箇所もあり、甘いものではなさそう

・ヨーロッパの地理や世界史に詳しくないと理解が難しい箇所がありそう

ということも見えてきました。

いったいどの程度の「世界史知識」が必要なのか、また、その『君主論』にテキスト統計処理をかけると何の役に立つのかという点については、次回、お話しようと思います。

子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!