日本の「怖い話」を英語で語ろう!【#10:怖い話版5W1Rの「WHO」を「A friend of a friend」表現から考える】

Do you mind if I tell you a scary story?

以前の記事で、「効果的で伝わりやすい怖い話をするコツとして、

WHO(誰が?)
WHEN(いつ?)
WHERE(どこで?)
WHAT(何が現れた?OR どんな怪奇現象が起こった?)
WHY(なぜ?(何をしたせい? 何の因果のせい?))
RESULT(その怪奇現象の後、けっきょくどうなった?)

5W1Rを整理してから話をしましょう」という話をしました。

今回からはその具体編として、5W1Rのそれぞれにはどのような英語の語彙が当てはまりやすいかを、ひとつずつ考えていきましょう。

今回は5W1Rの「W」の一つ目、「Who(誰が?)」を扱います!

日本語でも英語でも怖い話をする時の必須の言い回し:「これは私の〇〇の××の△△に起きた話なんだけど・・・」

以下の英文サイトでは「どのようにして都市伝説(urban legend)というものは広まるのか?」という議論をしていて、その中で"A friend of a friend"という言い回しについての解説をしています

この"A friend of a friend"とは、「友達の友達」ということ。「これは友達の友達に起こった話なんだけどさあ」というところです。

「都市伝説の特徴は『誰の身に起こった話かが極めてアイマイになっている状態』で、口から口へと伝播していくことにある」とされているのですが、これは日本の怖い話についてもめちゃくちゃ思い当たりますよね。

日本の怖い話を英語でするときの「WHO」も、「〇〇の××の△△」くらい屈折してしまってよい!

先日の記事で紹介した"Old house on the railway tracks"のエピソードなどでも、屈折した「WHO」が設定されていましたよね?

This happened to the younger brother of one of my mother's friends. (これは私のお母さんの、ともだちの、弟さんに起きた話なんだけど・・・)

こういう「WHO」の言い回しを「語りだし」に持ってくることには、話の信憑性の責任を曖昧にするという効果はもちろんですが、他にもとても有益なポイントがあります。

「これは友達の友達(A friend of a friend)から聞いた話なんだけど」とか、「これはお母さんの友達の弟さんに起きた事件なんだけど」とかを語り始めにもってくると、いかにも「これから怖い話になりそう!」という雰囲気を醸し出せるのです!

というわけで、「怖い話」を英語で語り出す時のコツは、「WHOは『〇〇の××の△△』のような関係性のアイマイな人をあてはめてしまってよい、むしろ、WHOが『〇〇の××の△△』のようなアイマイな関係性のほうが、『あ、怖い話が始まるな』という雰囲気を聞き手に伝えるのに効果的!」ということになります。

5W1Rの「W」をできるだけナゾめいたアイマイな人物にすべし、などというのは、普通のプレゼンテーションテクニックとは真逆なノウハウですけどね。。。

怖い話を英語でする際に便利な「WHO」のパターンをかつて参考文献として紹介したTara Devlinさんの『KOWABANA』から抽出してみましょう。

This is a true story that happened to my aunt(これは私の叔母に起こった本当の話なんだけどね)
This happened to one of my mother’s colleagues. I’ll call her Murakami-san.(これは私のお母さんの職場で働いている人に起こったことなの、その人のことを仮に『ムラカミさん』と呼ぶことにするね)
This isn’t my own story, but something that happened to one of my club buddies(これは私に起きたことじゃなくて、部活の仲間の体験談なんだけどさ)

どれも、信憑性の所在を曖昧にしつつ、「これから不穏な事件の話をするぞー」な雰囲気を盛り上げています。

しかし、本当に勇気のある人なら、英語で怖い話をする際に「I」の使用にチャレンジしてみては?

しかし、です。怖い話というのは臨場感が大事!

本当に効果的な話をするには、一度は、やはりチャレンジしてみたい人称がありますよね?はい、一人称です。「I」です!

Iを使う場合、ウソはつけないので、自分の恐怖体験を人生の中から拾いだしてきて話すことになります。

でも、よほど霊感がある人でもない限り、普通の人は「なんとなく不思議なものを見た」とか、「子供の時の、夢かマコトかよくわからない思い出がある」とかいった程度の体験しかないですよね(逆にいえば、そういう程度の「不思議体験」であれば、誰でもひとつふたつは持っているのでは?)。

そういうニュアンスの微妙な物語をこそ、一人称で上手に語って相手の感動を引き出すことが、「日本の怖い話を英語で語ろう」と憧れる者の、いつかは到達したい最終ゴールなのではないか、とも思うのでした。

遠い道のりですが

そこにたどり着ける、その日までは、

静かに「友達の先輩の後輩のボーイフレンドの叔父」などといった「逃げボキャブラリー」を練習するほうに、精を出すことに致しましょう、、!

子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!