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派遣会社登録と違法面接に落とされる日

ということで気合を入れて、朝10時に予約した派遣会社の登録に行ってきた。だけど、やっぱり入った瞬間に嫌な予感がした。

とにかくこういう場所でいつも共通してるのは、対応する人が、笑顔なのに高圧的で怖い。仕事を斡旋するのが仕事で、面接官のように自分たちが求職者より上の立場にいると思っているけれど、結局は斡旋に成功しなければいけない。
というところもあって一応笑顔で対応、しかしお前らは下の立場ということを忘れるな、みたいな雰囲気をどうにかして出そうとしてるのが伝わってくる、よく分からないことになっていた。

このおかしな空気感のせいでこちらまでおかしくなりそうになった。もちろん、全てのこういう会社がそうだとは思わないけれど。

それでもなんとか頑張って個人情報の入力、職歴、タイピング、エクセルやワードのテストみたいなのを済ませると、違う担当者が現れた。さっきとは違ってとてもフレンドリーな雰囲気の人で、私の探している仕事の条件を細かく聞いてくれた。そうするうちに短期の仕事を紹介されて、自分の求めている条件にとても近かったから迷わず応募することにした。

その派遣会社を出て、また別の派遣会社で登録を済ませたころ、さっきの派遣会社の担当者から連絡がきた。そして、その日のうちに応募した仕事の「顔合わせ」に行くことになった。

また別の担当の人と現地で待ち合わせて、「顔合わせ」に向かった。新しい担当者はとても親切で、歳も近いことだし何でも相談してくださいね、と言っていた。
会社に入り、従業員の人たちと仕事内容について軽く会話をした。会社の雰囲気は悪くなさそうで、その人たちも、私が仕事を始める前提で話を進めていた。

会社を出ると担当者の人が笑顔で「じゃあ今日中に連絡しますね!決定だと思います!」と言っていた。私はやっと仕事が決まったことに嬉しくなって、舞い上がった気持ちで街を歩いた。確実にお金が入る仕事が見つかり、全部でいくら稼げるだろうと計算していた。そうするうちに電話がかかってきた。採用通知だ!そう思い電話に出た。

「今回は残念ながら…」

あんなに手応えがあったのに信じられなかった。何故落ちたのかも教えてもらえず、とても冷めた声の、事務的な対応だった。私はただひたすら混乱した。決定じゃなかったの…?

納得できなかったので、派遣のシステムに詳しい友達に聞いてみた。彼女によると、本当は派遣先が派遣される人間を選ぶことはできず、派遣会社で「決定です」と仕事を紹介をされて、「顔合わせ」をしたあとに不採用というのは違法行為らしい。私が体験したのは「顔合わせ」と言う名の、実際は違法な面接だということだった。

そして、それが彼らの仕事なのだということをはじめてここで理解した。

私はすごく腹が立った。人をなんだと思っているのだろう。今日私に関わった人全員に不信感をいだいた。私には体裁の良いことを言いながら、裏では人を騙しているのと同じだ。

そして、私をこういう風に扱った彼らも、ろくでもない扱いを受けているのだろう。けれど、こんな悲しいことが当たり前のようにまかり通っていていいのだろうか。だけど、友達によると、こういうことはとてもよくあることだそうだ。どうかしてる。

とにかく私はしょんぼりしながら家に帰った。今日使った労力と時間、あの一瞬のぬか喜びした時のパワーを返してほしいと思った。

でもたしかなのは、私は明日も仕事を探しに、また別の派遣会社の登録へいかなければいけないということだった。

帰って早々にお風呂に入り、早めにベッドに入ってお気に入りの漫画を読んだ。
難しいことを夜寝る前に考えるのはやめて、明日のことは明日考えようと思った。

寝る前に聴いたテヨンの「Blue」がとても美しく、しみこんでいくみたいだった。
https://youtu.be/wbewYT57_nc

#エッセイ #日記 #フェミニズム #フェミニスト #就活 #派遣社員

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