はなぢ北条海岸2

ぼくが思う「耳コピ」。

こんにちは、スキャット後藤です。フリーランスの作曲家です。
またまた定期購読してくれた方が増えたので、何かしら書こうと思います。

(この記事は無料で読むことが出来ます)

「耳コピ」のことが話題になってたので、僕なりに思うことを書いてみようと思います。これは僕の意見を勝手に書いてるだけです。

音楽を長年やっていて、25年近く音楽を作ってはお金をいただき..という生活を繰り返してるのですが、残念ながら耳コピが全く出来ません。「プロでお金をとってるのに耳コピが全然ダメで呆れた」的なツイートを見かけて、、、、うわ、怖、、、と思いました。僕はコンプレックスの塊で、昨日の10,000円で投稿した記事「僕の弱点」では書いてなかったですが、耳コピがほんと出来ないのです。ベースの高さもわかんないし、自分が口ずさんで作ったメロディーすらちゃんと音源に出来ないみたいな...。(レコーディングの時はボーカリストに歌って指示したりすることも多いです)今まで耳コピしたことがほぼないです。イントロちょろっとというのが数曲程度だと思います。耳コピできないけど作曲はやってます。

ということで、僕なりに「耳コピ」について考えてみました。

耳コピができるとなんの役に立つだろう?と。まず「カラオケのデータ作り」には役に立ちそうです。Aという曲を、そっくりそのままデータ作らないといけないので、その能力は必要そうです。一音でも間違うと原曲と違うものになるわけですから。まるまんまコピペするには、耳コピする能力が必要です。(耳コピできない僕の勝手な想像です)

他に思いつくのが、耳コピできれば楽曲の構造が知れるということがある気がします。特に、生楽器には生楽器なりの癖というか特性はあるので、「◯◯らしい」フレーズを身につけるにはいいのかもしれません。運指ってもんがあるので、弾きやすいフレーズ、弾きにくいフレーズの差がわかるかもですね。あとは、どの楽器がどういう帯域で使われてるとか、役割とか。そういうのもしれそうです。ただ、これに関しては完璧に耳コピできなくても、ザックリ似た感じにコピーできれば把握出来る気がします。耳でなんとなく感覚を身につけることも出来そうですし。(僕の場合はコレ)

あとは、◯◯に似た曲を作る必要がある時に役立ちそうです。シャンソン作ってください!って言われた時に、とりあえず近い曲を一曲耳コピしてみたら、必要な楽器とか、そのジャンルの和音の癖とか身につくだろうし、パパパっと表面上の音を変えると、依頼された内容の曲に近づける気がします。僕はコード進行すら耳コピできないので、苦手なジャンルの仕事が来たり、似た曲を作ってくださいって言われた時「耳コピできたらどんだけラクなんだ....」って落ち込むこともよくあります。なので、耳コピすればするほど作れる曲の幅は広がる気がします。でもまぁ、完璧な耳コピじゃなくても大丈夫だと思いますけど。雰囲気を把握しておけば作れますから。

もしかしたら、耳コピができたら作者の意図がもっと理解できるかもしれない気がしました。音楽の歴史の変化を勉強したい時には役立つかもしれません。時代考証が必要な楽曲をつくる時とか。その時代にそういう和音は使われてなかったみたいな。(耳コピしなくても楽典でわかる???)

さて、僕は耳コピ全くできないですが、作曲やってます。一応やれてます。これから作曲やりたい人、やってみたい人には伝えておきたいですが、耳コピできなくても作曲はできます。これは事実です。たぶん「いい曲」も「人の記憶に残る曲」も作れます。

作曲のいいところは「自由」だということです。特に打ち込みだけで完成させる音楽は「自由」しかないです。生楽器を使う場合は、いろんな知識や経験が必要になりますが。それでも耳コピが必ず必要かはわかりません。たぶん必ずってことはないと思います。「Aの曲を完璧に耳コピする」ということは、その名の通りそっくりそのままコピーしたものが出来上がるということです(いろんな技は見につきます)。逆に、耳コピの精度が低くなればなるほど作曲になります。「これベースもドラムもメロディーも全然違うよ?」って言われたらオリジナル曲です。作曲のいいところは、間違いがないということ。だって比べるAみたいな存在がないのですから。耳コピは、Aに比べてBがどうかって事です。

僕は耳コピできないから作曲してるんです。ラクですよ、比較対象がないんですもの。ひとつひとつ自由にフレーズが作れます。「ここ、一音抜けてるよ」とか「ここ、一音音程が違うよ」とか言われないわけです。最高です。

たとえば、線からはみ出して塗られてる部分は指摘されやすいです。絶対的なことなので。でも、それが表現としていいかわるいかはまた別問題です。理論では間違ってる、というのもそういう事です。「この和音にこの音はありえない」とか「こういう転調はダメです」とか。指摘しやすい絶対的な部分です。ルールがあるから指摘しやすいんです。ということは教えやすいのです。(センスとか、いい曲の作り方は教えられない)

全然話がずれますが、Audiostockに出した楽曲が「ノイズがあるので」とリジェクトされることがすごく多いと聞きますが、それは購入したお客さんが指摘しやすい部分だからです。「この曲よくないから返金してほしい」って内容は絶対的ではなくて感覚的な、お客の主観的な部分で曖昧です。「ここノイズ聞こえます」は指摘しやすいのです。(耳コピができないといけないって話と少しズレましたが)

耳コピすればするほど、いろんな曲の構造など知れます。分解するわけだから、どのパートがどうやってるみたいなことも勉強になります。ただ、耳コピが苦手であれば、楽譜を買ってきてそのまま打ち込んでみる、でもいいと思うし、データを購入してきて各パートを聞いてみるでもいいし。お金があるなら、好きな曲を誰かに耳コピしてもらって譜面にしてもらって、それを眺めたり聞いてるのでもいいし。 

もし「耳コピが絶対必要」という記事を読んで真に受けてる方がいたら、「絶対」ではないということを知っておいてほしいです。耳コピできなくても、いい曲作ってる人アホほどいますから!!!

島野さんのあの名曲たちは大量の耳コピによるものなのですね。耳コピがどういうことに役に立つかがよくわかるツイートですね。J-POP界に島野さんの登場した時、かなりビックリしました。若い人はピンと来ないと思いますが、J-POPの流れを大きく変えた方です。

最後に僕がピンときたツイートを貼っておきますね。(追記 5/28)


ということで、今日のテーマはおしまいです。


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<5月の記事の一部です>

大逆転するかもしれない人たちの話。
https://note.mu/scatgoto/n/nc2a6ae215b2f

この動画作った人、頭いい!!
https://note.mu/scatgoto/n/n5391916f757a

CM音楽の制作の流れを細かく説明してみました。
https://note.mu/scatgoto/n/n887ea8eded9a

音楽を仕事にするってどんな日常なんだろ?
https://note.mu/scatgoto/n/nc98d15b128a9

僕の「常識」、人の「常識」
https://note.mu/scatgoto/n/n31ac524ce032

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ということで、最後まで読んでいただきありがとうございました!


スキャット後藤


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