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「ゲーム音楽を仕事にしたいのですが、どんな能力が必要でしょうか?」

こんにちは、スキャット後藤です。フリーランスの作曲家です。

今日は情報の解像度を細かくするための記事です。

「作曲家になるためには」「作曲家とは」「作曲家に必要なものは」という話になることが多いです。発言する人によって、登場する「作曲家」のイメージがバラバラです。わかりやすいところでいうと、クラシックなどの作曲家と、商業音楽をつくる作曲家。作法とか、食える食えない、音楽の質が高い低いみたいな議論になることが多い印象です。(僕の勝手な印象です)

商業音楽とひとくくりにいいますが、どの分野で仕事してるかで状況は全く変わります。劇伴とか、CM音楽、ゲーム音楽とか。どこでどんな仕事してるかによって、必要な能力は大きく変わります。

「ゲーム音楽を仕事にしたいのですが、どんな能力が必要でしょうか?オーケストレーションなど学ぶ必要があるでしょうか?」という質問があるとします。もちろんオーケストレーションができる方が仕事の幅は広がりますが、そういう話はちょっと置いておきます。

僕が受けてる印象だと、SNSで仕事のことについて発言してる人の多くは大きめの案件を請け負って仕事してる人な気がします。業界のトップクリエイターです。制作費もかなりあって、開発環境も整ってるし、人材も揃えられるような人たちです。何十万本、何百万本売り上げるゲームを担当してる人たちです。ゲームの中の音楽や効果音の演出も細かく設計できる案件。

一方、ゲームにしてもアニメ、ドラマ、アイドルグループなど、たくさんの人が知ってる作品やコンテンツは全体の数%だと思います。ほとんどが知られずに、少しの人が楽しんで終わるものばかりです。僕はコンシューマゲームのサウンド開発を沢山やってきましたが、売れたゲームはほとんどないです。「スキャットさんが音楽担当したゲーム遊んでました!」って言われたことほとんどないです。

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