見出し画像

タイトルは、最後は出版社が決める。案を出しあってタイトルができるまで

シナリオ・センターのあらいです。
シナリオだけではなく、創作すべてに活用できる一般実用書を出そうということで、日本実業出版社さんと一緒に『プロ作家・脚本家たちが使っている シナリオ・センター式 物語のつくり方』という書籍を作りました。

「『シナリオ・センター式 物語のつくり方』が1冊の書籍になるまでレポート」をしています。

“2022年11月18日、日本実業出版社にて出版企画が採用され、2023年7月5日に脱稿するまで、そして、脱稿後の表紙のデザイン、帯のお名前掲載依頼、さらには販促マーケティングまで、1冊の書籍ができるまでを連載にてレポート。
出版に興味のある方、これから書籍の原稿を書くという方、それから本書『プロ作家・脚本家たちが使っている シナリオ・センター式 物語のつくり方』(日本実業出版社)に興味のある方の参考になれば、と思います。

今日は、タイトルができるまでを書きたいと思います。


ちなみに、本書の売りはなんと言っても、表紙。冗談ですが、表紙がどえらいカッコいい。どうでしょう?Amazonリンク内で拡大してご覧ください!

タイトルって、著者がつけるわけではない

なんとなく、本のタイトルというのは、著者がつけるものかな、と思っていました。皆さんも、そんなイメージがあると思います。

タイトルは、出版社が決めます。もちろん、ケースバイケースだと思いますが、企画書の仮タイトルは、本当に、「仮」でした。
ちなみに、企画書の時点でのタイトルは、「忘れられない物語のつくり方(仮)」でした。

本書の場合は、原稿が出揃った時点で、編集者さんがタイトル候補をいくつか出してくださいました。
タイトル決めは、5月8日(月)に、二校に向けての校正の話と一緒に打合せをしました。

編集者の方からの提案は、こんな感じです。

『プロ作家・脚本家たちが学んだ!
シナリオ・センターが教える ストーリーのつくり方』
というものを考えております。
私の希望としては、下記の2点です。
・「シナリオ・センター」というのはぜひ入れたい
・「ストーリー」または「物語」をつくるための本だとパッとわかるようにしたい

編集者の方からのメールより 5/2付

頂いた案をもとに、私の意見、編集エージェントの方と、あれこれと考えます。確か、5本か6本くらいに絞って、それいずれかなのか、組み合わせか、みたいな感じだったと思います。

最終的には、出版社さんの会議で決まりました。
タイトルの決定は、5月10日でした。

(前付サブ)プロ作家・脚本家たちが使っている
(メイン)シナリオ・センター式 物語のつくり方

いいタイトルだと思いましたが、思い切ったタイトルでもあります。それに、(前付サブ)「プロ作家・脚本家たちが使っている」も、
(メイン)「シナリオ・センター式 物語のつくり方」も、なんだか、一気に原稿への責任が重大になってきます。正直、ビビりました。
そして、シナリオ・センター代表にも、「シナリオ・センター式」って言い切っていいのか、相談しました。
「いいんじゃない」の一言で解決しましたが……

企業名は入ってよかったの?「シナリオ・センター式」がタイトルに入ったわけ

一般書として販売する本のタイトルに、「シナリオ・センター」という企業名がはいるのは、どうなのだろう……と、実は思いました。
なんか、シナリオ・センターの宣伝っぽく感じないかとか、そもそもシナリオ・センターを知らない人からしたらどうなんだろう、とか。

とはいえ内容的には、シナリオ・センターの創設者である新井一の『シナリオの基礎技術』『シナリオの技術』『シナリオ作法論集』をもとに、よりわかりやすい内容にしたのが、本書です。

さらには、シナリオだけではなく、物語全般に使える技術として紹介している内容です。
新井一さんが、物語のつくり方について、新作を書くなら……と考えながらつくりました。
なので、内容的には、完全にシナリオ・センター式です。

そこは、原稿を客観的に読み込んでいる編集者の方ならではの発想です。私には、無理です。

サブタイトル:「プロ作家・脚本家たちが使っている」に誇張はないの?

「プロ作家・脚本家たちが使っている シナリオ・センター式 物語のつくり方」で、これまた気になるのが、サブタイトルの「プロ作家・脚本家たちが使っている」です。
そんな大それたこと、言っていいの?とも思いますが、よくよく考えたら、本書はシナリオ・センター式なわけです。となると、これまで700名以上の出身ライターさんがいるわけですから、誇張ではありません。
朝ドラは「舞いあがれ!」「らんまん」と連続で出身ライターの方ですし、毎クール連ドラの7割近くの脚本を出身ライターの皆さんが執筆しています。
小説家の方の活躍も、近年では目覚ましいです。

「『私のやり方』であれば、おいおい、お前になんてなんも習っとらんし」となりますが、本書はシナリオ・センターでお伝えしている表現技術をわかりやすく紹介した内容。
サブタイトルにも、偽りなし!ということで、誇張もなく、ただただ事実なのです。
なので、読者のみなさんに、自信を持ってプロと同じ技術が身につくよ、とお伝えできます。

シナリオの書き方ではなく「物語のつくり方」

「プロ作家・脚本家たちが使っている シナリオ・センター式 物語のつくり方」のメインタイトルは、物語のつくり方です。

シナリオ・センター式だけど、シナリオの書き方ではなく、物語のつくり方に話をまとめました。

ここは結構、本書の企画の段階から、どう書けばいいかな、と不安だった部分です。別日に、詳しく書きます。

で、物語のつくり方の本なので、シナリオだけではなく、小説、漫画、演劇、アニメ、ゲームシナリオ、自分史やエッセイを書く上でも使える内容にしました。

シナリオの技術は、映像を作るための設計図としてどう書くかという技術です。ですが、全ての創作は人間を描くことを目的しています。
なので、物語をドラマチックに作るための方法論として、紹介することができます。
そして、やってのけました!

今日は、タイトル「プロ作家・脚本家たちが使っている シナリオ・センター式 物語のつくり方」ができるまでのお話でした。
本は、著者だけでなく、多くの方の力と想いが詰まってできあがります。そういう意味では、ドラマや映画作りと変わらないのかもしれません。

必要な方に、届いてほしいなぁと思います。必ず、役に立つので!


・レポート記事の目次ページ

・マガジンにまとめています

シナリオ・センターのあらいでした。

シナリオ・センターは『日本中の人にシナリオをかいてもらいたい』と1970年にシナリオ講座を開始。子ども向けキッズシナリオも展開中。アシスト、お願いします!! https://www.scenario.co.jp/project/kids_assist/index.html