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子どもの想像力を奪わないためにしていること

シナリオ・センターのあらいです。
シナリオ・センターでは、子ども向けのシナリオ教室『考える部屋』や、出前授業キッズシナリオなどを実施しています。

個人的には、子ども向けというのは、大人向けよりも、難しいコンテンツだと思っています。
理由は、子どもたちの吸収力は凄まじいので、間違ったことは伝えられないという点、伝えるなかで、子どもたちが「創作するの、なんだかだるいな」と思わないようにする点が挙げられます。

子どもの頃に、やりたくて始めたピアノが、いつの間にか苦痛になっていたとかありますのよね。そういったきっかけにはなりたくないな、と思うわけです。

子ども向けの講座をやる際に、
これはやらない、
と、心がけていることを挙げていきたいと思います。

①えらそうにしない

なぜか、子ども相手だと、偉そうにする人がいます。ぼくは、そういうの嫌なのです。だって、大人が子どもよりも、えらい理由はとくにないですから。
なので、えらそうにしない、これ、基本です。

②答えを教えない

キッズシナリオでは、物語の作り方や動画の作り方などを伝えています。創作は、答えのないものです。なので、そもそも答えを教えることはできないのですが、なぜか、答えがあるかのようにいう人がいます。
「こう書いた方がいいよ」
みたいに。

教えるのは、答えではなく、考えを深める方法です。「どう書くのか」は教えられますが、「何を描くのか」は教えられませんし、教えてはいけないものです。新井一さんもそういっています。
なので、答えを教えるってことは、決してしてはいけないと思っています。

③考えを否定しない

子どもの発想を、「子どもっぽい」という安っぽい理由で否定できると思っている大人が結構います。
そういう人、嫌いです。
創作に答えはないし、たとえ、荒唐無稽な内容だったり、支離滅裂だったとしても、そんなことはどうでもいいのです。
大切なのは、子どもが『考えたこと』です。表現力の拙さなんて、後でどうにでもなります。なので、考えを否定して、想像する楽しさを奪うのではなく、子どもの想像したことを、受け止める大人っぽさが、ぼくたちには求められます。

④発言を流さない

小学校などの出前授業をすると、普段の授業とは違うからか、めっちゃ盛り上がります。先生が、おこるくらいです。できれば、場が冷めるので、怒るのはやめてほしいのですが……
で、そういったカオスな盛り上がりの中で、子どもたちがどんどん発言をしてきます。そのときに、どんな発言も、スルーしないようにしています。
聖徳太子ばりに、拾います。それが、たとえふざけていても、拾います。なぜかというと、なんでもありだよ、というのを行動で示したいからです。

結果、キッズシナリオは、字があまりうまくない子の方が、盛り上がって参加します。先生も、あの子があんなにやるとは、と言ってくれたります。
子どもは、自分の存在、考えを否定さえされなければ、前のめりになると思います。

⑤子ども扱いしない

キッズシナリオの対象は、小中学生ですが、子ども扱いはしません。一人の人間として、受け止めます。
なので、小学1年生であろうが、6年生であろうが、中学生であろうが、基本的にこちらのスタンスは変わりません。もっと言えば、それが30代であろうが、50代であろうが、80代であろうが、小学1年生と同じスタンスです。
年齢によって、スタンスを変えるほど、器用にはできていません。

もちろん、相手の理解度に合わせて、伝え方は変えます。でも、態度を変える必要はないと思います。


以上、子どもたちの書きたい気持ちや、創作したい気持ちに水を然さないために心がけていることを書いてみました。
細かく言えば、もっとありそうですが、とりあえずは、こんな感じでしょうか?

本当かよ?という方は、こちらに是非、遊びに来てください。

キッズシナリオについては、こちら。


シナリオ・センターは『日本中の人にシナリオをかいてもらいたい』と1970年にシナリオ講座を開始。子ども向けキッズシナリオも展開中。アシスト、お願いします!! https://www.scenario.co.jp/project/kids_assist/index.html