うちんとこのモンスター社員

うちの会社にかれこれ5年以上は居座っているモンスター社員K。

彼は現社長の縁故で入社してきたコネ社員の営業ですが、とにかく今時マンガにでも出てこないわこんな奴…ってくらい壊滅的に仕事が出来ない…。
毎回毎回、ギリギリまで仕事をほったらかして、クライアントさんにせっつかれて慌ててこちらに話を回してくる。自分が取ってきた仕事も社長から任された仕事も関係なく、毎回その調子。
クライアントさんがこちらの会社に打ち合わせで来社してくる日に突然休んで、その事をを先方さんにも会社にも連絡しないでトラブルになった事も何回も…。
ギリギリの進行で現場の人のスケジュールが押さえられず、施工はど素人のくせに自分で製品を設置して、次の日早々に取り付けた看板が落ちてクレームが入り、付け直した次の日別の看板が落下するという事件もあった…。もう目も当てられない…。

おまけに『直行』と称して朝に出勤して来ずサボっているのが教育係の先輩営業にバレてから、当日欠勤と午前休暇の連続。一番ひどい時には欠勤する時の会社への電話連絡さえしなくなり、親しい(と本人が一方的に思っている)社員にLINEで今日休みますと連絡してくる始末だった。

私や同僚も以前はトラブルが起こるたびに苦言を申し立てていたけれど、Kの余りにいい加減な態度と改善されない仕事ぶりにもはや関わりたくなくなっていた。

私に至っては、社長の縁故ではない社員の中でも一番若いのもあってか何故か下に見られていて、かなりナメた態度を取られていた。
(社内での勤続年数も学歴も仕事ぶりも、この男にナメられる筋合いは全くもってないのだが)

一度ブチ切れた私が、Kの仕事ぶりに対してありのままの事実を淡々と指摘したら、肩を震わせてまるでフラれた女子のような事を呟いて走って逃げていかれてから、あからさまに避けられるようになった。

別に個人的に避けられる分にはまだ良かったのだけど、ここ1年ほどは元々私の担当していた案件をわざと同僚の方に依頼するという態度に出られたので、流石に目に余るので社長に報告した。

そしてこの男、ここまで書いた話では若い男性社員なのかなーと思われるかもしれないが…残念ながらもうすぐ40も半ばになろうという中年野郎である。
(なんなら社長よりも歳上)

社内社外共に様々な問題を起こし、さすがに博愛主義のうちの社長の愛想も尽きて、今年の春前の年度の切り替わりの時期に合わせて、ついに営業職からおろされることになったのだけど…。

異動させられた先の工事部にて、厳しい事で有名な社員さんと一日行動を共にしただけで根を上げて、しばらく出勤して来なくなったかと思えば…

なんと社長に泣きついて、反省して頑張るから営業に戻して欲しいと懇願して、営業に舞い戻って来た。
その知らせを聞いた時は、一瞬社長に殺意が湧きそうになった。
甘いにも程がある。

そんな訳でしばらくその理不尽な現状を冷めた目で眺めていたのだけれど。

お盆明けに病気で入院する羽目になったので、入院していたある日。
治療の効果が出てだんだんと回復してくると日中は少しヒマだったので、普段は全然みてなかったFacebookの通知がたまたま届いたタイミングでちょっと覗いてみようかとアプリを開いた。

久しぶりに友人などの投稿を何気なく見ていたら、友達かも?の一覧に見覚えのある名前が…。Kだった。
見つけた瞬間は「イヤイヤ、友達じゃないし…(;´д`)」…とげんなりしたものの。
一体どんな投稿をしているのだろうかと気まぐれに開いてみたら…。
そこには奴が所属しているらしいボランティアの任意団体に関する投稿ばかり。知らない人が見たらそれがこいつの職業なのかと見間違いそうなくらいに。
そしてその投稿の中に、Kがこの秋に半月ほどの期間がある交流会の副団長として某アジアの国に行く事になったという内容が書かれていた。
そこには、『事業に参加することを許可してくれた社長ならびに会社に感謝』などと書いてあって、それを目にした時、社長はともかく会社の他の人間はこの事をそもそも知っているのだろうか?と思った。

そこから私が一旦復帰し、手術のために再び入院、職場に復帰するまでしばらく時間が空いて。
私がとりあえず在宅で仕事に復帰した時にはFacebookに書かれていたKの某国行きまで半月ほどになっていた。
しばらく休んでいた私に同僚から振られた仕事のうちの一つにKの担当する仕事があったのだけど、それが……まさかのここに来ていつも通りのギリギリ案件だった。
しかもその一連で作る製品のうち一つが、うちの会社単独では作れない仕様な上、今までの経験上その仕様の外注製品は出来上がって納品されるまで10日はかかる事を知っていたので、それを指摘すると『急いで作ってくれるところを今探しているところです』と返信が来たので、アホらしくなってそれ以上もうツッコむ気も起こらなかった。

結局その製品はクライアントの望む仕様では納期までに間に合わず、仮の製品を取り付けることに…。
レイアウトもただでさえ時間がないのに二転三転して、最初の指示とは似ても似つかないものが出来上がったことを思うと、こちらに最初に話を持って来た段階でまだまともに打ち合わせてもなかったのだなと思った。(そうでもないと有り得ない変わりぶりだった)
そしてこの案件、元々社長が社長就任前から担当していたクライアントのものだったため、社長も激怒。
私も私で復帰早々に振り回されて大迷惑したので、ここ一年Kからあからさまに仕事を持ってこられない事も含めて社長に報告。

社長はKの私への余りにも子どもじみた行いに心底呆れている様子で、私の報告については「Kへの今後の処分を決める参考にする」と言った。
(社長はなんやかんやで甘いので話半分程度に聞いてたけど)

社長も激怒していた割に結局Kは目論見通り大好きなボランティア活動のため某国へ旅立って行ったのだけど。
その前日になってその事を聞かされた営業部長(Kの元教育係)が今度は激怒。
しかも営業部長によると、国からお金も出るらしい私的活動のくせに有給届を出そうとして、あまつさえその理由の項目に『特別公務』と書いていたらしい…。お前は皇族か何かか。

百歩譲って無償のボランティアならともかく…。アホだアホだとは思ってたけど。

激怒した部長に、私的活動のための欠勤に書き直せ!と言われたらしい。そりゃそうだろうな…。

そんな部長に私はスクショしておいたKのFacebookの投稿と、後で調べた県のサイトに載っていた過去の記録(見たらKがうちに中途で入ってきた当初から既に活動していた事がわかった)を送った。
部長は「それで今までちょくちょく休んでいたのか…(´°ω°`)!」と、今まで不可解に思っていた事がやっと腑に落ちたようだった。

ついでに他の営業さんたち数人にもスクショ画像を見せつつこの話をしたところ、誰も事前にその事を知らされていなかった事がわかった。
当然ながら、知った人間は皆怒りの感情が起こっていた…。
(今までの行いのせいで当然ながら他の営業さんたちにもすでに嫌われている)

さらに、奴が旅立ってからしばらくして、今度は同僚が担当していたKの案件で問題が発生した。
その案件自体は先月に終わっていたはずのものだったのだけど…なんとその時に作ったもの以外にもクライアントに頼まれていたものをデザインに依頼する事もなく、誰にも引き継ぐ事も話す事もせず…しかもそもそもこの案件自体が本来は7月の納期だったらしい、と。
お陰でこの週明けに社長は代わりに先方の方へ出向くことになり、同僚も急ぎでレイアウトを描かされる羽目になったのである…。
社長、菓子折りで済むのかなあ…( ´△`;)…というほどの惨事。

社内の内部事情に詳しい社長の親族によると、今回ばかりは社長も何らかの処分をKにくだすだろうと話していた…この前社長本人から聞いた時は話半分に聞いてた(おいw)事がようやく実現するかもしれない…。
(まあ遅すぎるくらいだけど)

あの時奴の懇願に耳を貸さずにいたら…せめて最近の惨事は全て無かったであろうに…。

この事を知って、人の不幸は大好物☆の製作のおねーさんが、
「処分を言い渡された時の反応が見ものだから早く帰って来ないかなーあいつ☆…やだーKに対して初めて早く戻ってきて欲しいとか思っちゃったわ〜♪」…と言ってて、悪趣味だけど気持ちは分かると思った( ̄∀ ̄;)。

本業よりも楽しい楽しいボランティア活動の事業から帰って来て早々呼び出しくらって処分ですか…自業自得だな。完全に。

本当はボランティア活動でやってるような事を本業でやりたいんだろうけど、どうも大した学も忍耐も努力する気も無く謎の上昇志向とプライドだけは一人前なあのアホには、海外交流とかそんないかにもエリート(笑)な仕事に就くだけの能は無さそうなので…。
社会的に無職の婿養子でボランティア活動だけやって暮らしてますじゃ外聞が悪いから、表向きに真っ当な社会人に見せかけるためだけにうちでナンチャッテ営業やってるんだろうなー…と思ってる。
(一説には嫁とももう…とも言われてるけど)
あ、Facebookでは旧姓のままだったな。

うちに来る前も、長くても10年も続かずに色んな会社を転々としてたしな。(本人がご丁寧に他のSNSで経歴を公開していた、ナルシスト全開のキモイ自撮り画像付きで)

若いうちはそんなんでも誤魔化して来れたんだろうけど、あの歳でアレじゃ再就職も難しそうだしなー。本当は自分の無能さを自分でも解ってるからうちみたいな会社にしがみついてんじゃないかねー。
社長の(元)ご友人だから、このまま居座れば平均年齢が無駄に高いうちの会社の先輩方が引退して行って、ゆくゆくは役員の座に就けるとでも思ってたりして。大した功績どころか問題しか起こしてないのに。

夢を見るのは勝手だけど、現実も少しは見ないとあーなるんだな…恐ろしや恐ろしや。

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