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民主主義の実践とIdentityの形成の場の提供

遅ればせながらあけましておめでとうございます。年をあけてから久しぶりに2本の記事を上げましたが、この記事では私共の提供する、ビデオ会議での少人数指導;classoncloudの事業上の1年の見通しを立ててみたいと思います。

関西の衰弱化

ここ数年、このCOC(classoncloud)では首都圏と京阪神を主につなぐことで、文化障壁を超え、互いを高めあう力を磨きあうことを意図してきました。幸いながら一部才能豊かな学生と場を共有することで、各々の環境では手に入れられないような気付きの機会を能力の伸長を実現することができました。

しかしながら関西のエリア自体の衰弱化が著しく、学校レベルで見ても衰えが見られます。例えば関西トップの女子校である神戸女学院中学部の入試が先日行われましたが、1.5倍と前年度をさらに下回る結果となりました。神女に限らず、甲陽・大阪星光・東大寺でも才能が集まらなくなりつつあり、層が薄くなっています。

これも東京一極集中が根本的な原因で、解消する見通しが立ちません。またこれだけdiversityが叫ばれる中で突き抜ける勢いを持つ共学が関西でてこないことも致命的です。様々な事情から国内の才能は首都圏にさらに集中する傾向が加速しました。

そのため必然的に首都圏の学生を主体とする場の形成を余儀なくされるものと思われます。また関西にお住いのご家庭には、可能であれば首都圏で勢いがあり、最低限時代の要請に応えることができている、渋幕・渋渋あたりの共学を受けることを薦めています。


原点回帰;首都圏中心の組織編成へ

現在のCOCの主力は筑駒です。筑駒は中学受験層には名の知れた学校で、古くは教駒と呼ばれていた、首都圏トップの男子校です。国立ということもあり私立が大勢を占める一貫校の中でも若干カラーが異なります。幸い筑駒はその根が東京教育大付属であるため、本来の、また正当な意味での教育のミッションを忘れていない、数少ない学校です。ここに属する人物も素晴らしい学生を迎えることで、よりバランスの取れた、また視野の広い人材育成を狙いとしています。

筑駒に加え外せない学校がJGと渋幕です。JGはプロテスタント系で自立心の強い学生が育つことで定評があり、特に説明責任能力に優れた学生が育つ傾向があります。他方で数学の弱さが今も昔も弱点で、これが引き金となり技術革新を生み出す力を備える学生が育たないことが慢性的な課題です。

渋幕は全国で最も勢いのある学校で、特に女子が優秀で、今では女子は首都圏トップの学校です。帰国子女・スポーツ推薦・高校受験枠とdiversityが十分に担保され、identityの形成にも定評のある、国内では稀に見る学校です。他方で科目指導の力が弱く、特に数学は上位の男子校と比べても弱さが目立ちます。

こうした学校をはじめとして、その他の進学校の学生たちにも受講生・スタッフとして加わっていただくことでidentityの形成・民主主義/diversityの確保・技術革新の推進力の育成を目論む、唯一無二の場を提供しています。


identityの形成が不在である中等教育を補完する

日本の中等教育において原理的に問題があるのはまず、民主主義の実践が不能である点です。

具体的には学校教師が政治や選挙を語ることを実質封殺されており、人権を経済的な豊かさや持続的かつ安定的な生活と結び付けて語ることができておらず、結果としてこれがいじめや傷害事件の温床となっている現状を解消することができていません。

「頭がいい」「優秀」であるとされている学校の学生ほど同質化しており、民主主義の前提なり土壌となるdiversityの重要性が全くわかっていません。このCOCで民主主義/diversityの確保を重視していることにはこうした理由があります。

他者と向き合う姿勢が実現・維持できて初めてidentityを形成することが可能となります。そしてidentityの洗練度が上がることで、技術革新を起こすために必要な、文化障壁を超える力を備えることができるようになります。技術革新を起こす力が備われば豊かさをもたらせるようになります。

以上の流れからして、現状の中等教育はコストばかりが膨らむ人材を量産していることが判りますが、この体質を転換するため、このCOCでは上記の要素を重視しながら引き続き指導を実践することを目論んでいます。


フェミニズム(男女平等)の実践

民主主義の実践の第一歩として、まず男女平等を学生には実践するよう仕向けています。主に男子による女子への気遣いは日頃から意識していなければなかなかできるようにはなりません。女子側も進学に当たって安易に資格や肩書に逃げたり守りに入るのではなく、自身がなしえたい目標は何なのか、可能性はどこにあるのか、自ら道を切り拓けるだけの底力を、主にSTEMから逃げないよう仕向けています。男女平等の実践ができてはじめて、今度はほとんどすべての学校では語られることも、実践することもない、LGBTの議論が実践できるようになります。COCではLGBTの議論を封殺することは決してないことを約束します。


海外進学組の受け入れ

今年は海外志望の学生が受験生となります。いずれもIvy League志望ですが、国内外の志望を隔てずに一括して指導を提供しているのがCOCの特徴の一つでもあります。

海外進学それ自体に意味があるとは思えません。各自のIdentityの方向性を徐々に明確にしつつ、それに応じて進学先を見定めていくこと、なにより受験に目を奪われて重度のオタク化したり、幼児化することで人間に関心がなくなるようなことがあっては絶対になりません。

英語はもとよりAPの指導、各大学の情報提供を随時行いつつ、必要な備えを適宜提供していきます。


明るい日本の将来のために

安全保障や社会保障の問題、未だ安定していない経済成長と大きな問題は山積していますが、それはほかの先進国も同様です。いま日本に住む人間、日本の将来を描こうとする人間にとって、その根本にある哲学的な思考や自他と向き合う力、その差異に着目し新結合をなすことで生み出す技術革新の力を養うことが何より重要です。これは進学先を問いません。

このCOCでは個々人の豊かな成長と、マクロで見た国全体の成長が整合性を保てるような意思決定ができるよう、指導しています。とても難しいミッションですが、それこそが(受験エリートではなく)エリートがなすべき仕事です。理念や方針に共感していただいた方はぜひ、声をかけていただければと思います。



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