新しい本が好き

新しい本が好き

新しい本を買ってきて、1ページ目を開く瞬間がとても好きです。新しい紙やインクの匂いが広がるのがたまりません。ただ、懐の事情もあるので、私の場合、いつも新品本、とはいきません。どちらかといえば、古本屋さんにお世話になることのほうが多いんです。だから、私のとって新しい本は「少し贅沢」の部類に入るという点で、うれしさにつながっています。

本屋さんに平積みされているたくさんの本。装丁に工夫を凝らしているのは、最近では当たり前になっています。表紙がつやつや・キラキラ、また、凹凸加工されているものもあります。帯の宣伝文句もキャッチーで、購買意欲をそそります。

個人的に、地味に気になっているのが、本文の「紙質」です。なんだか触った感じが「柔らかい」ものがあるんですよ。それに加えて、従来のものと同じぐらいの厚さでありながら、少し軽い感じがします。ページをめくるのが楽しく、また、かばんに入れておいてもあまり重くない。通勤・通学の良き友となりそうです。これ、感性に訴えるための工夫なのかしら。

小説系も学術系も、どんな本にもよらず、本文に線を書き込んだり、メモを残したりするのがどうも苦手です。購入時、本屋さんがサービスで付けてくれるカバーも不要だし、読んでいくうちに付くページの折れ癖も気にならないのですが、本文に手を加える行為が、どうも作者に申し訳ないような気がしてしまうのです。学校でのお勉強のとき、教科書や参考書には、ためらわずに蛍光ペンをさぁーっと引いていたのにね。

読んでいる途中で本を閉じるときは、もちろん「栞(しおり)」をはさみます。まちがっても、ページのカドを三角に折ってはいけません。それ、「ドッグ・イア(dog-ear)」といって忌み嫌われます。見た目が、犬の耳が垂れている様子に似ることから、そう呼ばれます。呼び名は、ちょっとかわいいですが、本はかわいそうかも。
(やすだ)(初出は2010年2月27日)


「本が好き」シリーズ
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https://note.mu/science_air/n/n7e0903f5afd6

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