■風船の法則

■風船の法則(やすだのほうそく002)

自分の頭の中が「風船」だとすると、勉強していろんなことを知ると風船が膨らむ、ということになります。また、考えるたびにその風船は膨らみやすくなるし、割れにくくなる…とも、たとえられるかもしれません。

風船の中は、私の中。風船の外は、私のまわり、つまり知らないこと・分かっていないこと。風船が大きくなるにしたがって表面積は大きくなるわけだから、知らないこと・分からないことがどんどん増えていくのです。

知らないことが増えてもそれがかえって楽しい、と思える人は、ますます風船が膨らみます。もうこれくらいでいいや、という人の風船はもうそれ以上膨らむことはないし、縮んで風船のゴムは傷みはじめてしまいます。

大きく膨らんだ風船を持つ人は、意識は外へ外へと向けられる傾向がありうます。さらにその風船は上昇する傾向にもあるのです。反面それは、風船の中心にあるものに気がつかなくなる状況にも陥りやすいのです。

風船の中心は、自分の原点。大きくなった風船の中心は忘れられがちで、ほんとうの自分を見失ってしまうリスクもあります。そのことを意識できるのなら、しばらくはそのまま外向き指向でいくのもいいかもしれません。

内側に息を入れると、風船は膨らみます。その方法以外にも、風船を膨らませる方法はもちろんあります。息を入れるだけが、手段のすべてではありません。それは、「風船の外側の空間の気圧を下げる」とよいのです。

なんらかの原因で外の空気が薄くなると、そこにある風船は、その外気圧に応じるように膨らみはじめます。ポテチの袋が、高い山の頂に持っていかれると、パンパンに膨らむのと同様です。

風船の法則としての話。風船の周囲の気圧が低い状況、すなわち、辛くしんどい状況のときにも、風船、つまり自分の頭の中も大きく膨らみます。内側に息を加えなくても、自然と風船は膨らんでしまうのです。

自らを鼓舞し、ひたすらがんばっても風船が膨らまないときは、ただの理想しか見ていなかったのかもしれない。そんなとき風船は、気圧が高いほうから低い方へじわじわ移動し、ある場所にたどりつく。そこで自然と膨らみはじめます。

自分が望む場所と人から望まれる場所は、きっと異なるとおもうのです。多くの人は望まれる場所に落ち着き、そこで生活を重ねます。自分のペースで息をして、自然に膨らんでいく。ありがたい。
(やすだ)(初出は2018年3月14日)

■「やすだのほうそく」シリーズ設定の意図 はこちら
https://note.mu/science_air/n/ne466f10894b7

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Yasuda Kazuhiro(安田和宏)

国立科学博物館 認定サイエンスコミュニケータ https://twitter.com/science_air
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