■おにぎり・おむすびの法則

■おにぎり・おむすびの法則(やすだのほうそく003)

日本の伝統的ファストフードともいうべき、携帯食・おにぎり。「おにぎり」と並んで「おむすび」という表現もあります。結局はどちらも同じ意味で使っていると思うのですが、きっと地域性があるのでしょう。おにぎりは三角形(山の形)、おむすびは丸形・俵形、なんてイメージを持つ人も、またはその逆の方が普通に感じる人もいるようです。

そこで、「おむすびころりん」という昔話を思い出しました。おばあさんがこしらえたおむすびの包みを開いたおじいさんが、誤っておむすびを落としてしまい、山の斜面をおむすびが転がっていく。それをおじいさんが追いかけて…という、なんとものどかなストーリー。

さて、この昔話のタイトルが、「おにぎり」ころりんではないことに注目です。私の勝手な解釈では、転がりやすいのは、どちらかといえば丸形・俵形の「おむすび」。「おにぎり」は三角形なので、そんなにまで転がっていかないんじゃないかと思うのです。

さらに、どちらも最初に"お"が付くので、それをはずしてみますと、おにぎりは「にぎり」となり、なんだかお寿司みたいになります。おむすびは「むすび」となり、相撲の最後の取組みたいになっちゃいます。

おにぎりが「にぎり」寿司のようだとすると、俵形がしっくりくることになりますね。おっと、これでは「おにぎり」の方が、"ころりん"しやすいことになっちゃうぞ…。

コンビニをはじめ、スーパーやお弁当屋さんで売られているおにぎりは、そのほとんどが機械で「成型」されたものなので、なんだか味気なく感じてしまいます。手作りのほうが、形がふぞろいであったとしても、中のネタがかたよっていても、おいしいです。

自分の手で作って、自分で食してもよいのだけれど、人に作ってもらったものの方が、より一層おいしく感じることも。そんな、おいしい「それ」を示す際、「おにぎり」よりも「おむすび」という呼び名のほうがだんぜん合います。
(やすだ)(初出は2010年12月11日)

■「やすだのほうそく」シリーズ設定の意図 はこちら
https://note.mu/science_air/n/ne466f10894b7

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Yasuda Kazuhiro(安田和宏)

国立科学博物館 認定サイエンスコミュニケータ https://twitter.com/science_air
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