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倉庫マネージャー専用・用語集(随時アップデート



24年3月5日update

使い方ガイド

ある職種や業界に就いた時、割と初期に「用語集欲しいなぁ」と思ってきたビジネスパーソンも多いと思います。僕も約10職種経験してきましたが、最初にジョブローテで事業部異動したらいっきに貿易・購買・物流の担当になったため、特に貿易業務において用語集を探してチェックするのが習慣になった原体験があります。実際には大差ない中で少しずつカバー率高いモノを探し、結局欲しい用語が見つかるまで全部チェックするみたいな。
従って、この用語集記事は主に「普通の用語集では扱わない系」の用語を、小見出しの属性(業界俗語とか一般でも使う表現とか)ごとに集約し、どちらかというと先んじてチェックしていただく学習用の用語集として機能させようと考えます。(もちろん辞書的な使い方でも大丈夫です)
またなるべく英語での表現も追加することで、国際物流や昨今増えて行く外国人メンバーとのコミュニケーションにも使えるようにする所存です。
また記事を追加編集するスタイルなので、目次冒頭にアップデート日付を掲載します。

本編

教科書的・物流パーソン必須的用語

輸配送・搬送・横持ち・ドレ―・・・

原材料や商品等、荷物を運ぶ時、”モノを運ぶ”ことを表す日本語はたくさんあるけど、ある程度業界標準があります。
・輸送→長距離の拠点間の移動で、商品<原材料のイメージ
・配送→倉庫というよりラストワンマイル。配送先に近い物流センター(これにも規模x距離で呼び方が複数ある)から宅配便などで送るケースはこっちで呼ぶ
・搬送→主に倉庫や工場などの拠点内でモノを運ぶ時に使う。工場だと「構内物流」なる個別の領域もある
・横持→同等の役割の倉庫間を運ぶケースや、本当は最初からAにあればよかったBにある荷物をB→Aに運ぶ時などに使う。
貿易・輸出やってるとどうしても船に積める場所と通関切る場所と輸出のための梱包をする場所がそれぞれ別なことが多く(それぞれに呼び名あり)、横持ちの機会は多い。ドレ―は横持ちのうち、コンテナに入った状態で輸配送するケース(料金体系や使う車が違うので別建てしてる)。

<英語で言うと>
正確性は追加調査するけど、輸送≒Transportation、配送≒delivery、搬送≒move(怪しいので調べます)、ドレ―≒drayage/dray

SKU(エスケーユー)

Stock Keeping Unit(ストックキーピングユニット)→直訳「在庫を管理する単位」
僕がよく倉庫で説明するのは「商品の品番の数とか種類の数のことですよ。ほら違う商品なら棚を別けて管理しないと」という言い方です。

ここでいう種類というニュアンスだと品番の数より、アパレル製品での「サイズ・カラー展開」をイメージすると分かりやすくて、3色展開でS/L/Mの3サイズ展開のシャツがあったら、”9種類のSKU数”ということになる。
何故この単位で分ける必要があるかというと、色もサイズも同じ商品なら在庫100枚あるうちのどのシャツが送られても成立するが、色だけでもサイズだけでも間違っていたら、買った人からすると意味をなさなくなる。(この意味で品番というと同一品番で複数の色を保有したりするので誤解を生じる)

ちなみに、JANコードというレジで通すバーコードはSKUとほぼ同一の単位であることが多い。豆知識だけど歯ブラシはほとんどの商品で色が違っても同じJANコード(バーコード)が付いており、それに応じて倉庫やお店でもいちいち商品の色を見て在庫管理をしたりはしない。

余談だが、倉庫経験がメーカー寄りだったり1社しかない人はSKUという言葉に触れる機会がなくて知らない倉庫社員もたくさんいます。しかし教科書的な書籍には間違いなく載っているだけでなく、業界内や面接の会話でSKU数を聞いて商品管理の煩雑さの確認をするのが挨拶みたいなモノです。
つまりSKUという単語を知らない≒物流の素人というよりプロ意識の低い人と見て間違いない。(いわゆる言われたことしかできない系人材)

倉庫・物流業界等の俗語

(JANコード/バーコードを)スキャンする/読む/打つ/吸う/鳴く

倉庫では商品や箱、倉庫内の什器についている「バーコード」を機械で読むことが多いです。
一般の人でもスーパーやコンビニで買い物をすると、店員さんや時にはセルフレジで自分でバーコード→「JANコード」を赤外線でスキャンすることはご存じかと思います。
これは、数字の並びで商品などを表し、人間が読むとミスするから機械に読ませて正確かつ早く処理しています。
倉庫ではこの作業が圧倒的に多く、倉庫の仕事はバーコードを読む仕事と言えるくらいです。
前置き長いですが、
このバーコードを主に「ハンディーターミナル」(赤外線が出る奴)で読み取るとき、業界人ならではの俗語が、それぞれ、
読む・・・線→数字を読むから
打つ・・・なんとなく?
吸う・・・インプットされる感覚?
鳴く・・・赤外線を当てるとほとんどのケースで”ピッ”って音が鳴るから
と表現されます。
(他の表現をご存じでしたら教えてください)
方言かのごとく、これらが職場ごと違ったり、育った倉庫で違ったりなので、みんなとうまくやるために是非すべて違和感なく使えるようにされたし。

<英語でいうと>
scan barcodes
そもそもハンディターミナルはハンディタイプのスキャナー(赤外線でscanする機械)であり、scanするための手元用端末なので。
まぁ、バーコードリーダーでもあるんですが…

配完(はいかん)

配達完了の略。ただそれだけで、家庭への宅配でもトラッキング情報(追跡情報)として「配達完了」を見かけると思います。
ただ物流業界としてのこの「配達完了」=「配完」の位置づけは少し重く、
「所有権移転」の起点となる重要なポイントで、置き配が始まる前であれば、「受け取り主(顧客)の受領印/サイン」があって初めて成立・完了する手続きであり工程なのです。ドライバーさんはそれが宅配であっても企業間のBtoBであっても、「受領印の押された到着原票(納品書の控え)」を荷主(発送者)に届けて初めて輸送費が支払われるという有価証券レベルに大事なモノなのです。
もちろん、物流・配送が「商品を納期内に受け取り主にお届けする」仕事である以上、配完になるまではその仕事が終わらない訳なので、当たり前ですね。

固有名詞系

ボーガス

≒わら半紙かな?ボーガスペーパーと言うことも。(”bogus”=偽のらしいので、語源とか由来は継続調査します)
国内→国内に商品を配送する時(輸送ではあまり見ないかも)、商品の破損を防ぐために入れる紙。新聞紙やチラシでも同様の効果が出ると思うが、一般的にはロールで納品されたモノが倉庫にあるか、ちょうどいいサイズにカット済みのモノが複数種あることが多い。
紙入れるだけでいいのか?と一般の人は感じるかもだけど、破損しない梱包の大大大前提は「(箱を)振って揺れない」なので、すきまを紙で埋めるのが最短の方法です。

OPP

OPPにはテープと袋があり、いわゆるOPPテープ=梱包用の透明テープといったイメージです。
OPPテープを多くの物流現場で「おーぴーぴー」とそのまま呼ぶことが多いです。
体感的には現場の社員率が低い=アルバイト率が高い、いわゆるEC物流などの業界人材低めの職場だとOPPでは通じずいろんな呼称で呼ぶ例を見かけます。例としては「ビリビリテープ」「バリバリテープ」(引っ張って伸ばす時の擬音)、「ばっちょんテープ」(動作のイメージ?)「透明テープ」「梱包テープ」…
個人的には「梱包テープ」を推しています。浸透が早いので。

日本ではガムテープこそ梱包用のテープとしての地位を長らく築いていますから「透明ガムテープ」なんていう俗称もあります。また透明のテープというと「セロテープ」(セロファンテープ)やビニールテープの透明版があり、この話をし出すとカテゴリ仕分けしたくなりますが、それはまた別の機会に。Wikipedia的にもガムテープの中にクラフトテープ(いわゆる紙のガムテープ)と布テープと透明ガムテープがあるようです。
ちなみにガムテープを発明したのはあの発明王・エジソンさんのようです。
物流業界にいつ頃から導入されているかは不明ですが、どうやらアメリカの3Mさんあたりが他用途から物流に持ち込み、そこから世界で普及していったのかなと。3Mのスコッチといえばセロテープを含めた透明テープのブランドですね。
OPP自体はPP=ポリプロピレンという固めで強めで安価な樹脂で、その成型方法からOriented Poly Propylene→OPPテープとなったようで、伸びずに避けるのが特徴なので、一旦貼り付けると高強度を発揮しますが、カッターなどで開けようとすると簡単に開く。そんな体感を持っている方も多いかと。

そして、このOPPを使った袋がOPP袋で、
完全に透明で中に入っているチラシが良く見える、そんな袋がECで注文した段ボールに入っていたりするのを見かけた方も多いかと思います。
このチラシなどを入れる用途を中心に、袋に糊付けした蓋を要したA4を中心とした規格サイズの袋が、物流業界でも多様されます。(100均でも売ってる気が)
特にEC系の倉庫ではビジネスモデル的にチラシを多用するニーズがあるので、主要備品の一つとして存在しますが、
用途が違うことが起因して、OPPテープと混同するはずなのに、同じように「OPP(おーぴーぴー)」と呼んでしまう現場がたくさんあります。
従って、こちらは「OPP袋」と明確に呼び分けることを推奨します。
「OPPテープ」と「OPP袋」。これが定着が早いです。

<英語でいうと>
Packing tapeやPercel Tape なのですが、だから「梱包テープ」と呼んでおくと、日英変換が全く同義です。
もしクラフトテープ(≒ガムテ)との差別化が生じたら、OPP TapeかOPP Packing Tapeが良いのかも。
それも含めると外国人の方が多い倉庫では最初からOPPテープと呼ぶのが良いかもですね。

一般でも使う表現

テレコ

AとBを同時に取り違えること。例えば、出荷先のA社の梱包にB社の商品を間違えて入れてしまい、代わりにA社の商品をB社行きの梱包に入れてしまうケース。
事務職でもよく使う用語で、伝票の金額を換算する時に入れ違えると、AとBをの違いで±0になるパターン。
倉庫だと単に1社単独で入れ違えると、余りが出たりして発覚するが、テレコのケースだと±0的に、商品に過不足が出たりとか、行先事の総個口が一致するなど自動的にあるいは次工程で発覚することがなく、厄介なタイプのミスのパターン

<英語でいうと>
どやらドンピシャはないらいしいけど、”swap”や”switch”あたりみたいです。

当欠・無欠

シフトに入ってるスタッフが、当日の出勤前に欠席連絡して休むことが無欠。その時欠勤連絡無しに休むことが無欠。
ほぼ確実にシフトに穴が空くので、物量に対する人時の確保をシュアに行うなら、季節ごと/職場ごと/スタッフ各位ごとの当欠率をあらかじめ保有しておくのがお勧め。
なお無欠はシフトに穴が空く≒人時確保という職場の目的というより、そのスタッフが何か問題を抱えたいたり、職場に対して不満を抱えているなどの個人のメッセージ要素が強い。ただの当欠とは別扱いの対応が必要。

<英語でいうと>
当日欠勤≒unscheduled absent あたりかと
無断欠勤=absent without notice 承諾ニュアンスは少ないけど


最後に

今後、カテゴリと用語を増やしつつ『倉庫マネージャー匠の技』を構成する要素の「用語集版」という形で無料で書き溜めて行く所存です(・ω・)ノ
もし興味のあるジャンル(例えば「貿易関連の言葉も知りたい!」「倉庫に関するITシステムは?」)のご希望があれば、コメント欄等でお知らせいただけると嬉しいです☆

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