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ティール組織で選挙を戦ってみた (効果編)

前回は、導入に至る背景・経緯をお伝えしました。
実際にやった施策については、選挙が終わったあとに丁寧にまとめたいと思います。
今回は、効果に関して今の時点で感じること、簡潔に述べていきたいと思います。

1. 急速なチームの規模拡大に対応できる文化的な基盤づくりができた

チーム松浦は、最終的には120人規模のチームになりました。しかも、今日(投票日前日)に至るまで、全体の人数もコアに活動するメンバーの数も指数関数的に増加しました(9割が選挙は初めて)。

もし、コアメンバー側も、私を含めて選挙は素人。故に、もし仮に、最初から先行きの見通しがつくことを前提として指揮命令系統を作り込むやりかた(オレンジ的)に頼っていたり、コンセンサスに頼ったチーム作り(グリーン的)をやっていたら、混乱や停滞がおきていたと思います。

ホラクラシーの取り組みのおかげで、一日単位、あるいは、数時間単位で参加してくれる多くのメンバーに対して、役割と活躍の機会を提供しつつ、目的達成にもつながることができたと思います。指示命令系統が殆ど無い中で、「誰もやらないよりは、うまく出来なくても、少しでもやったほうがいいよね」を合言葉に、各自ができること、やりたいことを、自発的・自律的に進められていました。

もちろん、部分的にはそうでないこと、指示が発生する局面もありましたが、基本的には一時的に関わってくれる多くの人も、リーダーという人に依存した存在からの指示ではなく、いくつかの役割から臨機応変に自分のすることを選び、その役割に関して少し先輩のメンバーからのアドバイス・情報提供を受けて活動する、といったスタイルで、自律分散的に進めることが出来ました。

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2. 物事を決める際の回り道が少なかった

長々と議論して、結局やる人がいない、といったことはほとんど発生しませんでした。
各ロールや専門ごとのグループ(ホラクラシー的に言うとサブサークルのようなもの)毎に、どう意思決定をすればいいか、や、誰が情報を持っているか、が大方透明化されていたことで、決める際のスピードが早くなったと思います。

3. あとから参加する人がキャッチアップしやすかった

目的俯瞰図によって、全体の目的と、それに対して今やることがどう手段として活きるのか、約役割がどう、全体の目標達成につながるのか、が明確化されていました。

このことによって、あとから参加する人のやること(やりたいこと)ベースで、全体の目的俯瞰図のどの位置に値するかを考えられるようになり、 あとから参加する人がキャッチアップしなくてはならない情報やコラボ対象のメンバーが限定されることになりました。このことによって、あとから参加する人がキャッチアップしやすかったと思います。
特に後半になるにつれ、専門性を持つ人が増えてきました。忙しいその方々が、キャッチアップに時間をそれほど使わずに、本番をスタートできたことは良かったと思います。
ホラクラシー的に言えば、まるまるとロールが空いていた(未アサイン)ところは、そのままあとから参加する人にお渡しできました :-)

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4. 候補者が自らのパフォーマンスに専念できるようになった

先に述べた目的俯瞰図によって、このチームの創始者であり中心である立候補者の 松浦貴昌 の頭の中が、全メンバーに可視化され続けました。
このことと、ホラクラシーの取り組みによって、想定外の事が起きても、松浦貴昌 まで聞きに行かなくても済むことが増えました。

また、松浦貴昌の持っていた役割は解体され、ホラクラシー的には「候補者」ロールとリードリンクになりました。

選挙では候補者しかできないこと、候補者でないと効果的ではない(ほとんど効果のないこと)ことが、数多く存在します。その中で、松浦貴昌の役割を最小化し、「候補者」ロールとしての目的に可能な限り多くの時間を使えるように、2,3月の早い段階で、松浦貴昌 が抱え込みがちが役割をロールとして明確化し、松浦貴昌以外ができることを分離しました。

このことで、より候補者がパフォーマンスを最大化できたと思います。

5. もえつき症候群や、一部の人に負担が集中することが比較的少なかった

グリーン組織に多く発生する、もえつき症候群や、一部の人に負担が集中することが比較的少なかったと思います。楽しんで多くのロールを背負い、負荷が集中する人は僕を含めていましたが。笑 それでも、各自が自身の問題意識ややりたいという気持ちからはじめたことであり、また、いつでも、辞めることができる、ロールを手放すことができる、という旨を繰り返し伝えていました。

ただし、一部負荷の高いロールがいくつかあったことも事実で、パワフルなメンバーに助けられました。

例えば、自律的に動くロール間での情報やTention(ホラクラシー用語。じゅんかん。)に関しては、完全に各自が自律分散的にできていたわけではありません。そこで、各自が抱えていそうなTention(じゅんかん。)や、不足する情報、ヘルプなどを、先回りして拾い、本来のホラクラシーではロール間で自律的に行われることを補助する役割を「メンバー間コミュニケーション」ロールとして実装しました。(そして、私がそこにアサイン)
このロールのアカウンタビリティによって、達成型やコンセンサス重視型になる傾向を回避していた部分があります。そして、この負荷はたしかに大きかったです。

ホラクラシーの導入から、選挙当日まで期間が少なかったこともあり、多くの要素を捨てました。意図して導入したいことも、定着しなかった部分があります。正直言えば、正規のホラクラシーでもなければ、普段NOL Junkanコミュニティで実践している畑クラシーでもなく、カスタマイズドされたゆるクラシーといわれるものでしょう。これら、マニアックな詳細は、後日選挙後にお伝えしたいと思います。

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おわりに

いずれにしましても、松浦貴昌が一大決心をしてくれたおかげで、同世代の子育てを中心に、世代下は選挙権を得たばかりの大学生から上は60代まで、これがなければ選挙を身近に感じていなかった約120人の普通の市民のみなさんたちが、選挙活動を身近に感じ、楽しんで参加できたということは、日本の未来においても、小さいようにみえて大きな価値だと思います。(もう選挙にはかかわらない、と思っていた私までもが関わることになっちゃったわけですし。笑)

そして、コアメンバーの半数が、駅頭での松浦貴昌の話や姿勢、人柄から、活動に参加するようになった港区民だったということも大きな出来事でした。
そこに、最終的には、松浦貴昌の古くからの仲間も、かけつけ、今日(投票日前日)に至ったわけです。

選挙の結果は、0か1かの厳しいもので、あとは天命を待つのみですが、素晴らしいメンバーと素晴らしい活動ができたのは確かです。

このブログでは、松浦貴昌の政策についてや、投票の呼びかけはいたしませんが、よかったら、松浦チームの各ロールが作り上げてきた最終成果物(の一部)をご覧ください。

公式サイト: https://matsuura.site/
パンフレット(PDF): https://matsuura.site/img/panh/matuura_policy_panh.resized-all.pdf
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