Art FundポッドキャストMeet Me at the Museum、人気英国俳優ジャック・ロウデンのゲスト回内容、まとめました。

Meet Me at the Museum(博物館で会いましょう)という大人気ポッドキャストシリーズで、スコティッシュ俳優ジャック・ロウデンが、ドラマスクール時代からの友人で俳優のアンドリュー・ロスニーとスコットランド国立博物館で待ち合わせ。館内を巡りながら、スコットランドの歴史熱をドラマスクール時代のおしゃべりしてくれてます!

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https://www.artfund.org/whats-on/meet-me-at-the-museum

オーディオだけなので、スコットランド国立博物館の様子を捕捉しながら、内容をまとめました。話を一語一句起こしたものではなく、博物館内のどこを回って、どんなものをみながらおしゃべりしているのかわかっていただけるような内容です。

写真を無許可で転載できないので、1枚の絵を除いて全部リンクを貼っているだけですが、クリックすると何について話しているかおわかりいただけるかと・・・

見直しもせずざざーーっと書いてしまったので、タイポや意味が繋がらないところなどが多々あるかと思いますが、読み返したときに、気がついては直し、っとやると思います。ごめんなさい。この捕捉情報をもとに、スコットランドの国立博物館に行ってみたい!歴史探訪してみたい!スコットランド行ってみたい!と思ってくださったら嬉しいです。


(冒頭)

ロウデンさんがロスニーさんと話しているのは、スコットランド博物館のメインロビー(グランドフロア)にあるマッコウクジラの骸骨。画像はこちら
→ Moby the whale (nms.ac.uk)

(オープニングの後)
博物館(建物)と立地の話。ジョージ4世橋エリアとエディバラ大学エリアにはさまれていて、名作「宝島」の作者ロバート・ルイ・スティーヴンソンと深いゆかりのあるあたり(→エディンバラ生まれ、育ち、エディンバラ大学の作家)にあってね、という。2011年に改修オープンされて、新館から入ると、そのくじらのあるフロアは地上階なのだけど、本館から入ると階段を上った2階になるんですね。

ちなみに博物館内の多くはググるビューで公開されています。
National Museum of Scotland - Google Maps

(本館のエントランスにて)19世紀のヴィクトリア朝時代にオープンした本館から入場。博物館は無料なのですが、ロウデンさんたちはアートパスを持っているので、有料の特別展示は50%オフに。またスコットランド博物館と提携しているほかの博物館(National Museum of Flight とかNational Museum of Rural Lifeとか)も入れますよ、と。東ロジアンにあるあのNational Museum of Flight?と確認するロウデンさん。「(有料なので)そっちに行ってたらお得だったのに…」スタッフの人が「次回のお楽しみに(笑)」

(スコットランドに特化した新館へ)スコットランドの歴史が大好きという2人。2008年にドラマスクールで出会ってからのつきあいで、会うときはどこかの喫茶店とかではなく、歴史的に重要な場所だったとか(暴風吹き荒れる城とかフローデンの戦いがあった地で取っ組み合いをする、とか)


(スコットランド1700年代-1800年代のフロア)
1700年代前半は動乱で波乱万丈、それ以降は啓蒙主義やら技術・学問の最先端をいく場所として栄えていた時代についての話。とくに何度も起きたジャコバイトの動乱、1715年はさておき最後の1745-6年の動乱は軽々しく考えられないよね、と。英国土で最後の戦場となったカローデンの戦いを描いた絵画の前で話をしています。
The Battle of Culloden - Battle of Culloden - Wikipedia

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By David Morier (1705?–1770) - Royal Collection Trust, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=3290900

左側の多くがハイランダー。当時は彼らのほとんどがゲーリック語を話しており、この戦いのあととらえられロンドンへ連れていかれ、この絵画の画家のライフ・モデルにさせられたことは大変屈辱的だったろう・・・と。
このカローデンの戦いを含むジャコバイトの動乱はスコットランドそして英国の大変暗い過去で、というのも、この後、スコットランドの伝統文化存続の危機へと向かっていってしまうんだよね、と二人は話しています。ゲーリック語を話せる人もすごく少なくなってしまった種でもある。(近年言葉を守ろうという試みがたくさんなされているので)これが今後変わっていくといいよね、と。

(ちなみにジャコバイトについては、海外ドラマ「アウトランダー」シリーズで日本でも認知度が上がっているかと思います・・・)

その最後の動乱を率いていたボニー・プリンス・チャールズ(チャールズエドワードスチュワート、ジェイムズ8世(イングランドでは3世)の息子)が使用していたという持ち運びできる食器セットをみて、おおおおーっとなるロウデンさんたち。
travellingcanteen1-hmeq-15841.jpg (1312×874) (nms.ac.uk)
キラキラしたものがすきだったのねー。とかなんとかかんとか。ロシアン・ドールにみたてて説明しています。オレも欲しい、オレも欲しい、これもって電車とかのって、カローデンでこれ使ってアボガドトースト・・・を想像していますね、この人たち。
300年前もまえで、世界が全く違うけど、人々の思考プロセスってほぼほぼ同じだね。そんな風にかんがえるので歴史が好き、自分とすごく近い存在にある。当時実際に使用されていたものなどを見たり触れたりする機会を通して、たとえば自分がもしこの場所にいたなら、とか思いめぐらすことで、こうした何百年も前の出来事とつながり、身近に感じるし、驚きの発見もでてくる・・・のだそうです。

ジャコバイト・エリアを堪能しつつ、キュレイターのアナさんとおしゃべり。ここでジャコバイトの動乱というとスコットランドvsイングランドのようなイメージだけどじつは、そんなことなくてジャコバイト側にもイングランドのサポートはいたし(マンチェスターとか・・・)政府側もハノーヴァー朝支持者であるスコットランドの権力者がいたよね。と。(ロウデンさん家もキャンベル藩の一派で、キャンベル家は政府サポーターだった)その後2人は、どうしてスコットランドの歴史が好きなのか、について話しています。(多分職業柄?)他の人より歴史を知る機会が圧倒的に多いせいもあるみたいですね。

カローデンの戦い後の展示物をアナさんとともに。あまりにあっけなくジャコバイト軍は負け、大量の死者がでてしまうのですが、身の回りのものすべてをすててすぐさま逃げないといけなかったため、さまざまなものが発掘、展示されています。英国軍を指揮していたカンバランド伯爵(ジョージ2世の息子)はブッチャーとあだ名がつくほど残酷で有名でして、ハイランダーの血を持つものは絶やすべくスコットランド中を探し徹底的に抹殺していったのです。カローデンの戦いの悲劇はある意味悲劇の始まりだった、とロウデンさん。ロスニーさんはフローデンの戦いとカローデンの戦いの両方をとりあげ、この二つはスコットランドをぼろぼろにするほどの影響を与えたと話しています。(ロスニーさんは数年前に演劇では非常に評判が高かったジェイムズ王(→スコットランドの)三部作でジェイムズ2世をやっているせいでものすごく詳しいのかもしれないですね)

(この後3人は階段を下りて、時代をさかのぼり、スコットランドがスコットランドとなりはじめる時代を主に取り扱うフロアへ)

ハイライトの1つとしてあるのはメアリー女王とゆかりのある品々。ウエストミンスター寺院にある肖像のついているお墓・お棺(っていえば間違えてないかな?)のレプリカを紹介しています。女王はとても背が高く5フィート11インチあったよね?とロウデンさん。(覚えているのがすごい・・・。っと思ったら、そうだ、ロウデンさんは映画「ふたりの女王」で状の二番目の旦那さん(→極悪)ダーンリー卿役を演じていたんだと、今更思い出しました…😓)

https://www.youtube.com/watch?v=edC14v560L8

アナさんはメアリー女王の息子ジェームズ6世がイングランドの王様になったのも納得と軽く話し、ジェームズ6世が母親を(母親が)処刑された場所からロンドンへ移動したときについて説明。彼女の説明では、母親へのリスペクト(ロンドンに移動して母のそばに)と同時に、(イングランドの王位を継承するにはふさわしかった)母親の息子である自分はイングランドの王位を継承するのはもっともだ、という意味も含まれている、と。

ロウデンさんたちはエリザベス女王が生存していたときと他界したときでふるまいの異なるジェームズ6世(1世)の二面性について話すと、アナさんは、ジェームズは狡猾な大変頭のよい政治家であり、戦争を起こさずに結果的に自分が欲しいものをゲット(2つの国の王位)したことを指摘。戦争を起こさずに実現させたことは、この時代とくに、すごいことだと2人は再確認します。ロスニーさんはジェームズ6世を二回も演じたことがあるとか。(→二人の女王でジェームズ6世を演じていたのがロスニーさん・・・😓)


その後、「ふたりの女王」についての思い出話に。ドラマスクール時代以来の共演でしたが、同じ撮影時間を共有したわけではなかったそうです。ロスニーさんのシーンはブラックネス城で撮影され、そのとき現場にはロウデンさんは(自分の出番はないけど)行ったんですって。ロスニーさんはブラックネス城の近くで育ったのだとか。子供のころに過ごした場所に戻ってあの映画の撮影をしたことに特別な感情を抱いているそうです。
二人が再び共演できる日がくるといいですねー
博物館にリアルのものは展示はされていないのですが、博物館の倉庫がエディンバラの港町の1つであるグラントンに大切に保管されているメアリー女王の支持者だったスミートン領主からの手紙を紹介。手紙はこちらでも閲覧できます。
Letter (nms.ac.uk)
ロウデンさんたちは、かつてスコットランド語について学んだ過去を話し、スコットランドに特化したエリアを去ります。

どこ行こうか、と考えたのちに現在特設展示中のThe Typewriter Revolutionタイプライターのコーナーへ
The Typewriter Revolution (nms.ac.uk)
時代ごとにその時代と技術を反映したタイプライターが展示されているようで、タイプライターの前形とみられる1857年のものをみて驚いています。拷問デバイスみたいなどとジョークを言っていますが・・・
スコットランドで発明されたもの、スコットランドから始まったものが本当に多くあることから二人はスコットランドが近代文明を作り出したとまで言われることを改めて納得。
ロウデンさんがモリッシーを演じた「イングランドイズマイン」で、ロウデンさんがタイプする指をものすごいクロースアップでカメラが撮影したという思い出話に。
そしてタイプライターだけでなく、どんな技術発明でもいろいろなハードルを乗り越えて受け入れられるようになったよね、と。あまりにも新しすぎて、一般の人は「悪魔の贈り物」と受け入れてくれない。このことと最近のガジェットのアップデートや最新機種の話をてらしあわせ、新しいものに翻弄されてしまう、一回たちどまって、人々が常に新しいものを作り出し改善しようとしているほうにも目を向けようよ、的なことを話しています。
ここでセントアンドリュース大学でPhDをやっていて博物館のタイプライターコーナーを担当しているジェームスさんとおしゃべり。タイプライターがじつはいろいろな社会運動(女性選挙権とか)ともリンクしていることを説明してくれるおかげで、一層タイプライターの歴史にも興味が高まります。

タイプライターの音っていいよね、って話をしながら、ビートジェネレーションを代表する米作家でジャック・ケルアックは、スモーカーだったのですが、タイプライターを打つために禁煙するようになった、という興味深いトリビアが話にでていました。

(最後のまとめ)
キュレイターさんたちとお話してよかったよねー。職業柄いろんなことを知る機会に恵まれるけれども、それは広く浅く、ざっくりとのみだから。スコットランド国立博物館はあっちへいけば恐竜がいてこっちにいけば別のものがというあらゆる世界をのぞけて、しかも驚くような発見もついてくる。何日もここで過ごすことができる。そして日常から離れて別の世界を探訪できる。それをさせてくれるのが博物館じゃないかな。まるで自分自身と関係のない世界に身を投じる時間の大切さを強調していましたよ。

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