石垣 雅海(21歳・中日)左翼手

    石垣 雅海(21歳・中日)左翼 181/85 右/右


              「打球は強烈」


 中日の二軍の中でも、ひときわ鋭い打球が目立つ 石垣 雅海 。昨年はファームの祭典・フレッシュオールスターでMVPを獲得するも、公式戦では.183厘 と低迷した。しかし3年目の今年は、2割台後半をキープするなど、順調にここまで階段を駆け上がってきた。

(プレースタイル)

 酒田南時代から、大型遊撃手として注目されてきました。しかし当時から内野よりは外野手向きだろうとみていました。登録は今年も内野手ですが、試合ではレフトとして出場しています。特に守備や足で魅了する選手ではなく、あくまでも長打力を秘めた打撃でアピールすべき存在なのでしょう。

(成績を考える)

 ここまでの二軍成績は、36試合に出場し 3本 12点 3盗(3失) 打率.283厘 と特筆すべきものはありません。もう少しこの数字を細かく見てみると、106打数で34三振。三振比率は、32.1%。三振比率は、一軍を意識するのには 20%以下に留めたい数字です。それだけ振ったバットが、なかなかボールを捉えられないというミート力の粗さを露呈しています。

 四死球は9個であり、四死球率は8.5%と平均的。四死球率は10%を越えて来ると、ボールがしっかり見極められていたということになります。ここまででわかることは、ボール自体を見極める「眼」は素材的にあるものの、技術的に未熟でなかなかバットに当たらないということが伺えます。

(技術的には)

 ベースから離れた方向に踏み出す、アウトステップを採用。このため腰が早く開いてしまって、外角の球を捌くのが厳しいという欠点があります。もう一つは、肘が下がってバットが出てきます。この際にボールを捉えるまでスイング軌道が遠回りで、ロスが大きいということ。

(このスイングのメリットは)

 身体を早めに開くことで、真ん中~内角寄りの球を引っ張りやすいという強味があります。またうまくタイミングさえあえば、大きなスイングが後押して強烈な打球を生み出せるという特徴があります。したがって課題は、外角球の対応と、確実性だということがわかります。

(改善するには)

 長所をとるのか欠点を改善するのかというさじ加減は、アスリートならば永遠のテーマであるように思えます。しかし石垣の選手の場合、かなり欠点が極端な気がします。

 早く腰が開いてしまうことを考えると、アウトステップに踏み込んでいるのを真っ直ぐ踏み出すぐらいにした方が、開きは遅く我慢できるようになると考えられます。

 もう一つは、肘が下がって振り出しバットの重さに負けてしまい、バットの先端であるヘッドが下がって出てくる傾向にあります。このスイング軌道を改善するためには、もう少しバットを上から出すぐらいの意識ではないと、どうしても遠回りに遠回りにバットが出てしまうのではないのでしょうか。大きく振ることを意識しぎているので、もう少し内からバット出す意識を強めるべきかと。

(今後は)

 欠点を改善するために長所が無くなってしまうのは怖いのですが、今のままだと、なかなか一軍は見えて来ないのではないかと考えられます。非常に良い資質を持っている選手だけに、何処までこういった欠点を改善されてゆくかではないのでしょうか。ある程度長打力が望める選手だけに、ポスト・平田良介 への期待が高まります。

                        (2019年・6月)




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