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徒歩連絡の旅【上総亀山〜上総中野】

徒歩連絡ということばをググってみると
”乗換駅において、改札を出て公道などを通過しなければ乗り換えられない場合のことをいう。”
とある。

世間的には「乗換駅」であることが前提条件だけど、自分は「頑張れば徒歩で乗り換えできそうな2駅」を徒歩で往くことを徒歩連絡の定義とする。
それと、せっかくなので乗り換えの道中も楽しむことにする。一石二鳥。

今回は千葉県は久留里線の終点、上総亀山駅から小湊鉄道・いすみ鐵道の終点上総中野を目指した。

上総中野駅

7:42
内房線の木更津駅から約1時間、上総亀山は山あいにある無人駅だ。
周囲には地域のシンボル亀山湖があるが、観光客はほとんど車で訪れるようで、上総亀山で降りたのは地元の方ひとりと(自分含め)趣味人4人しかいなかった。

終着駅の醍醐味、車止め

久留里線はここから上総中野まで伸びて、木原線(現・いすみ鐵道)とつながる予定だったけど、歴史はそううまくいかなくて、今では廃止すら議論されている。
今回訪れたのも、廃止が決定してからでは趣味人が殺到して長閑な雰囲気が失われるからだ。

亀山ダムのダム湖、亀山湖

7:55
国道465号線に出るとすぐ、地域のシンボル亀山湖の湖畔を歩く。
写真には写さなかったけど、この日は早朝から多くの人が小船に乗って釣りを楽しんでいた。

廃遊歩道 夢の跡

8:07
湖畔に遊歩道の跡があった。
昔は家族連れで賑わったんだろうな、とか、
廃道の先には忘れ去られた施設があるのかな、とか妄想が膨らむ。
考えながら歩くのも徒歩連絡の楽しみ。

人の生活があるところには猫がいる

8:10
堂々とした体躯からはこの地に人の生活があることを感じさせる。
(たくさんの餌をもらっているはず)

第二蔵玉蔵隧道

8:40
房総半島は古くからトンネルが掘られてきた土地だ。
第二蔵玉隧道も扁額には昭和38年とあるが、明治時代の地形図には既にトンネルの記号が表記されている。
おそらく自動車を通すために穴を広げたのが昭和38年なのだろう。
たった15mのトンネルにも幾層の歴史が巻きついている。

森の緑に鳥居の朱はあまりに映える 鳥居の奥は沢
小さな滝の御前に鳥居 水の神様でも祀っているのだろうか

9:08
黄和田トンネルを抜けて大喜多町に入ると可愛らしい鳥居が点在していた。
社殿もなく、誰をお祀りしているのかは謎だ。

道中にはこうした手掘りトンネルが点在する
草木が手厚くバリケードしている

9:15
手掘りのトンネルを発見。
侵入を試みるもフカフカの土に足を取られてあえなく断念した。

バイカー以外にも優しい、喜楽里
これで白米3杯はいけそうだ

10:00
山の駅喜楽里で一旦休憩。
塩分補給も兼ねて鮎の塩焼きをひと串。
ほどよく疲れた体に素朴な美味さがしみる。いいねえ。

3時間ぶりの踏切

10:46
あとは駅までひたすら歩く。
踏切がゴールの気配を感じさせる。俄然足取りも早くなる。

備後落合を(便数的に)マイルドにしたようなターミナル駅、上総中野

10:54
目的地、上総中野に到着。
上総亀山を出て3時間の乗り換えはいささか時間がかかり過ぎに感じるかもしれないが、心配は無用。
乗車予定の大原行きが11時52分発なことを考えればむしろ早着しすぎた感すらある。

あってよかった駅前食堂

11:00
前述は嘘である。上総中野の時刻表は調べずにきたもんだから愕然としたよね。
東京の中野なら調べずに行っても大丈夫なんだけど。
慌ててマップで検索すると駅前食堂があったので昼飯兼時間調整をば。
カツ丼は甘めの味付けで自分好みでした。ごちそうさまでした。

帰りのいすみ鐵道 水を張った水田が美しい

そんなこんなでミッション達成です。
車で通れば見所の少ない山道かもしれませんが、歩くと案外面白いものが見えてきます。
上総亀山から上総中野まで、皆さんも徒歩連絡してみては如何でしょうか?

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