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【声劇台本】019「言葉にできない私たち」

<配役>
かおるちゃん(16)高校1年生。
小林くん(16)高校1年生。

―――本編―――
かおるのMO「大体、君に好きだと言われたことがない。告白もない。でも、私たちはいつも一緒に並んで帰る。これって付き合っているとは言わないよね? どうなんだろう!?」

小林「悩み事って? 勉強?」
かおる「違います。これ、友達の話なんだけど。好きな人が「好きだ」って言ってくれないんだって」
小林「なんだそれ。ってか、俺に恋愛相談するなよ」
かおる「小林の意見がほしいの!」
小林「うーん・・・・・・」
かおる「どう思う?」
小林「それ、欲張りすぎじゃね?」
かおる「え?」
小林「好きな人が自分のこと好きでいてくれるなら、それでいいじゃん」
かおる「思ってるだけじゃわかんないじゃん!」
小林「そんなもんかね?」
かおる「そうだよ」
小林「言葉にしたからってわかるもんでもないだろ」
かおる「屁理屈・・・・・・」
小林「だったら聞くけど。俺の気持ち、お前わかってるだろ?」
かおる「えっ!?」
小林「どうなんだよ?」
かおる「わ、わかってるよ! 当然でしょ!」
小林「だろ。改めて言わなくてもいいんだよ」
かおる「あのさ・・・・・・」
小林「なんだよ?」
かおる「そしたら。私の気持ちは?」
小林「え?」
かおる「私の気持ち、わかる?」
小林「当たり前だろ」
かおる「わかってない」
小林「どうわかってないんだよ」

かおるのMO「私は左手の人差し指を立てて、君に合図を送った」

小林「え。何?」
かおる「合図。さてどんな意味でしょう」
小林「はあ!?」

かおるのMO「私の意地悪な問題に、顔をしかめた君だけど、すぐに私の左手の人差し指を右手でつかんだ」

小林「この指とまれ! だろ!?」
かおる「正解」
小林「楽勝」

かおるのMO「はにかむ君の手は、思ったよりも暖かかった」
―――おわり―――

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今後の執筆と制作の糧にしてまいりたいと思います。