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「苦しめないで」(モノローグドラマ007)

■人物
女と男(一人二役でお願いします(これには意味があります))

■本編
女「私を苦しめないで。悪口を言うのはやめて。もう責めないで!」

男「お前こそ、俺のことをそうやって責めるのはやめてくれ。俺はお前に何もしてない。むしろ、お前が俺を苦しめてるんじゃないか」

女「私だってあなたに何か危害を加えた覚えなんかない! もう私に関わらないで!」

男「だったらお前が出て行け。俺はここに残る。ここは俺の家だからな」

女「何言ってるの。ここは私の家よ。出て行くのはあなたよ!」

男「全く話にならないな」

女「まただ。まただ。そうやって私を責める。お願いだから、消えてよ!」

男「またか。またそうやって逃げるのか。お前は何度同じことを繰り返したら気が済むんだ?」

女「手がふるえる。足が動かない。頭が割れそうに痛い!」

男「頭が痛いのは俺の方だ。お前のは仮病だろ。自分で手をふるわせて、自分で動けなくなっているんじゃないか」

女「声が聞こえる。お前の声が。お前は一体誰だ!?」

男「俺にも聞こえる、お前の声が、お前こそ一体誰だ?」

女「私は目の前の、あなたを殴る。砕けて5つにひび割れたガラス。私が話していた相手は、鏡だった」

男「目の前が5つに割れた、俺が話していたのは、鏡に映る、俺自身だった」

女「お前は……私?」

男「お前は……俺?」

女と男「切り離せない、心そのものが目の前に立っていた」
 
               (おしまい)

今後の執筆と制作の糧にしてまいりたいと思います。