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【0009】ヤバゴニア(パタゴニアやばいね)

本日は投票日。パタゴニア直営店が全店休みの話は、少し前からSNS上でも話題になっていたので、パタゴニアの活動について少し調べてみました。

Vote Our Planet

まずはこの活動。パタゴニアはアメリカの会社なので、今回の参議院選挙に合わせたこの活動はパタゴニアジャパンの取り組みということだと思いますが、この記事を見ると、この案があがった際に、日曜日の売上への影響は「気にする声はほぼなかった」そうです。
https://www.asahi.com/articles/ASM785CSZM78ULOB00H.html
普通、まあまあ何か言いますよね。良い取り組みだと思うけど、客入りの多い日曜日を休むって、1ヶ月30日のうちの1日(3%)以上の売上減の可能性があるわけだし。けど、これをやったおかげで、ファンからもファン以外の人もあとはもちろん社員も「さすがパタゴニア」って気持ちになったと思うので、結果的には中長期的に売上に貢献できてるでしょうね。
単に休むだけでもすごいけど、環境に関する外部サイトの紹介やローカル選挙カフェとして店舗で選挙について語り合うイベントも実施したりしていました。

店舗でもらえるシールもおしゃれ。「もらったよ」が拡散されやすくなっているけど、なんかパタゴニアがやるとプロモーション目的に見えないというかウォッシュ感が全くないですね。ちなみに、投票日までに店頭に行った知人は、店員さんから選挙の話を振られたそうです。関係者一同、本当に大事ななことだと思ってやってるというのが伝わってきます。

サプライチェーンを巻き込んできた歴史

パタゴニアのサイトを見ると、ショップ検索の次くらいに「企業の責任」というページが並んでおり、これまでにどんな取り組みをしてきたか紹介されています。これを見ると、縫製工場の劣悪な環境は一般的には「スウェットショップ」と呼ばれるくらい当たり前だった(むしろ今でもそうかも)ところ、パタゴニアは1973年から工場労働者の環境を良くすることに取り組んできたようです。
しかも凄いなと思ったのは、「自社でもない、発注先」にあたる会社であるサプライチェーンに対して、この活動しているという点。普通だと、「我々は労働環境や自然に対して配慮した作り方をしていない工場とは付き合いませんよ」と宣言するだけでも十分だと思いますが、パタゴニアはそこにフェアトレード・サーティファイド・プログラムという制度を作って、衣料製造に関わる人にパタゴニアが直接賞与を支払うというような取り組みもされているそうです。下記の日本法人社長の講演記事によると、工場に支払うのではなく個人に支払うことで、その人たちがそのお金をどういう使い方をするのか対話をしはじめるとのこと。
https://senken.co.jp/posts/patagonia-cr-semineriff201609
自分たちがTシャツ一枚に対して「あと30円安く」というのを繰り返していくことで、誰かが命を落とすことにもつながるというのは、ハッとさせられました。。と言いつつ、UTがめちゃ好きで、今日もセールで買ったやつを店舗に受け取りに行くんですけど。。

衣服だけじゃなく食まで

パタゴニアプロビジョンズというブランドだそうですが、ここでは「飲食」も販売しています。食を手がけ始めた考え方も、コットンからオーガニックコットン、トレーサブルダウンへの追求と同じように、食にまつわる業界全体が危機的な分野だと感じたからだそうです。
以下は、創業者の「なぜ食が重要なのか」というところからの引用です。

現代のテクノロジーと化学と輸送が一緒になり、これまで以上に人びとと食のあいだに距離を作っています。サーモンは無差別に捕獲されるか開水域の養殖場で育てられ、野生のサーモンを危機にさらしています。草原地帯は過放牧により荒らされ、家畜は抗生物質漬けにされ、古代の帯水層は持続不可能な農作物に吸い取られています。生産高を上げるために化学薬品が最大限に使用され、遺伝子組み換え作物の未知の影響が産業全体に暗雲のごとく覆いかぶさっています。すなわち食物連鎖は壊れています。

たしかに。。。豊かで美味しい食を支える裏側で行われていることを考えると、辛くなってしまいます。。ただ、こういう科学的な農法・製法がないと、職業が安定しないというのも事実だと思うので、その両方が解決される方法なのか考え方なのか、何かイノベーションが必要そうですね。
そんな中、パタゴニアが提供している食として「ビール」があります。

カーンザという「ロング・ルート(長い根)」を土深く伸ばす多年生穀物でを使用しているそうで、大気中からより多くの炭素を土に封じ込め、土壌内の生物の多様性を回復させることができます。とのこと。それを使ったクラフトビールだそうで、実はこれ最近飲んだんですが、むちゃくちゃ美味い。特にペールエールが好きすぎです。と思って読んでいたら、まさかの日本の酒税法では「発泡酒」にあたるとのこと。この美味さで!?やばすぎるやろ。って感じですね。
読んでたらどんどん飲みたくなってきたので、ムール貝と一緒に買ってしまいました。
ムール貝はムール貝で、海をクリーンにしてくれるそうですw

どこまでもハンパない。

本日の気づき・学び

選挙行こうぜ。で話題化したって程度の話ではなく、むちゃくちゃ真剣に環境や社会のことを考えた企業でした。パタゴニアの本に「レスポンシブル・カンパニー」という本がありますが、これも「自分たちがやっていることは地球に対してマイナスをゼロにしていること程度。だからサステナブルとはとても言えない、言えたとして責任ある会社という程度」ということでサステナブルという表現はされなかったそうです。本気で考えるとやれることはまだまだあるし、本気でやるとちゃんとファンがついて、事業としても成功する。当たり前のことかもしれませんが改めて感動させてくれた、すごくステキな会社でした。
ちなみにVote Our Planetのシール、めくると頭に「I」がつき、自分が投票してきたという意味に変わるそう。最後までおしゃれか!


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