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スリルミー2023 松岡×山崎ペア

まえがきは以下に。

今回唯一の続投ペア。
6回中3回を松山ペア(ヤマコーペアとも呼びますが本記事では松山ペアと呼びます)で観たわたしですが、チケット取った当初は
「偏っちゃったな―、3年前にこのペア1回観てるし……
まぁ何回観ても違ったものを見せてくれるだろうけど……」
なんてことを思っていたのですが(色々ごめん)。

蓋を開けてみたら、この選択は大正解。
この2人(+ピアニスト1人)、
2021年と別物をぶっこんできやがったんですよ。
しかも、毎回違うんですよ。
やばくない???
(語彙力低下)


参考までに、2021年の記録を以下に載せておきます。

記事に書いたように、前回公演では「共依存が強い」と思っていたペアなんですね。

その上で、まず今年の1回目。
感覚的に出てきたのが

  • え?この2年で何があった??

  • なんか、わたしの好きなスリルミーがそこにあった……!

ということ。

ご本人たちもインタビューなどで話していましたが、決して2年前と同じではない
かと言って2年前の2人がそのまま成長したわけでもない
完全に別物だということ。

しかもこれ、ピアノの篠塚さんにも同じことを感じたんです。
2年前はとにかく「若さゆえの性急さ」が際立っていて、演奏もそれに合わせて慌ただしかった印象があったんですね。
(悪い意味ではなくて)

ただ今年は、2人のペースにそのまま寄り添っていて、ものすごくスッと腑に落ちたんです。

それでいて、この段階(1回目)では、まだちゃんと「共依存」を感じました。
松岡私も山崎彼もお互いを必要としている。


さて、そんな記憶を刻んだ1週間後に観た2回目。

あれ……???
共依存関係どこいった???
え、怖いんですけど!!!

ええ、わたしが松山ペアに抱いていた「共依存」のイメージがガラガラと音を立てて崩れていきました。


松岡私、目が怖い。
諦念が強い。
悟りを開いている。

もともと広大くんは成河さんリスペクトなので、松岡私には成河イズムを感じていました。
ただ、成河さんの私ともまた違う怖さなんだよね。
成河私のコピーではない。
ちゃんと「松岡広大という役者の表現する私」だった。


対する山崎彼。
『死にたくない』が良かった。
わたし、歴代彼の中で柿澤彼の『死にたくない』が大好きなんですけど、柿澤彼の次に良かった。
ちゃんと死を怖がっていた。

私に対する彼の矢印が向かなくなっていった2回目。
これだけで衝撃がすごかったです。

『九十九年』のハモリも神がかっていたんですよね。
過去にも『九十九年』のハモリで泣いてしまったペアや公演はありましたが、この回はなんだかウルっときたんです。

まじで、2021年とも1回目とも違うものを見せられた。
ますます「何があったの?」状態。

あとね、このときフィナーレでの松岡私の巧妙さに気が付いたんです。
「スリル・ミー」の台詞で明るく照らされた瞬間、ハッとした表情をするんだけど、その後で(よく見ていないと分からないレベルで)ほんのすこーーーしだけ笑っていた。

……こわいよ……。
広大くんすごい……。


さて、さらに1週間経ちましてラストの3回目。
my千穐楽でもありました。

別記事のまえがき+総括でも書きましたが、
この回がmy楽で良かった。
松山ペアを一番多く観ることができて良かった。
2023スリルミーの悔いはない。


2回目以上に、松岡私も山崎彼もそれぞれが別方向に進化してた。


まず山崎彼。
山崎彼の優しさがこれまでで一番なかったです。
ここ最近のペアの中でもダントツ「私に優しい彼」だと思っていた山崎彼が、優しくなかった。
それが良かった。

そしてやはり『死にたくない』も良かった。
「しにたく……なーーーーーいーーー」がこれまでで一番重くて必死で良かったです。
「良かった」しか言えなくなってきたくらい良かった。


松岡私、諦めと悟りが境地に達していた。
「あぁ、完璧だ」はものすごく上の空。
犯行後の「世の中騒ぎ出す」のところが一番冷静だった。
わたしがこれまで観てきた歴代私の中でダントツの冷静っぷり。
逆に怖いわ。

だってさ、冷静すぎて狂気が感じられなかったんですよ。
それゆえに本気なのがものすごく伝わってきたんですよ。
それはそれで怖くない???

フィナーレで松岡私の表情が巧妙なことに気が付いた2回目だったので、3回目はガン見していたわけですが……
なんか、無表情の中にわずかな笑みが見えるんですよ。
暗転する直前にふっと笑みがにじみ出るんですよ!

木村私の「とびきりの笑顔が徐々に消えていく」グラデーションも怖いけど、「“無”からの、よく見ていないと分からないレベルの笑み」もだいぶ怖かったですね。
めっちゃ良かった……。


ということで、3回目でmy楽の松山ペアに対して
「怖かった」
「良かった」

ばかり言ってしまったわたしでした。



はい、全ての回の振り返りを終えましたね。
東京千穐楽も無事迎えられたとのことなので、残るは地方公演!
わたしは予定がありませんが、無事完走をお祈りしています。

また禁じられた森でお会いできる日を心待ちにしながら。


サポートは不要です。読んでくださったあなたと、またどこかでご縁がありますように。