韓国のいわゆる「ホワイト国」除外決定について(談話)

2019年8月2日
社会民主党幹事長
吉川はじめ

1.今月4日、安全保障上「不適切な事案」があったとして、半導体などの製造に必要なフッ化水素など3品目の輸出規制を強化していたが、政府は本日、安全保障上の輸出管理で優遇措置を取っている対象国から、韓国を除外する政令改正を閣議決定した。一方、韓国大統領府は「日本の不当な措置に断固たる姿勢で対応していく」と表明しており、両国の緊張はさらに高まり、一層の関係悪化は避けられない。しかし、報復の連鎖は両国にとってマイナスにしかならない。これ以上、深刻化させてはならず、両国の話し合いで解決の糸口を見つけなければならない。冷静な対話によって双方が歩み寄るよう求めたい。

2.G20大阪サミットで、安倍首相が「自由で公正な貿易」を宣言したばかりであるにもかかわらず、議長国が自由貿易を完全否定するような暴挙に出るというのは信じられない。日本側は、貿易管理で韓国側に不適切な事案があったと強調するが、不適切な事案を具体的に明らかにしていない。不適切な事案があったのであれば、韓国との協議でそれを指摘し、是正を促すべきではないか。200億ドル以上の対韓貿易黒字を失うことになれば、日本経済にも悪影響が及びかねない。

3.安倍政権による一連の輸出規制強化は、徴用工問題で対立する韓国に対し強硬姿勢をとることで、参院選での争点隠しや国民へのアピールにつなげる目的があったともいえる。しかし、徴用工問題は、日本の戦争犯罪をめぐる人権問題であり、政治的対立の解決のために貿易上の措置で報復するのは適切とはいえない。しかも安倍首相が煽りに煽った結果、日韓関係はこの数十年間で最悪と言われるまでになり、民間交流や観光にも影響が出始めている。韓国との対立は、拉致問題の解決にもマイナスになりかねない。社民党は、両国政府に対し、いま一度、冷静かつ賢明な対応を求め、対話を開始するよう求める。

以上

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