見出し画像

【声明】森喜朗東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長辞任について

2021年2月13日

社会民主党幹事長 服部良一

2月3日の日本オリンピック委員会(JOC)臨時評議員会で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」など、女性差別発言した森喜朗東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長が、2月12日開催された組織委員会事理並びに評議員の合同懇談会にて正式に辞任を表明した。

森氏は懇談会に引き続いて行われた記者会見においてもなお、件の発言は「解釈の仕方」と表現し、「私は女性を蔑視するという気持ちは本当にありませんし」と発言した。自分の発言のどの部分が女性差別にあたり、何が問題で、今後、組織としてどう改善していくか、そのような言葉は、ついぞ森氏から聞くことはできなかった。内面化された性差別や、この日本社会で男性が無意識の内に持つ「優位性」について内省できているとは言い難い。

これまでも政治家による性差別発言は繰り返されてきた。「不快な思いをさせて申し訳ございません」という形だけの謝罪をし、差別が再生産される土壌を残したまま、うやむやに終わらしてきた。しかし本日の森氏の辞任表明は、「これは女性への差別だ」と抗議の声を上げた多くの女性たち、自分たちの問題として捉えて共に立ち上がった男性たち、#dontbesilent (沈黙しないで)#genderequality(ジェンダー平等)というハッシュタグと共に、片手を挙げたポーズの写真をSNSに投稿して、一緒に声を上げた各国の駐日大使館の方々などの行動が状況を突き動かした結果である。広範なみなさんの声の高まりがなければ、スポンサー企業が森氏の発言に対し、毅然とした姿勢を表明することもなかったであろう。目の前の差別をやり過ごさないみなさんの行動が社会を動かした。

しかしながら、森氏の辞任によって全ての問題が解決するわけではない。会長自らオリンピック憲章に反する女性差別発言を行い辞任するにもかかわらず、その人物が後任を指名する人事の不透明さや、引き続き相談役として森氏の就任を求める周囲の姿勢には、根本的な反省が見られない。東京オリンピック・パラリンピックを実現するためには、性差別発言など取るに足らないことだという姿勢が見え隠れしている。このような体質の組織に、オリンピックを開催する資格はない。
ジェンダー・ギャップ指数121位の日本で生きる私たちの日常には性差別があふれ、些末なこととして扱われることが多い。しかし今後も、性差別を見過ごさず、やり過ごさず、泣き寝入りせず、諦めず、声を上げた人の背中をささえ、その声に呼応し、手を取り合い、目の前の性差別に反対の声を上げていこう。社民党はみなさんと共に行動し続ける。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?