見出し画像

思い通りに部下が動かないのは、部下が気の利かない無能な奴だから。

なんでこいつらこんなに使えないんだ!

あなたに組織の長となった経験があるのなら、一度はこう感じるはずだ。

部下はやる気がなく遊んでばかりいるし、目標達成に関係ない余計な行動しかしない。そもそも会議の場に来ない。文句は多いし注意をすると反発する。酷い奴だと周囲の人間に組織の悪口を言うかSNSの裏アカで愚痴を垂れ流す。

俺は目標達成にコミットし、休みなくタスクをこなしているのに!

そう感じた瞬間が何度もあった。高校時代に生徒会長をしていたとき、大学時代にサークルの幹部をしていたとき、派遣SE時代にとある小さなプロジェクトのリーダーをしていたとき……。

今振り返ると全ての瞬間において共通していたのは「目標達成して自分の評価をあげたい」という承認欲求と「私は無能じゃないと証明したい」という反骨心、それらを成し得るために「他人を目標達成のために利用する道具としか思っていない」という冷徹な感情だった。

私はゴミのように扱われた。だから他人もゴミのように扱う。

学校のクラスにいる陽キャって何をしても許されるから羨ましい。ただそこにいるだけで好かれるし褒められる。

私みたいな小学校~高校までスクールカースト最底辺にいる人間だと教室内に存在しているだけで罪になる。息をしているだけで「何で生きているの」と言われ、遠く離れた場所でクスクスと笑いものにされている。ひそひそとありもしない噂話をされ、近づくとばい菌扱いされる。

私以外の人間がみな私に敵意を向け、悪意に満ちた視線にさらされ続ける。少し周りと違うことをしたりミスをしただけで嘲笑され人間の屑扱いされる。

だから私は生徒会長になったとき、学校中の人間すべてを見返したかった。他人はそのための道具にすぎなかった。

他人から人間扱いされていない私は、旧友と友情や愛情を育むような心温まる学生生活を送っていない。だから私がその他人の上に立つ立場になったのなら、私がされたように彼ら彼女らを自分の権限の及ぶ範囲でごみのように扱ってもよいはずである。実際、そう扱った。

この世界には「自分」とそれ以外の「その他大勢」という分類しかないと考えている。私以外がどうなろうとしったこっちゃない。

人間は目標達成のための道具だ。使えないならゴミだ。

「見ろ! 人がゴミのようだ!」とは、天空の城ラピュタの悪役ムスカのセリフである。

生徒会長という立場から下々の生徒を見下ろしたときの私も、そう感じたので気持ちはよくわかる。生きていようが死んでいようがどうでもいいゴミだ。利用できるから利用するまでのこと。

私は人権は守るし法を犯せと言ったこともない。ただ、目標達成に向けてやるべきことを「やれ」と言っただけだ。相手の感情や(予定などの)事情は無視だ。言い訳せずに行動しろと言い、進捗報告を(遅延時はその対策発表もあわせて)させたが、責任感をもっているはずの奴に対してこれを求めるのはごくごく当たり前のことだろう。

ときどき正義のヒーローを気取った勘違い野郎が「お前のやっていることは悪だ。このエゴイスト!お前の下にいる人間が可哀想だろ」と言ってくるが営業妨害だ。無能が増長するからやめてほしい。

学生時代、私はいくらやる気をアピールしても他の生徒が団結して嫌がらせをしてきたので、文化祭では目立たない役(木など)しかできず、選択授業の履修も希望通りにはならなかった。

それなのに私以外の人間の希望は叶えようとして「○○ちゃんが△△やりたいっていってるじゃん!やらせてあげようよ。思いやりがなさすぎ!」などと擁護し私を非難する。お前らのダブルスタンダードな人間性はクソだ。

私はメンバーの欠点を指摘するし、辞めろと言うし、仕事を干す(タスクを取り上げるor与えない)。年上であっても入社年次が上であっても。それは目標達成に必要だからだ。

普段から他人の話を遮って自分語りをする奴にプレゼンや交渉は任せられないし、タスクを消化しないなら辞めてもらうしかない。その仕事に向いていないなら何もさせない。可哀想だと言われる謂れがない。

目的達成にそぐわない道具(=人間)は買い替えて交換すればいい。使えないなら破棄するしかない。

私は最悪自分だけの力でも目標達成ができるよう、必要な知識・スキルは血反吐を吐きながら習得した。できないという言葉は甘えだ。

部下が思い通りに動かなくてもあなたは悪くない。

転職口コミサイトなどでワンマン経営だと揶揄される社長がいる。部下が何人も辞めていく管理職がいる。あなたがそうであるならば、あなたは悪くない。

経営者はもはや自分と同じ存在だと言っていいほど思い入れのある「あなたの会社」の全責任を負っている。管理職も事業の成長や部・課に課せられた数字に対する責任を負っている。あなたは責任を果たそうとしているだけなのだ。

法律を遵守し続けている限り、あなたは悪くない。

ゴミ扱いが私を鬼に変え「冷酷」という武器を与えた

私は目標達成を通じて「自分が有能である」と証明したかった。いや、どちらかというと達成できなかったとき「ほら。やっぱりあのゴミくず野郎は失敗した。あいつは無能だ」と言われたくなかった。

だから死に物狂いで目標達成にこだわり、自分を追い込んで必要な知識・スキルを得たし、執拗にメンバーを縛り付け行動させた。もう周囲から無価値なゴミ人間扱いされる毎日は絶対に嫌だ。

生徒会長時代からサークル幹部を経て派遣SEとして携わったプロジェクトに至るまで、私が何らかの役職についたときは数値の上では目標達成している。私が関わったメンバー以外(先生方やクライアント等)の評判もよかった。

マネジメント論的にはチームが崩壊しているから失敗だと言う声もあるだろう。でも、冷酷に非道に人間性を排して必要なことを必要なときにやらせられたからこそ目標は達成した。

これは皮肉なことに地獄のような学生時代によって与えられた武器である。

いただいたサポートは社会復帰に使います。