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校務支援システムはどうあるべき?

「GIGAスクール構想の下での校務の情報化の在り方に関する専門家会議」を傍聴して。

小中学校における先生の業務を支援する校務支援システムについては、GIGAスクールよりずっと前のスクールニューディールの頃から関わっています。

当時は、東日本システム建設(現在のTOSYS)が、校務を電子化するにはどうしたらよいかという視点で開発を進められたスクールオフィスのシェアが高く、僕も導入に向けて尽力した時期がありました。

当時、先生たちが情報共有をすること自体、対面か紙しかなかったので、この部分から電子化しようという動きが始まりました。電子掲示板とかメールとかですね。

ほどなくして、時数を管理したり、成績を管理したりという機能が追加され、保健管理なんかも入ってくると『統合型校務支援システム』と呼ばれるようになりました。

教員の業務が電子化される一方で、自治体側の業務でインターネット上への情報漏洩などの不祥事が続きました。これへの緊急対策で3層分離が提唱され、義務的に自治体システムに導入されます。

これに倣い、学校向けのシステムでも3層分離の考え方が、文部科学省で「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」という形にまとめられます。インターネットには接続せず、機微情報を扱う『校務系』、インターネットには接続する『校務外部系』、機微情報は扱わない前提で児童生徒が利用する『学習系』の3つにネットワークを分けましょうという話です。
ところがこの実現は義務とはならず、補助金も付かなかったので、未だにセキュリティーポリシーを作るところすら100%になっていません。

そうこうしているうちに、クラウド・バイ・デフォルトという考え方が政府の前提となり、クラウドサービスを利用するためにインターネットに接続する必要が出てきました。

統合型校務支援システムは、成績などの機微情報を扱うため、3層分離の考え方でいうとインターネットには接続できないものである一方、クラウド化も求められるという困った状況になりました。
そこで「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」が改訂され、クラウドの利用も可能という方針になったという認識です。

前置きが長くなりましたが、この第2回の専門家会議を傍聴し、締めくくりとして堀田座長が言及した点に同感します。当時、校務支援システムしかなかったので、統合型である必要があったが、いまは、様々なクラウドサービスも利用できるため、情報共有のために利用できるものが他にあり、機微情報だけしっかり守っていけばよい、ということです。

つまり情報共有については、GoogleやMicrosoftのサービスを利用すれば良くて、成績管理などの機微情報だけ校務支援システムに残せば良いってこと。
となると校務支援システムの在り方について大きな転換点に来ていると言えそうです。
今現在は、Educom C4thがメジャーどころですけど、あっという間に入れ替わりが起きるかも知れませんね。

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