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GIGAスクール構想でGEEKは育たない

義務教育段階の児童生徒に一人一台パソコンやタブレット端末を配備し、授業で普段使いできる環境を整えるという、文部科学省GIGAスクール構想
これ自体は、一気に世界に先行するすごいことです。紙と鉛筆が良いということもあるでしょうけど、何度でもやり直しがきくデジタルデバイスだからこそできることも多いです。

僕は小学校の頃、作文が特に苦手でした。作文用紙に書き出して、ある程度書き進んでから、書く順番違った、とか、最悪1文字抜けた、とかになると、消しゴムで消して書き直すなんてことになってしまうので、あれこれ考えている内に時間が経つも、作文用紙は真っ白なんてことは良くあり、半分泣きながら宿題をしていたものです。そんなだから、結局書く文章も短くて、全然枚数が足りない(笑)

これが、パソコンを手にし、テキストエディタやワープロソフトが使えるようになってからは、段落を丸ごと入れ替えるのも一瞬だし、もちろん文字の追加削除も簡単なので、あの時の悩みは本当に無駄だったと思います。紙で文章書くなんて、想像するのもイヤですね。
もし、小学校の時に、この環境があったら、作文への苦手意識はかなり違ったはずです。

これはほんの一例で、GIGAスクール構想のおかげで、あと5~6年もすると、ICT機器を駆使して文章を書いたり、数字を扱ったりと、コンピュータにやらせた方が効率が良いことはコンピュータに任せ、人間の頭が必要なことに注力できる若者が本当に増えるはずです。
今どきの大卒者は、スマホは使えても、パソコンは満足に使いこなせない人も少なくないので、追い抜かされてしまうかも。

ただ一方で、GIGAGEEKは育たないでしょう。

GEEK(ギーク)とは、端的に言うとオタク。コンピュータに特に詳しい人を言います。

いまや企業で使われているパソコンも同じようなものですが、児童生徒が使うパソコンは、多くの機能が制限され、安心・安全の下に、危険なことが起こらないようになっているし、壊れたところで、復旧は保守業者に任せるしかありません。
そんなことは元々考えていないとは思いますが、この環境では、絶対にGEEKは育ちません

まあ、GEEKなんて育てるものでもないと思いますが、コンピュータを自分の自由に使い、OSやBIOSを隅々触ることができ、プログラムを書いたり、ソフトをインストールしたり、いろいろ試しながら、もし壊しちゃったとしても、それを元に戻す方法を考えるのも一つの学習で、そんなことを繰り返すうちに、様々なことに詳しくなっていくものです。
しかし、GIGAスクール構想で配布される端末は、それぞれの自治体や教育委員会などの判断で多少の違いはあるとしても、自分ではアプリすらインストールできないようになっているはずです。
これでは、コンピュータに対して試行錯誤は出来ません。

繰り返しになりますが、GIGAスクール構想で、GEEKを育てようという意図はないと思われますので、それはそれでよいのですが、DXの推進など、本当にコンピュータに詳しい人が必要になってきている今、完全に安心・安全な(要は自由にされなくなっている)パソコンを与えるだけでは、そんな人育ちませんよ、と思うのです。

#GIGAスクール構想 #オタク #GEEK #コンピュータオタク #マニア

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