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<Creativity>ささゆりの選考

当時(宇陀市として合併する前の町制で)は大宇陀、菟田野、榛原、室生と呼ばれていました、今の宇陀市方面に探し歩いた10箇所ぐらいの笹百合の撮影ポイントを持っていました。この花は奈良市内の大和文華館が一番早く、5月の下旬頃から咲きます、次に大神神社境内で、咲き始めて、6月下旬頃まであるので、撮影場所を変えて約1ヶ月撮影できます。

ささゆり、大和文華館

里のもので密集度が高いほど、人災で消滅、根こそぎ採取されたり、動物の食害にやられたり、ヤマユリの百合根と同様にいのししにとってはおいしい物のようです。レッドデータブックに載るほどに年々数を減らしています。

ただ、ささゆりの花は1枝1花咲きが多く、横にしなだれる形がおおいのですが、その株により一枝に咲かせる花を年々増やすものもあり、その重みもありながら、花が多くても結構しっかりと立っています。撮影としては花の形、構図が定番化している状況があるのですが、個人的には桜に続いて一番好きな花です。

定番のささゆり

現状では各地域の保護された場所や、「ささゆりの里」でしか見られなくなっています。植栽により増やすことも難しい花で、5年から10年かけて育てられています。明治期に日本から多様なユリをもちさったプラントハンターもヤマユリ(カサブランカ等の片親)のようには上手くいかずに、あきらめたことでしょうか。

複数輪のささゆり

日本はユリの自生種、野生種が多く、ユリの生産国であり、明治の一時期は生糸(シルク)、茶に続く輸出品目でした。ユリの売上で軍艦が製造できたという話もあるそうです。特に白いテッポウユリはかなり輸出されました、西洋では「白百合の花」は、聖母マリアのシンボルになっているということもあり、人気需要が高く、園芸家もこぞって日本産のユリの品種改良に取り組みました。現在市場にあるユリの園芸品種の多くは日本のユリの子孫です。ただ笹百合を除いてですが。


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