ウルトラマン
『きっと何者にもなれないお前たちに告げる。』
アニメ「ピングドラム」で毎話言われるこの決め台詞は、アニメを観たのがもう5年くらい前なのにぼくの中にこびりついて消えない。
子どものころのぼくはウルトラマンになりたかった。誰よりも大きくて、誰よりも強い。高層ビルよりも大きい怪獣に、同じくらい大きくなって果敢に挑む。そして、地上に居られる時間内でしっかり倒す。まさしくヒーローだった。
子どものぼくはウルトラマンティガ、ダイナ、ガイアがすごく好きで、どの主題歌も今でも口ずさめるほどにはまっていたのだけれど、
ガイアの主題歌はすごく印象的だった。
ギリギリまで がんばって
ギリギリまで ふんばって
どうにも こうにも
どうにもならない そんな時
ウルトラマンがほしい!
ウルトラマンガイア!
どうにもこうにも、どうにもならない時に頼ってもらえる何者かにぼくはなりたかった。
でも、今のままじゃダメだ。ウルトラマンにはなれないし、きっと何者にもなれない。
小学生になっても、中学生になっても、高校生になっても、大学生になっても、社会人になっても、ぼくはぼくのままでウルトラマンになれなかった。
ぼくの肩書きは社会に容易に溶け込む肩書きで、語られる誰かではなくて、ぼくは誰にも語られることのない会社員になった。
そんな自分の現状は今でも悔しい。こんなもんじゃなかったはずだろなんて、中二病かもしれないけど、まだまだ何かできるってまだ信じている自分がいる。
ぼくはウルトラマンにこれからでもなれるだろうか。
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