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ロックの冒険(25)

僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。
森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。

ムクドリのスターリングが以前言っていた。
もしミニベットの魔法を解く方法が分かったら、シジュウカラのティットを助けてほしいと。
モズのシュラーの仲間もミニベットの魔法で石にされている。
どうにかミニベットの魔法を解いて森を救わないといけない。シュラーにいたってはミニベットを裏切ったから、捕まったら殺されるだろう。
フクロウのローリーが言っていた魔法を解く言葉って何だろう?しかも、とても大きな大きな声でその言葉を言わなきゃ魔法は解けないらしい。

3人はしばらく森を飛んでいたら、アオゲラのグリュンが遠くにいた。
シュラーが言った「隠れろ、そしてグリュンが向かう方向に行けば、女王ミニベットがいるかもしれない。」
3人はグリュンに見つからないように、そっとグリュンの後をつけた。
グリュンはどんどん森の奥に飛んでいく。1時間もそうやって後をつけただろうか、突然森の中に開けた場所が現れた。
そしてその真ん中に1本の大きな木が伸びていた。
3人は気づかれないように、そっと様子を見ていた。
大きな周りにはグリュンたちアオゲラ、ヤマガラのバルドの集団、イカルのグロスビーたちがいた。
「青い羽と黒い羽はまだ見つからないのか?」
低く響く声が聞こえた。
「申し訳ありません。東の陣地を取られてしまい、まだ奪い返すことができないのです。バルドの催眠術でもダメでした。」

「たかがイソヒヨドリとハシボソガラスだろう、さっさと片付けておしまい。」
「ミニベット様、かしこまりました。」
グリュン、グロスビー、バルドが大きな木の上を見上げた。
ロックとクロウとシュラーもそっと見てみた。
女王の手下たちの視線の先にいる鳥、大きな木から伸びている1本の横枝にとまっている鳥、それがまさしく女王ミニベットだった。
「あれがミニベット!」ロックがささやいた。
「ああ、あいつが森の女王、ミニベットさ。」シュラーが言った。
大きな木の上には、1羽の美しいサンショウクイがとまっていた。
そしてサンショウクイ、いや女王ミニベットが言った。
「そこの3人、青い羽と黒い羽とオレンジ色の羽!さっきからお前たちのことは気づいていたぞ!」
「しまった。見つかった。」ロックが叫んだ。それと同時に、ミニベットの手下たちが一斉に3人を取り囲むように左右から飛んできた。
「まずい!」シュラーが言った。

(次回に続く)

#小説 #冒険小説 #野鳥

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