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ロックの冒険(14)

僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。
森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。

「もう少し早く森に着く方法ってないかなぁ。」クロウが疲れた表情で呟いた。
ロックとクロウは2人で森を目指して旅を続けていたが、森はまだ遠くだった。
ロックとクロウがそんな風に考えていた時、空を滑空するように、すごいスピードで飛んでいく鳥を見つけた。
「わぁ、なんだあの鳥は。飛び方もカッコいいし、すごいスピードだ。」ロックが言った。
「どうやったらあんなにカッコよく飛べるのか聞いてみようよ、クロウ。」
「だけどあの鳥は、ずっと先に行っちまったぜ。」
とりあえず2人はさっきの鳥が飛んだ方向へ飛んでいった。

幸い、その鳥は休憩を取るために、木の枝にとまっていた。
「ねぇねぇ、君、飛ぶのがカッコいいね!」ロックが話しかけた。その鳥を茶色のほっぺをして、スレンダーな身体をしていた。
「うん?君たちは?」
「僕はロックで、こいつはクロウ。君の名前は?」
「僕はブルース。ヒヨドリだ。」
ヒヨドリ・・・こんなにカッコよく飛べる鳥がいるんだ、とロックは感心した。
「どうやったら、そんなにカッコよく飛べるの?」ロックがブルースに聞いた。
「別に早く飛べなくても、いいじゃないか?なんか早く飛ばなきゃいけない理由でもあるのか?」
「僕たちは森を目指して旅をしてるんだけど、早く着く方法ってないかなと思ってるんだ。」
「そんなんだ!君たち森に行くんだ。僕の飛び方を見てて!」
そうやってブルースは、2人の前で飛んで見せました。ブルースの飛び方は枝から飛びしたら、少し空中に舞い上がった時に翼を閉じて滑空するのでした。

「どう、僕のように飛べる?」
ロックとクロウは、ブルースと同じように枝から飛びして、同じように翼を閉じてみた。ロックは何回か練習するうちにブルースの飛び方に近い形で飛べるようになった。但し元の翼の大きさがブルースと全然違い小さいので、スピードは出来なかった。
クロウに至っては、胴体が大きくて浮力がつかないので、翼を閉じて滑空しようとすると、地面に落ちそうになった。
ブルースは言った。「君たち、僕の真似なんかしなくてもいいよ。君たちの翼は君たちの身体に合うようにできているのさ。」
ロックとクロウは少しがっかりした。

「君たちは僕の飛び方がカッコいいとか、スピードが速いとか言ってるけど、逆に君たちに出来ることが僕には出来なかったりするよ。僕は木の実しか食べられないけど、君たちは石の隙間にいる虫を食べたり、ロックは身体が小さいから小回りが効くし、クロウはカラスだから君はいろんな知恵があるだろ?皆それぞれ得意なところと、不得意なところがあるものさ。」
「確かにそうだね。」ロックが言った。
「まぁ、そうだな。」クロウも言った。
それから2人は、森へ行く方角をブルースに聞いた。まだしばらくは北の方へ飛ぶ必要がありそうだった。

(次回に続く)

#小説 #冒険小説 #野鳥

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