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ロックの冒険(5)

僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。
森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。

スターリングはロックとクロウに言った。
「森には俺の親友だったティットがいる。シジュウカラの女の子さ。ティットが森に行ったまま帰ってこなくなった。伝え聞いた話だとミニベットの魔法で石にされたって話だ。なぁ青い羽と黒い羽、お前たちにお願いだ。もしローリーに会って魔法を解く方法が分かったら、ティットをミニベットから救ってもらえないだろうか?」
ロックとクロウは顔を見合わせて、それからスターリングに向かってうなずいた。
「頑張ってみるよ、スターリングさん」
「くれぐれも気をつけてくれ。」

青い空にはウミネコが何羽も飛んでいた。
「青い羽と黒い羽、あのウミネコの中にテイリーという奴がいる。テイリーは森への方角を知っている。テイリーに途中まで連れて行ってもらうのがいい。」
そしてウミネコに向かってスターリングが叫んだ。「おーい、テイリーいるか?いるなら降りてこい!」
すると一羽のウミネコが降りてきた。

「スターリング、久しぶりだな。何か用か?」
「ああ、この青い羽と黒い羽を森まで連れて行ってほしいんだが。」
テイリーはすました顔でロックとクロウを珍しそうな目で眺めながら言った。
「おれは海の鳥だから、森までは行かねえ。だが途中までなら案内できるさ。お前たちついて来れるか?」
「たぶん大丈夫」ロックとクロウはうなずいた。

「じゃあ飛ぶぞ。準備はいいか⁈」テイリーが叫ぶ。そして羽ばたいた。
ウミネコの大きな翼がパタパタと舞うと、ものすごい風がロックとクロウに吹き付けた。
クロウはテイリーについて飛び、ロックも負けないように大空へ飛び立った。

「よう、お前たち、なかなかだな。名前はなんていうんだ?」
「僕はロック、そして友だちのクロウだだよ。」
三羽はぐんぐんと上昇し、スターリングたちムクドリの群れもかなり下に見えた。
「森に行きたいなんてお前たちももの好きだな。」相変わらずテイリーは大きな翼で風を切っていた。
「ロックとクロウ、もし何か助けがいるときは、空高く飛んで、それからおれの名前を叫べ。"テイリー!"って。仲間のウミネコと一緒に助けに来てやるから。」
「ありがとうテイリー!」
テイリーはロックにウインクして、さらにぐんぐんと飛んでいく。

(次回に続く)

#小説 #冒険小説 #野鳥

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