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ロックの冒険(6)

僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。
森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。

「ねえテイリー、どこまで飛んでいくの?」小さなロックは、すごいスピードで飛んでいくテイリーに付いていくのがやっとだった。
「もうすぐだ。下に川が見えるだろ?あそこまでお前たちを連れて行く。あとは自分たちで頑張ってみな。川をずっと昇っていけば、いつかは森に着く。」
そしてロックとクロウとテイリーは川のほとりに降りた。
「ロック、ここでお別れだ。」
「テイリー、ありがとう。」

ロックとクロウは、ひとまず川沿いで休むことにしました。
幸いそこは木の実やエサになる虫がたくさんいる場所で、二人は空腹を満たした。
そこへ「グェッグェッ」と言いながら、一列に隊を組んカルガモがやってきた。
「うわー、クロウ見て!面白いな。お母さんに子どもたちがついていってるよ!」
「ホントだ。あのちびっ子たちは可愛いな」

ロックはカルガモのお母さんに話しかけてみることにしました。
「こんにちは。可愛いお子さんですね?」
グェッと音を鳴らしてカルガモのお母さんが答えた。
「ありがとう、あなたたちは?」
「僕はロック、こいつはクロウ。二人で旅をしているんだ。」
「そんなのかい、そりゃ大変だね。私の名前はスポッティ。この子たちの母親だよ。」
「ねえスポッティ、僕たちは森に行くんだ。この川を昇っていくと森に着くと聞いたんだけど、知ってる?」
「まぁそんな話は聞いたことがあるけど、私ゃ森には関係ないからね。」

それからロックとクロウはスポッティにこの川のことについていろいろ聞いた。
この川は森から流れてきた水を集めて下流に注いでいること。ここはまだ海から近い所にあって森はかなり遠いこと。この川には鳥以外にもいろんな生き物がいること。

スポッティの子どもたちは、母親の後ろの草むらで遊んでいたが、急に「きゃー!」という悲鳴をあげてスポッティの方へ駆け寄ってきた。
「スポッティ、きっと何かあったんだ!」ロックとクロウ、もちろんスポッティも急いで後ろの草むらの方へ向かった。
「いったいどうしたの!?」
「あそこを見て!」と一羽の子どもが言った。
そこには子どもたちのうちの一羽が、泥に足を取られて動けなくなっていた。そしてその子の背後に気味の悪い2つの目がじっとその子を見ていた。
クロウが叫んだ。「まずい、ヘビだ!」

(次回に続く)

#小説 #冒険小説 #野鳥

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