宮尾ミックス

詩を書いたり、読んだりしています。ことばが大好きです。

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最近の記事

    第四回 宮尾節子賞発表

第四回、宮尾節子賞が12月24日に決定いたしました。 ジュテーム北村(東京)・山口勲(東京)・悠 にこにこハウスの仲間たち(埼玉) の三名(順不同)です。おめでとうございます。 受け取ってくださって、ありがとうござます。 宮尾節子 以下、各受賞者へ贈ることばを、お読み頂ければ幸いです。 (*目次をクリック頂ければ各項目に飛びます。) ◎受賞のことばも追加しました。(*2月9日) ジュテーム北村殿ジュテームさんを知ったのはいつだろう。どこかの ポエトリーリーディングの

    • 美しいからだ

      美しいからだ         宮尾節子 そのことばの 一文字一文字 一語一句が 清く潔く 美しいからだ。 そのことばの 誰も殺めない 誰も傷めない 約束が 美しいからだ。 そのことばの 流れ星のように 永久に放棄した 勇気が 美しいからだ。 そのことばの 見せる景色 見せる未来の 全てが 美しいからだ。 そのことばの 守る世界が そのことばに 守られる世界が ひとの いちばん 美しい姿だからだ。     ――憲法9条讃。 *詩集『女に聞け』より。

      • 第三回 宮尾節子賞と受賞のことば

        みなさま。こんにちは。 昨年12月24日に、第三回宮尾節子賞を発表させて頂きました。 今回は金子彰子さん、樽恵美子さん、白須靖之さんと。特別賞を村田活彦さん・淳子さんペアに贈らせていただきました。おめでとうございます。 ささやかな個人の賞ですが、回を重ねるごとにご注目をいただき感謝です。 今回は、胎動レーベルのikomaさん、詩人の平川綾真智さんお二人のご協力をいただきツイッター・スペース(録音機能)にてライブ発表という豪華な回となり盛り上げていただきました。ありがとうご

        • 第三回 宮尾節子賞発表

          第三回、宮尾節子賞が12月24日に決定いたしました。 金子彰子(岐阜)・樽恵美子(東京)・白須靖之(埼玉) の三名(順不同)です。おめでとうございます。 第一回、特別賞は祝結婚   村田活彦・淳子のお二人でした。おしあわせに。 受け取ってくださって、ありがとうござます。 宮尾節子 以下、各受賞者へ贈ることばを、お読み頂ければ幸いです。 (*目次をクリック頂ければ各項目に飛びます。) ◎発表時のスペース(録音)はこちら→第三回宮尾節子賞 *** 金子彰子殿「いつの間

            第四回 宮尾節子賞発表

          夜明けの台所より愛をこめて

          「KOTOBA Slam japan 2022 全国大会」本日、見届けました。 優勝者は、道山れいんさん、おめでとうございます!! 私ごとです恐縮ですが、先週の日曜日国会前のフェスで寒風の中、伊達の薄着でシャウトして、風邪をひいてしまいました(このややこしい時期に風邪など…との向きもあるでしょうが、ゾクゾクにクシャミの連発、はい。コロナもインフルエンザもあるのですが、古き良き?風邪もちゃんと存在しております。)。しかし… 何とか、KSJファイナルには恒例の物を持って、元

          夜明けの台所より愛をこめて

          第二回宮尾節子賞と受賞のことば

          ごあいさつみなさま、こんにちは。宮尾節子です。 一昨年、このように始めた宮尾節子賞ですが、おかげさまで第二回も素晴らしい3名の方に、受け取って頂くことができました。そして、ささやかな賞ではありますが、たいへん喜んでいただけることが何より幸せに思います。 *** 「表現」について、考えるときいつも思い出す、ある方のことばがあります。何度かいろんな場所でお話をさせて頂いたことなので、聞き覚えがある方もいらっしゃるでしょうがご容赦ください。それは、ひとりの即興詩人の方のことば

          第二回宮尾節子賞と受賞のことば

          第二回 宮尾節子賞の発表

          第二回、宮尾節子賞が12月24日に決定いたしました。 浅葉爽香氏(山梨)・雨音氏(静岡・イギリス)・猫道(猫道一家)(東京) の三名(順不同)です。おめでとうございます。 各受賞者へ贈ることばを、お読み頂ければ幸いです。 浅葉爽香 殿 あなたをはじめて拝見したのは、2018年UPJ6(ウエノポエトリカンジャム6/UPJ6実行委員会主催)でした。ラッパーのゆうまさんの舞台にとつぜん登場して、からだに電流が走っているようなヤバイ動きをするダンサーがあなたでした。その衝撃を忘

          第二回 宮尾節子賞の発表

          蔦の葉考

          蔦の葉 けっきょくは蔦の葉なのかなあ、と思う。 詩の役割について考えてみるとき、詩に限らず言葉を使ってする表現形式・伝達方法とあれこれ思いを広げてみても、やはりわたしが最後にたどり着くのは、あの一枚の蔦の葉だ。 O・ヘンリーの『最後の一葉』は、いつ読んだのかも覚えていないくらい昔に読み、でも誰にきいても「ああ、絵に描いた蔦の葉が、少女の命を救った話でしょ」と続けてくれるぐらいよく知られ、いつまでも人々の心に残っている名作だ。窓から見える蔦の葉が全部落ちてしまったら、自分の

          宮尾節子賞と受賞のことば。

                   <ごあいさつ>          宮尾節子賞をはじめました。 はじめての方、はじめまして。わたしは詩を書いている宮尾節子というものです。はじめてでない方、こんにちは。いつもの宮尾節子です。わたしはけっこう長く生きて、けっこう長く詩を書いてきました。そして、知ったことがあります。それはそれぞれの人の姿があるように、それぞれの詩の形があるということです。 詩はことばを使った、表現の世界です。そして、 表現の世界が何よりすばらしいのは、まちがいがないこと。正解

          宮尾節子賞と受賞のことば。

          第一回 宮尾節子賞の発表

          第一回、宮尾節子賞が12月24日に決定いたしました。 かとうたか氏(北海道・札幌)・ikoma氏(東京・都区内)・ 浦邊力氏(東京・都区内)・市川茜氏(東京・神津島)の四名(順不同)です。おめでとうございます。 各受賞者へ贈ることばを、お読み頂ければ幸いです。 かとうたか 殿あなたは、人々が先の見えないコロナ禍で暗澹とした気持ちで日々を過ごし、時に荒む気持ちから暴言を投げつけてしまったり、心ない行為でお互いを傷つけあったりするなかで、人の心を失わず淡々と、落ち着いて普

          第一回 宮尾節子賞の発表

          宮尾節子賞

          2020年も残りわずかとなって来ました。今年はコロナ、コロナに明けて、先行きの見えない不安を抱えたまま、暮れそうです。それでも、何か。みんなで祝えるような、楽しいことをひとつと思い立ち。微力ながら、ちいさな賞を設けました。それが以下の、宮尾節子賞です。 こうして、言挙げしたのが11月10日のことです。どんな賞かはここに書いた通りです。 「普通に生きてカッコいい表現者」つまり。その人が今いる場所で、そんなに無理をせずに、その人らしく暮らしているそばに、その人の表現が寄り添っ

          宮尾節子賞

          東京じゃなくても/東京コーリング

          東京じゃなくても           宮尾節子(詩) 「別に東京じゃなくても いいんだけどね」 窓際の手持ち無沙汰な時間に アドレス帳の空きページに走り書きしたら 新幹線が発車した。 読んだか、どうかわからないまま出発して 十年経って、顔を見たとき。 「そんなら、なぜ」と思ったよと、髭面が笑った 捨てたもんじゃないね 東京コーリング。 届かないとあきらめた頃、俄かに応答がある。 土佐の高知には宴会が多い、嫁いで宴会、生まれて宴会、死んでも宴会、

          東京じゃなくても/東京コーリング

          翅毟り、詩撃ち

          河津聖恵『「毒虫」詩論序説――声と声なき声のはざまで』                              宮尾節子 「ある朝、グレゴール・ザムザが気がかりな夢から目ざめたとき、自分がベッドの上で一匹の巨大な毒虫に変ってしまっているのに気づいた。」  ある朝、同じくカフカの小説『変身』の有名なこの冒頭部分の意味に「初めて読み解けたと」、目覚めた河津がいた。その朝とは、「深夜、安保法案(安全保障関連法案)が可決し、ほとんど眠れないまま迎えた朝」である。「毒虫」とは己自

          翅毟り、詩撃ち

          職人の娘

          「いち、にい、さん、しい……」何をしてるの?とたまに家族に言われることがある。「数を数えているの」と答える。依頼された雑誌の文字数を数えているのである。文章(詩ではなく)を書くときは毎回、これから始まる。知り合いの書き手に聞いたことがある。「一行の文字数は幾つですか?と先方に尋ねるのに、何というか。おとなな、聞き方ない?わたし、職人の娘なので、中身より(あはは)みば(見栄え)にこだわるの。へんなところで一行が終わったり、へんな文字で始まったりしてると吐きそうになるし、蕁麻疹が

          そもそも連詩組って何?

          わたしが組長となって(笑)間欠的にやっているツイッター連詩・pw連詩組について、2017年の『詩と思想 11月号』に特集<IT社会がもたらす変革とポエジー>に寄稿したもの。「組のもんですが〜ツイッター連詩から連詩組まで〜」をここに少し写真などを足して掲載しておきます。ご笑覧頂ければ幸いです。 *** 組のもんですが 〜ツイッター連詩から連詩組まで〜 宮尾節子  「みんな楽しそうで、アットホームなブースですね。ここは」といろんな方が声をかけてくれる。こことは、pw連詩組のブ

          そもそも連詩組って何?

          歌は歌に候

          好きなことばだとして、今日ツイッターにつぶやいて思い出した記事ですが…もう一度ここに。 *2015年12月に早稲田大学の大隈講堂で開催された「緊急シンポジウム・時代の危機に向き合う短歌」の感想を2年前の『うた新聞』1月号に、寄稿させてもらった少し古い記事の原稿ですが、ここに書いた<胸騒ぎ>がまだ、治っていない気がして、今いちどこちらに、再掲してみます。ご高覧頂ければ幸いです。 *** 「歌は歌に候」                              宮尾節子