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TikTokとYouTubeショートのバズり方の違い

たねむらです。
僕は普段、人工知能の実験動画を作ってTwitterやYouTubeに投稿しています。

今回、以下のようなショート動画をTikTokとYouTubeに投稿してみたのですが、それぞれのプラットフォームで伸び方や視聴者のアクションが全く違ったので、それぞれの違いや特徴についてまとめてみようと思います。

記事前半では、投稿前後の再生数の変化などのデータについてまとめています。そんなことよりも記事タイトルの内容の方に興味があるという方は、以下の目次から「TikTokとYouTubeショートのバズり方の違い」まで飛ばしていただければと思います。

投稿前の状況

ショート動画を投稿する前の各プラットフォームの状況は以下のような感じでした。YouTubeチャンネルは半年前、TikTokアカウントは一ヶ月前に作成しました。

TikTok

  • フォロワー: 2

  • 動画数: 2本

  • 平均再生数: 420前後

  • 総いいね: 9

YouTube

  • 登録者数: 1

  • 動画数: 1本

  • 再生数: 59

  • 高評価数: 3

YouTubeには以下の動画を初投稿動画として投稿していました。また、TikTokには、この動画を見てもらうために切り抜きを2本投稿していました。

投稿日時

投稿日時は再生回数に大きな影響を与えると言われています。いずれの投稿でも、人が多いとされる夕方から夜間を狙って投稿しました。

TikTok

TikTokへは月曜の19:30ごろに投稿しました。

YouTube

YouTubeへは二回投稿しました。一回目は、TikTokへ投稿する前日の日曜日の20:30ごろに、上記ツイートのものと同じものを投稿しました。二回目はそれに読み上げを追加し、TikTokへの投稿の四日後の金曜日の16:00ごろに投稿しました。

投稿後48時間の再生回数の推移

TikTok

TikTokへの投稿後48時間の再生回数の推移は以下のようになりました。TikTokの仕様で、累積再生数ではなく、各時間帯ごとの再生数の推移を表示しています。

TikTokへの投稿後48時間の再生回数の推移。細い山は通勤・通学時間帯で、二つのツノがある山は夕方から夜にかけての時間帯に対応する。二つのツノの間はおそらく晩御飯の時間帯。

確か、投稿後30時間くらいで10万回再生を突破したと思います。投稿後48時間で18万回になり、そこからだんだん再生数が鈍化していきました。なので、この画像はちょうど勢いが衰える直前までの期間の推移となります。記事執筆時点では、19.8万回再生になっています。

YouTubeショート(一回目)

一回目の動画は二回目の動画を投稿する前に削除してしまったので推移は残っていないのですが、投稿後1時間で1500回再生され、その後は削除するまで全く伸びませんでした。

YouTubeショート(二回目)

(執筆時点で実は48時間経っていないので、経過後に修正します)
YouTubeへの投稿後48時間の再生回数の推移は以下のようになりました。YouTubeの仕様で、累積の再生数の推移を表示しています。

YouTubeへの投稿後48時間の再生回数の推移

投稿後1時間で4000再生され、その後6時間経過したのちに急に3500回追加で再生されて6500回再生になりました。それ以降はほとんど伸びなかったのですが、24時間後から謎のジワ伸びフェーズに入りました。

投稿による変化

投稿した動画を通じて、TikTokのフォロワーやYouTubeの登録者数、メイン動画の再生数に大きな変化がありました。TikTokへの投稿は、メインのコンテンツであるYouTubeの動画を見てもらうことを目的としていたので、ここではYouTubeの登録者、再生数の変化をメインに見ていきます。

YouTubeショート(一回目)投稿後

  • チャンネル登録者数: 5 (+4)

  • メイン動画の再生数: 74 (+15)

  • メイン動画の高評価数: 5 (+2)

  • ショートの高評価数: 25 (低評価数: 2)

TikTok投稿後

  • チャンネル登録者数: 13 (+8)

  • メイン動画の再生数: 115 (+41)

  • メイン動画の高評価数: 12 (+7)

  • TikTokのフォロワー数: 295 (+293)

  • 総いいね: 7463 (+7454)

YouTubeショート(二回目)投稿後

  • チャンネル登録者数: 32 (+19)

  • メイン動画の再生数: 137 (+22)

  • メイン動画の高評価数: 16 (+4)

  • ショートの高評価数: 143 (低評価数: 4)

YouTubeショート(二回目)の投稿後の変化には少なからずTikTok視聴者の影響もありそうですが、YouTubeショート(二回目)の投稿時点ではTikTokの伸びは鈍化していたので、影響はないものとします。

TikTokとYouTubeショートのバズり方の違い

今回の投稿のみから出した結論ですが、TikTokの方がバズりやすいと思います。

TikTokもYouTubeショートも、投稿直後に数百人に必ず拡散される仕組みになっていて、視聴維持率や高評価数、コメント数によってさらに拡散されるかどうかが決まると巷では言われています。これは、実際の体感とも大体一致します。つまり、バズるためには、投稿直後に視聴者からの好意的なリアクションをできるだけ多くもらう必要があるということになります。

TikTokとYouTubeショートでは、動画を評価するための指標に違いがあります。TikTokでは、ユーザーは動画に対して「いいね」「コメント」「ブックマーク」「共有」という四つのアクションをとることができて、これらは基本的にはすべて好意的な評価とみなせるはずです。一方で、YouTubeショートでは、「高評価」「低評価」「コメント」「共有」の四つのアクションをとることができますが、好意的な評価は三つだけな上、マイナスの評価をすることもできます。このような動画へのアクションの違いから、TikTokの方がYouTubeよりも多くの好意的な評価がもらえそうです。

また、アルゴリズムの評価の厳しさにも違いがある気がします。YouTubeショートでは、最初の伸びが止まったあと、高評価数が20くらい、再生回数が500くらい、登録者数が2人減り、その数時間後に再度伸びが始まりました。その伸びが止まった後も、また同じように高評価数や再生回数、登録者が減りました。おそらく、ある程度動画が拡散された後にbotのような不正なアカウントを弾く処理を行い、その後に動画の評価のやり直しをしているような気がします。一方で、TikTokでは投稿後48時間のうちはずっと伸び続けていました。アクティブユーザーが少ない夜中や平日の日中ですら一時間当たりの再生回数が数百を割ることはなく、YouTubeのように再生回数や評価数、フォロワー数が減ったりすることもありませんでした。これらの振る舞いを比較すると、YouTubeショートの方がアルゴリズムが厳しく、TikTokの方がアルゴリズムが大雑把な印象を受けます。

こうした評価方法の違いやアルゴリズムの性格の違いを踏まえると、同じコンテンツでもYouTubeショートでは厳しめに評価されやすく、TikTokでは甘めに評価されやすいのではないかなと思いました。実際に、TikTokの方がYouTubeショートよりも再生回数あたりのコメント数は少ないにも関わらず伸びています。以上のことから、TikTokの方がバズりやすそうという結論に至りました。

YouTubeチャンネルへの流入人数の違い

今回ショート動画を投稿した目的は、「YouTubeに投稿しているメインの動画を見てもらうこと」でした。その目的を達成するためにはどちらのプラットフォームがより適しているかを考えてみます。

各ショート動画の再生数を、YouTubeチャンネルの登録者数の増加分で割った数字が以下になります。これは、登録者を一人増やすためにショート動画が何回再生される必要があるかをあらわしています。

  • TikTok: 24750回

  • YouTube: 377回

また、各ショート動画の再生数を、YouTubeのメイン動画の再生数の増加分で割った数字が以下になります。これは、メイン動画の再生数を一回増やすためにショート動画が何回再生される必要があるかをあらわしています。

  • TikTok: 4829回

  • YouTube: 325回

つまり、TikTokでは約5000回再生につき一人がYouTubeのメイン動画を見てくれて、メイン動画を見てくれた五人のうち一人がチャンネル登録をしてくれているということになります。それに対して、YouTubeショートでは400回再生につき一人がメイン動画を見てくれて、一人がチャンネル登録をしてくれるということになります。

TikTokではコメント欄にリンクを貼れないため、TikTokユーザーがYouTubeチャンネルで公開しているメイン動画にアクセスするまでには「プロフィール表示」→「SNSリンクのタップ」→「動画再生」という三つのアクションが必要で、TikTokユーザーからするとかなり面倒です。一方で、YouTubeショートのコメント欄には動画へのリンクが貼れるため、「コメント欄を開く」→「リンククリック」という二つのアクションで済みます。また、チャンネル登録ボタンがショート動画上に存在するため、たったワンタップでチャンネル登録をしてもらえます。

こうしたプラットフォームの特性から、YouTubeチャンネルへの流入人数は圧倒的にYouTubeショートの方が多いということが分かりました。そのため、「YouTubeチャンネルの登録者数を増やしたい」、「フル尺動画の再生数を増やしたい」というチャンネル運営者の方にとっては、TikTokで数十万回再生されるよりも、YouTubeショートで一万回再生されたほうが恩恵が大きいと思います。

それぞれのプラットフォームの活用方法

ここまでの内容をまとめると、それぞれのプラットフォームには以下のような長所と短所があることがわかりました。

  • TikTok: コンテンツは伸びやすいが、チャンネルへの影響は小さい

  • YouTubeショート: コンテンツは伸びにくいが、チャンネルへの影響は大きい

TikTokはコンテンツが伸びやすく、その分コメントによる反応をもらいやすいです。そのため、まずはTikTokにショート動画を投稿してみて、その反応をもとに修正したものをYouTubeショートに投稿してみるという活用方法がよさそうです。また、YouTubeショートには低評価を付けられる可能性があるため、TikTokで反応が芳しくなかった動画はそもそもYouTubeショートに投稿しないというような対応もできると思います。

まとめ

今回のショート動画投稿を通して、TikTokのほうが伸びやすく、YouTubeショートの方がチャンネル登録者が増えやすいということがわかりました。とはいえ、ショート動画が再生されるかどうかはかなり運の要素が強いため、伸びなくてもめげずに投稿し続ける根性が一番大事かもしれません。

たかだか20万回再生程度の初心者が分不相応にもこんな記事を書いてしまいましたが、これからショート動画を投稿していこうと思っている方の参考になれば嬉しいです。


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